故郷の話
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シャチ視点
「この国で作られている飛行船は硬式飛行船型を取っていまして、外側の外殻を金属で多い内部へ気嚢を収納する形になっています。その利点は軽度であれば荒れた天候でも飛行可能であることと、大型に造れる事にありますね。ただしその分全体の重量も重く……」
「そういう豆知識今はいいからっ!」
足元を狙われて慌てて足を動かしながら、シャチは呑気に飛行船の説明をしてくれていたペンギンへ怒鳴りつける。そういう雑学を教えてくれるのはいいが、時と場所を考えても欲しい。
倉庫を出て改めて向かった飛行場では、ペンギンは倉庫のときのように忍び込むのではなく強行突破を図った。
多分飛行場が広かったからと、目の前に見えた飛行船が積載を終える寸前だったからだとは思うものの、そんなことをすれば当然周囲の敵だと思われるヴェスプッチの配下達に気付かれる。同行していたシャチと船長も当たり前のように見つかって、即戦闘だ。
それぞれが持っている武器へ炎を灯しているので、崖で見た『抉れた地面』を思い出してシャチは防戦一方である。船長は近付けさせなければいいとばかりに悪魔の実の能力でバラバラにしていってるし、ペンギンは流石というべきか相手の炎を利用してまでいた。
格納口の扉が閉められないまま、飛行船が慌ただしく動き出しタラップが外れる音。ゆっくりとはいえ離れていく飛行船に追いつけない。
あ、これオレ足手纏いじゃね? とシャチが思った拍子に、トッ、っと背中へ軽い衝撃がくる。そのまま被っているキャスケットの上へ、背中へ感じたものよりは重い衝撃。顔を上げれば目の前へ何かが降ってきた。
「ライオンの次は豹かよっ!」
思わず叫んだシャチは悪くない。おそらくシャチの背中を足場にして現れた巨大な豹は、配下達が持っている武器のように赤い炎を纏っており、猛獣特有の唸り声を上げたかと思うと次々にシャチの周りの奴等へ襲い掛かっていく。
「ウリ! シャチを連れて飛行船を追えぇ!」
ペンギンの叫びに反応して、巨大豹がシャチを振り返った。
「へっ……へぇええええ!?」
「シャチ! 絶対落ちるなよ!」
シャチの襟首を咥えた巨大豹が颯爽と走り出す。引き摺られていたのは最初だけで、振り回すように背中へと乗せられ慌ててしがみ付けば、豹の足が海と空へ向けて地面を蹴った。
時間にすれば僅か数秒だっただろう空中浮遊。
しがみ付いている豹の体の下に、波立つ海の青が見えたかと思うと強い衝撃を伴って歩行船の格納口へと着地する。無論そこへも敵はいたが、シャチを振り落とした巨大豹がその殆どを格納口から容赦なく叩き落した。
「この国で作られている飛行船は硬式飛行船型を取っていまして、外側の外殻を金属で多い内部へ気嚢を収納する形になっています。その利点は軽度であれば荒れた天候でも飛行可能であることと、大型に造れる事にありますね。ただしその分全体の重量も重く……」
「そういう豆知識今はいいからっ!」
足元を狙われて慌てて足を動かしながら、シャチは呑気に飛行船の説明をしてくれていたペンギンへ怒鳴りつける。そういう雑学を教えてくれるのはいいが、時と場所を考えても欲しい。
倉庫を出て改めて向かった飛行場では、ペンギンは倉庫のときのように忍び込むのではなく強行突破を図った。
多分飛行場が広かったからと、目の前に見えた飛行船が積載を終える寸前だったからだとは思うものの、そんなことをすれば当然周囲の敵だと思われるヴェスプッチの配下達に気付かれる。同行していたシャチと船長も当たり前のように見つかって、即戦闘だ。
それぞれが持っている武器へ炎を灯しているので、崖で見た『抉れた地面』を思い出してシャチは防戦一方である。船長は近付けさせなければいいとばかりに悪魔の実の能力でバラバラにしていってるし、ペンギンは流石というべきか相手の炎を利用してまでいた。
格納口の扉が閉められないまま、飛行船が慌ただしく動き出しタラップが外れる音。ゆっくりとはいえ離れていく飛行船に追いつけない。
あ、これオレ足手纏いじゃね? とシャチが思った拍子に、トッ、っと背中へ軽い衝撃がくる。そのまま被っているキャスケットの上へ、背中へ感じたものよりは重い衝撃。顔を上げれば目の前へ何かが降ってきた。
「ライオンの次は豹かよっ!」
思わず叫んだシャチは悪くない。おそらくシャチの背中を足場にして現れた巨大な豹は、配下達が持っている武器のように赤い炎を纏っており、猛獣特有の唸り声を上げたかと思うと次々にシャチの周りの奴等へ襲い掛かっていく。
「ウリ! シャチを連れて飛行船を追えぇ!」
ペンギンの叫びに反応して、巨大豹がシャチを振り返った。
「へっ……へぇええええ!?」
「シャチ! 絶対落ちるなよ!」
シャチの襟首を咥えた巨大豹が颯爽と走り出す。引き摺られていたのは最初だけで、振り回すように背中へと乗せられ慌ててしがみ付けば、豹の足が海と空へ向けて地面を蹴った。
時間にすれば僅か数秒だっただろう空中浮遊。
しがみ付いている豹の体の下に、波立つ海の青が見えたかと思うと強い衝撃を伴って歩行船の格納口へと着地する。無論そこへも敵はいたが、シャチを振り落とした巨大豹がその殆どを格納口から容赦なく叩き落した。