故郷の話
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ロー視点
盛大に揺れたところか傾いた船に誰一人まともに立っていられず、置かれていた椅子などと傾いて下がった窓際へと転がり落ちる。身体を打ち付けるようなことはしなかったが、部屋にあったのだろう望遠鏡が足にぶつかり地味に痛かった。
自分の体勢を立て直して、ローは直ぐにペンギンと気を失っているベポ達を確認する。ベポとバイザクは床をそのまま滑っていく形で下がった窓辺へと移動したらしい。しかしその振動でベポが目を覚ましたようだった。
ペンギンは一緒に転がってきた椅子などを蹴り飛ばして、足場と化した窓から外を見ている。
「……あの野郎っ、乗ってんの分かっててぶっ放しやがったなぁ!」
ローがペンギンを真似して外を見れば、だいぶ離れた崖の上に人の姿があった。コチラへ向けて両手で銃か何かを構えているその姿の足元へは、白いライオン。
「あれライガーだろ?」
「あれが飼い主! アイツ人が乗ってるの分かってるくせに飛行船を墜落させるつもりだぜぇ!」
そう怒鳴ったペンギンの向こうで、よろよろと同じく爆撃へ巻き込まれたヴェスプッチ達が立ち上がっている。運がいいのか血が出るほどの怪我をしている様子は無かったが、ヴェスプッチに関しては此処へ来る前既に一度ペンギンへ殴られているせいか、顔が酷く腫れ上がっていた。
とはいえ状態は殴られて数時間しか経っていないにしては状態が良くなっている。おそらく炎の力によるものだろう。
「……キャプテン?」
「ベポ!」
「ベポ! そのままバイザクを抱きかかえてろよぉ!」
「え、だれ? ……ペンギン?」
そういえばベポはペンギンが防寒帽を脱いでから初めて顔を合わせたのだと思い出す。バイザクをしっかりと抱え込むベポの腕にある出血の痕を見て、ペンギンが顔を顰めていた。
飛行船の何処かでまた爆発する音。立っているのも難しいほどの振動に、ヴェスプッチとその直属の部下らしい男達がよたよたと支えを求めている。それとは逆にローもペンギンも、彼等ほどは動じていない。
この程度なら、嵐に巻き込まれた時の方が命の危険を感じるだろう。つまりヴェスプッチ達は島を出て『外』へ行こうと企てておきながら、船の揺れにすら対応できていないのだ。
そんな奴等に、クルーとクルーの友達を害されたのだと思うと、改めて怒りが湧き上がってくる。
連続で起こる小規模の爆発による揺れを物ともせず、ペンギンが隣で右手の銃を構えた。こんな状況では転がって自分を傷付ける恐れがあるからか、ナイフは既に仕舞っている。
「ヴェスプッチ。遠縁とはいえ九代目の親戚として、次期領主候補でもあったから今まで見逃してきてたけど、俺の大事なモンの一つどころか二つも三つも手を出した事で俺は怒ってる。相談役とかそういう役職関係無く、お前をどうにかしてぇと思ってるよ」
怒鳴り散らすではなく、淡々とした声だった。
盛大に揺れたところか傾いた船に誰一人まともに立っていられず、置かれていた椅子などと傾いて下がった窓際へと転がり落ちる。身体を打ち付けるようなことはしなかったが、部屋にあったのだろう望遠鏡が足にぶつかり地味に痛かった。
自分の体勢を立て直して、ローは直ぐにペンギンと気を失っているベポ達を確認する。ベポとバイザクは床をそのまま滑っていく形で下がった窓辺へと移動したらしい。しかしその振動でベポが目を覚ましたようだった。
ペンギンは一緒に転がってきた椅子などを蹴り飛ばして、足場と化した窓から外を見ている。
「……あの野郎っ、乗ってんの分かっててぶっ放しやがったなぁ!」
ローがペンギンを真似して外を見れば、だいぶ離れた崖の上に人の姿があった。コチラへ向けて両手で銃か何かを構えているその姿の足元へは、白いライオン。
「あれライガーだろ?」
「あれが飼い主! アイツ人が乗ってるの分かってるくせに飛行船を墜落させるつもりだぜぇ!」
そう怒鳴ったペンギンの向こうで、よろよろと同じく爆撃へ巻き込まれたヴェスプッチ達が立ち上がっている。運がいいのか血が出るほどの怪我をしている様子は無かったが、ヴェスプッチに関しては此処へ来る前既に一度ペンギンへ殴られているせいか、顔が酷く腫れ上がっていた。
とはいえ状態は殴られて数時間しか経っていないにしては状態が良くなっている。おそらく炎の力によるものだろう。
「……キャプテン?」
「ベポ!」
「ベポ! そのままバイザクを抱きかかえてろよぉ!」
「え、だれ? ……ペンギン?」
そういえばベポはペンギンが防寒帽を脱いでから初めて顔を合わせたのだと思い出す。バイザクをしっかりと抱え込むベポの腕にある出血の痕を見て、ペンギンが顔を顰めていた。
飛行船の何処かでまた爆発する音。立っているのも難しいほどの振動に、ヴェスプッチとその直属の部下らしい男達がよたよたと支えを求めている。それとは逆にローもペンギンも、彼等ほどは動じていない。
この程度なら、嵐に巻き込まれた時の方が命の危険を感じるだろう。つまりヴェスプッチ達は島を出て『外』へ行こうと企てておきながら、船の揺れにすら対応できていないのだ。
そんな奴等に、クルーとクルーの友達を害されたのだと思うと、改めて怒りが湧き上がってくる。
連続で起こる小規模の爆発による揺れを物ともせず、ペンギンが隣で右手の銃を構えた。こんな状況では転がって自分を傷付ける恐れがあるからか、ナイフは既に仕舞っている。
「ヴェスプッチ。遠縁とはいえ九代目の親戚として、次期領主候補でもあったから今まで見逃してきてたけど、俺の大事なモンの一つどころか二つも三つも手を出した事で俺は怒ってる。相談役とかそういう役職関係無く、お前をどうにかしてぇと思ってるよ」
怒鳴り散らすではなく、淡々とした声だった。