故郷の話
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シャチ視点
ペンギンがやる事があるからとせっかく来たばかりの部屋を出て行ってしまい、船長の機嫌も悪そうで居心地が悪く、シャチは仕方なく再び部屋を出て屋敷を歩き回ることにした。
シャチの頭の上が気に入ったらしいウリという名前らしい猫をお供に、歩き回る屋敷は広い。
暫く歩いたところで道に迷った事に気付いた。立ち止まって周囲を見回し、窓から中庭が見えるのを確認した。中庭の向きからして自分が居る大体の方角は分かったが、位置はやっぱり分からない。
その中庭に白い物が設置されているのに気付いて、窓へ顔を押し付けるように見ていると廊下の先から声を掛けられた。
「う゛ぉおおおおおい! 何してんだぁああああ!?」
「うひっ!? ご、ゴメンナサイ!」
ペンギンの喋り方に似ているが、ペンギンよりも大きく低い声だ。思わず跳ねた肩に直立の姿勢をとって声を掛けたであろう人物を振り返れば、そこに居たのはペンギンに良く似た人物だった。
良く似ているとはいえペンギンが黒髪なのに対し、その人は銀髪だ。眼の色だって銀色をしていてペンギンとは正反対の色をしている。しかし顔立ちや釣り上がった目元は彼のほうがいくらか歳を取っている様子ではあるがそっくりで、ペンギンが男らしかったらこういう顔なのだろうなと思った。
「お前、シルビが連れて来たヤツの一人かぁあああ?」
「えっと、そうです。ハイ。……その、ペンギンのお兄さん?」
「はぁああああ!? 違げぇぞぉおお」
「え、じゃ、えっと、ペンギンの弟さん!」
「アイツの弟はもう死んでるぞぉおお。つか、お前も何やってんだぁウリ」
「にょおん」
シャチの頭へ乗っていた猫が、男の声に返事をして飛び降り、男の足元へと擦り寄りに向かう。手を伸ばしてその身体を抱き上げた男は、猫を胸元へ抱いてシャチを見た。
ペンギンに似ているのかペンギンが似ているのか、男はペンギンに比べると随分威圧感があるというか、怖い。しかしそれでもさっきの言葉が気になって、シャチは勇気を振り絞る。
「弟が、死んでるって……」
「ところでお前ベスター見てねえかぁああ? ボスさんが探して来いって煩せぇんだぁああ」
「し、知りませんゴメンナサイ!」
シャチの疑問はスルーされた。銀髪の男はシャチがあのライガーを見ていないと知って、シャチから興味を失ったかのように窓から外を眺める。それから何かに気付いて窓へと寄り、そこからひょいと飛び降りた。
「うぇえええ!?」
目の前で起きた唐突な出来事へ、思わず彼が飛び降りた窓へ駆け寄って階下を見下ろせば、怪我一つ無く着地したらしい彼が平穏と歩いて中庭へ居た誰かへ話しかけていた。誰と話しているのかと見ていれば彼が振り返ってシャチの居る辺りを指差す。
そして木陰から現れたライガーへ飛び掛られていた。
ペンギンがやる事があるからとせっかく来たばかりの部屋を出て行ってしまい、船長の機嫌も悪そうで居心地が悪く、シャチは仕方なく再び部屋を出て屋敷を歩き回ることにした。
シャチの頭の上が気に入ったらしいウリという名前らしい猫をお供に、歩き回る屋敷は広い。
暫く歩いたところで道に迷った事に気付いた。立ち止まって周囲を見回し、窓から中庭が見えるのを確認した。中庭の向きからして自分が居る大体の方角は分かったが、位置はやっぱり分からない。
その中庭に白い物が設置されているのに気付いて、窓へ顔を押し付けるように見ていると廊下の先から声を掛けられた。
「う゛ぉおおおおおい! 何してんだぁああああ!?」
「うひっ!? ご、ゴメンナサイ!」
ペンギンの喋り方に似ているが、ペンギンよりも大きく低い声だ。思わず跳ねた肩に直立の姿勢をとって声を掛けたであろう人物を振り返れば、そこに居たのはペンギンに良く似た人物だった。
良く似ているとはいえペンギンが黒髪なのに対し、その人は銀髪だ。眼の色だって銀色をしていてペンギンとは正反対の色をしている。しかし顔立ちや釣り上がった目元は彼のほうがいくらか歳を取っている様子ではあるがそっくりで、ペンギンが男らしかったらこういう顔なのだろうなと思った。
「お前、シルビが連れて来たヤツの一人かぁあああ?」
「えっと、そうです。ハイ。……その、ペンギンのお兄さん?」
「はぁああああ!? 違げぇぞぉおお」
「え、じゃ、えっと、ペンギンの弟さん!」
「アイツの弟はもう死んでるぞぉおお。つか、お前も何やってんだぁウリ」
「にょおん」
シャチの頭へ乗っていた猫が、男の声に返事をして飛び降り、男の足元へと擦り寄りに向かう。手を伸ばしてその身体を抱き上げた男は、猫を胸元へ抱いてシャチを見た。
ペンギンに似ているのかペンギンが似ているのか、男はペンギンに比べると随分威圧感があるというか、怖い。しかしそれでもさっきの言葉が気になって、シャチは勇気を振り絞る。
「弟が、死んでるって……」
「ところでお前ベスター見てねえかぁああ? ボスさんが探して来いって煩せぇんだぁああ」
「し、知りませんゴメンナサイ!」
シャチの疑問はスルーされた。銀髪の男はシャチがあのライガーを見ていないと知って、シャチから興味を失ったかのように窓から外を眺める。それから何かに気付いて窓へと寄り、そこからひょいと飛び降りた。
「うぇえええ!?」
目の前で起きた唐突な出来事へ、思わず彼が飛び降りた窓へ駆け寄って階下を見下ろせば、怪我一つ無く着地したらしい彼が平穏と歩いて中庭へ居た誰かへ話しかけていた。誰と話しているのかと見ていれば彼が振り返ってシャチの居る辺りを指差す。
そして木陰から現れたライガーへ飛び掛られていた。