故郷の話
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シャチ視点
ペンギンを連れ戻しに行った船長がペンギンを引き連れて戻ってくる。その頃には煙が周囲に溢れていて、窓の外を見れば飛行船は飛んでいるというより海へ向かって突っ込んでいるようにすら感じられた。
ベポの腕の傷に応急手当をする。腕の傷は銃弾が掠ったものだとベポは言うが、多分その銃弾にも炎が灯されていたのだろう。それよりベポは自分の毛並みが燃えていないかと心配していたが。
バイザクは何度声を掛けても糸が切れた人形の様に動かなかった。揺さぶっても軽く叩いても目を覚まさない。前もって『ロボット』だと聞いていなければ絶対に死んでいるのだと思ってしまっただろう。
そのバイザクに声を掛けているときに戻ってきたペンギンは、振り返ったシャチの頭を人撫ですると素早くバイザクの様子を確かめ、それからホッとしたように息を吐いた。
「強制スリープモードになってるだけだぁ。多分勝手に弄られねぇ様に自分からなったんだろぉ。これなら屋敷へ連れて帰れば目を覚ます」
「ほんと!?」
「Si 問題は……」
「どうやって戻るかだ」
船長の言葉にシャチも窓の外を見る。周囲に陸地はなく、青い海面が広がっていた。運がよければ飛行船と一緒に着水しても生きていられるだろうが、船長は悪魔の実の能力者で泳げない。ベポも腕の傷があるし、更には人形同然のバイザクを連れてとなるとまともに動けるのはシャチとペンギンしかいないだろう。
けれどもそもそも、着水する前に飛行船が爆発してしまうかもしれない。そうしたら助かる可能性はもっと減る。
船長とペンギンでさえ脱出方法を考えあぐねていた。非常用の脱出に使える何かは無いかとシャチが部屋を見回していると、ふと船長がバラバラにしたヴェスプッチの部下の一人の首がゴロリと動く。
シャチ達のいる方へと向けられた目が、気絶していたとは思えない勢いでパチリと開かれた。
「……随分と……あれ、立てない?」
ペンギンと船長が気付いて振り返る。
「……ムクロ?」
「え!? あれムクロ? あ! あれも『ヒョウイ』って奴?」
「元気そうで何よりです。というかこの体どうなっているんですか?」
「オレがバラした。悪魔の実の能力だ」
首だけの部下の目には、右目に『六』という漢字が浮かび上がっていた。ペンギンが近付いてその首を持ち上げる。
「酷い有様ですね。どうやって脱出するつもりですか?」
「今それを考えてる。『夜の炎』を使えば一発だろぉけど、バイザクの修理のことを考えるとあんまり使いたくねぇっていうか……」
「本音はトラファルガー船長たちに見られたくないだけでしょう?」
「う……」
「大丈夫だと思いますけどねえ。……まぁいいですよ。僕は貴方へ伝えにきただけですし」
「伝えに?」
ペンギンに持ち上げられている首が、ニコリと微笑んだ。
「飛び降りなさい」
ペンギンを連れ戻しに行った船長がペンギンを引き連れて戻ってくる。その頃には煙が周囲に溢れていて、窓の外を見れば飛行船は飛んでいるというより海へ向かって突っ込んでいるようにすら感じられた。
ベポの腕の傷に応急手当をする。腕の傷は銃弾が掠ったものだとベポは言うが、多分その銃弾にも炎が灯されていたのだろう。それよりベポは自分の毛並みが燃えていないかと心配していたが。
バイザクは何度声を掛けても糸が切れた人形の様に動かなかった。揺さぶっても軽く叩いても目を覚まさない。前もって『ロボット』だと聞いていなければ絶対に死んでいるのだと思ってしまっただろう。
そのバイザクに声を掛けているときに戻ってきたペンギンは、振り返ったシャチの頭を人撫ですると素早くバイザクの様子を確かめ、それからホッとしたように息を吐いた。
「強制スリープモードになってるだけだぁ。多分勝手に弄られねぇ様に自分からなったんだろぉ。これなら屋敷へ連れて帰れば目を覚ます」
「ほんと!?」
「Si 問題は……」
「どうやって戻るかだ」
船長の言葉にシャチも窓の外を見る。周囲に陸地はなく、青い海面が広がっていた。運がよければ飛行船と一緒に着水しても生きていられるだろうが、船長は悪魔の実の能力者で泳げない。ベポも腕の傷があるし、更には人形同然のバイザクを連れてとなるとまともに動けるのはシャチとペンギンしかいないだろう。
けれどもそもそも、着水する前に飛行船が爆発してしまうかもしれない。そうしたら助かる可能性はもっと減る。
船長とペンギンでさえ脱出方法を考えあぐねていた。非常用の脱出に使える何かは無いかとシャチが部屋を見回していると、ふと船長がバラバラにしたヴェスプッチの部下の一人の首がゴロリと動く。
シャチ達のいる方へと向けられた目が、気絶していたとは思えない勢いでパチリと開かれた。
「……随分と……あれ、立てない?」
ペンギンと船長が気付いて振り返る。
「……ムクロ?」
「え!? あれムクロ? あ! あれも『ヒョウイ』って奴?」
「元気そうで何よりです。というかこの体どうなっているんですか?」
「オレがバラした。悪魔の実の能力だ」
首だけの部下の目には、右目に『六』という漢字が浮かび上がっていた。ペンギンが近付いてその首を持ち上げる。
「酷い有様ですね。どうやって脱出するつもりですか?」
「今それを考えてる。『夜の炎』を使えば一発だろぉけど、バイザクの修理のことを考えるとあんまり使いたくねぇっていうか……」
「本音はトラファルガー船長たちに見られたくないだけでしょう?」
「う……」
「大丈夫だと思いますけどねえ。……まぁいいですよ。僕は貴方へ伝えにきただけですし」
「伝えに?」
ペンギンに持ち上げられている首が、ニコリと微笑んだ。
「飛び降りなさい」