故郷の話
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シャチ視点
「ペンギン?」
「先に行っていいぜぇ」
ペンギンはシャチを見ていつものように笑った。とはいえ今までは防寒帽に隠れている笑みしか見た事が無かったから、本当にいつもの通りかどうかは分からない。
先に行っていいと言われたものの、シャチはペンギンを置いていくのは嫌で傍に戻った。そんなシャチを見てペンギンが困ったように眉根を寄せて、老人が微笑んだ。
「相変わらずだね」
「……性分でしょう。だから困りますが」
「君が困ることなど何一つ無いだろうさ」
老人がシャチを見る。
「彼のことは好きかい?」
「……えっと、ハイ」
「今でも?」
「ペンギンは、その、オレ達の仲間です」
視界の端でクロームがツナヨシに駆け寄って何かを話していた。そのツナヨシの隣に居るペンギンに良く似た白い奴はじっとこっちを見ている。
ペンギンがバイザクを片腕に抱え直し、空いた手でシャチの頭を撫でた。
「……九代目。俺をからかうのはそんなに楽しいですか?」
「こう年をとるとね、若者をからかうくらいしか楽しい事がなくなってしまうんだよ。それにしてもご苦労だったね。飛行船はまた一から作り直しになってしまうが、それ以外に『問題はない』分、島の生活に支障は出ないよ」
にこやかにそう言い切った老人に、シャチはちょっと怖くなる。ヴェスプッチという次期領主候補者の事を、この老人は意図して『無かった事』にしていた。
海賊だって流石に後継者候補が死んだらもう少し問題にするだろう。なのに目の前の老人はたった一言で片付けてしまった。
老人はそうしてシャチが怯えていることに気付いてか、わざとらしく笑みを深くする。ペンギンは呆れたような溜め息を吐きこそすれ何も言わない。
シャチはこの場に残った事を少し後悔しながらペンギンへ急かすように話しかけた。
「バ、バイザクの治療は?」
「これからする。……クローム。シャチをトラファルガーのトコへ連れて行ってやってくれぇ」
ペンギンに呼ばれてツナヨシと話していたクロームが近付いてくる。
「バイザクを起こしたら一度船長のトコに行くから、それだけ伝えておいてくれぇ」
「どんくらい掛かる? 治療が先に終わったら見に行ってもいい?」
「見に来るよりちゃんと休んでおきなさい。九代目、ハートの海賊団へのもてなしは貴方の裁量へ任せても?」
「分かっているよ。それよりシルビ君、君が旅立ってからドラゴン君が来たのだが」
「……頂上戦争の事で?」
「それもあるのだろうね。詳しい話は中でしようか」
老人の言葉に疲れたような息を吐いて、ペンギンは屋敷へ向かって歩き出した。
「ペンギン?」
「先に行っていいぜぇ」
ペンギンはシャチを見ていつものように笑った。とはいえ今までは防寒帽に隠れている笑みしか見た事が無かったから、本当にいつもの通りかどうかは分からない。
先に行っていいと言われたものの、シャチはペンギンを置いていくのは嫌で傍に戻った。そんなシャチを見てペンギンが困ったように眉根を寄せて、老人が微笑んだ。
「相変わらずだね」
「……性分でしょう。だから困りますが」
「君が困ることなど何一つ無いだろうさ」
老人がシャチを見る。
「彼のことは好きかい?」
「……えっと、ハイ」
「今でも?」
「ペンギンは、その、オレ達の仲間です」
視界の端でクロームがツナヨシに駆け寄って何かを話していた。そのツナヨシの隣に居るペンギンに良く似た白い奴はじっとこっちを見ている。
ペンギンがバイザクを片腕に抱え直し、空いた手でシャチの頭を撫でた。
「……九代目。俺をからかうのはそんなに楽しいですか?」
「こう年をとるとね、若者をからかうくらいしか楽しい事がなくなってしまうんだよ。それにしてもご苦労だったね。飛行船はまた一から作り直しになってしまうが、それ以外に『問題はない』分、島の生活に支障は出ないよ」
にこやかにそう言い切った老人に、シャチはちょっと怖くなる。ヴェスプッチという次期領主候補者の事を、この老人は意図して『無かった事』にしていた。
海賊だって流石に後継者候補が死んだらもう少し問題にするだろう。なのに目の前の老人はたった一言で片付けてしまった。
老人はそうしてシャチが怯えていることに気付いてか、わざとらしく笑みを深くする。ペンギンは呆れたような溜め息を吐きこそすれ何も言わない。
シャチはこの場に残った事を少し後悔しながらペンギンへ急かすように話しかけた。
「バ、バイザクの治療は?」
「これからする。……クローム。シャチをトラファルガーのトコへ連れて行ってやってくれぇ」
ペンギンに呼ばれてツナヨシと話していたクロームが近付いてくる。
「バイザクを起こしたら一度船長のトコに行くから、それだけ伝えておいてくれぇ」
「どんくらい掛かる? 治療が先に終わったら見に行ってもいい?」
「見に来るよりちゃんと休んでおきなさい。九代目、ハートの海賊団へのもてなしは貴方の裁量へ任せても?」
「分かっているよ。それよりシルビ君、君が旅立ってからドラゴン君が来たのだが」
「……頂上戦争の事で?」
「それもあるのだろうね。詳しい話は中でしようか」
老人の言葉に疲れたような息を吐いて、ペンギンは屋敷へ向かって歩き出した。