故郷の話
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ロー視点
敵だと思われる集団が管理している場所である為、見た目だけでは無関係かどうか区別が付けられない従業員と、時々居るどう見ても従業員には見えない奴等の目を掻い潜り、倉庫の先に設けられた事務室の様な部屋へたどり着く。
この中にもやはりベポ達の姿は無い。タイミングを見計らって飛び込んだペンギンが全員を素早く気絶させ、室内を見回すのにローとシャチも入り込む。
強いことは知っていたが、ペンギンはどうも潜入にも慣れているらしい。どこでそんな経験を積んだのかと『相談役』という地位を知った今では尚更不思議に思う。
「電伝虫あるよ!」
シャチの声に、机の上に置かれていた数匹の電伝虫へとローとペンギンは近付いた。机の前にしゃがんで電伝虫を観察したペンギンが、眉根を寄せながらその殻へと指を伸ばす。
「九代目直通とかがあんのはヴェスプッチが後継者候補だから分かるんだが、なんでヴィンスモーク? ……こっちは盗聴専用だなぁ」
「盗聴?」
ペンギンは答えずに『盗聴用』だという電伝虫の受話器をとって耳へ押し当てた。途端目を開けた電伝虫の額を指先で撫でてやりながら、何処からか聞こえているらしい音声を傍聴している。
そして唐突に舌打ちをしたかと思うと、盗聴用の受話器を置いて隣に並んでいた傷だらけの電伝虫の受話器を取り上げた。
「……ツナヨシ! ……ランボ、ツナヨシは? ……はぁあああ!? ヴェスプッチが逃げたぁあ? ……うん。……うん。分かった。とりあえず俺達倉庫に居るから、直ぐにそっち行く。あとその部屋盗聴器仕掛けられてるから……ああもう泣くんじゃねぇよ。……ザンザス? アイツはほっとけぇ。お前には止められねぇんだから」
向こうの話が聞こえない為に、何の事か全く分からない通話を終えペンギンが振り返る。とりあえず分かった事を確認するために問いかけた。
「ヴェスプッチが逃げたのか?」
「らしいです」
「お前に殴られても動けるとは頑丈なヤツだ」
「逃げた方角はこの倉庫のほうらしいんですけど、ランボ……ツナヨシの部下が聞いた話じゃ飛行場のほうだって」
「飛行船で逃げるつもりだろ。試作機があると聞いたぞ」
「おそらくベポとバイザクもそっちでしょうね」
クロームから聞いた話を思い出す。あの飛行船も確か高台にあると言っていた。この倉庫も高台にある事を考えると、立地は近いのだろう。そして飛行船であるなら空へ逃げる事も難しくは無い。
逃げた先に何を考えているかは知らないが。
敵だと思われる集団が管理している場所である為、見た目だけでは無関係かどうか区別が付けられない従業員と、時々居るどう見ても従業員には見えない奴等の目を掻い潜り、倉庫の先に設けられた事務室の様な部屋へたどり着く。
この中にもやはりベポ達の姿は無い。タイミングを見計らって飛び込んだペンギンが全員を素早く気絶させ、室内を見回すのにローとシャチも入り込む。
強いことは知っていたが、ペンギンはどうも潜入にも慣れているらしい。どこでそんな経験を積んだのかと『相談役』という地位を知った今では尚更不思議に思う。
「電伝虫あるよ!」
シャチの声に、机の上に置かれていた数匹の電伝虫へとローとペンギンは近付いた。机の前にしゃがんで電伝虫を観察したペンギンが、眉根を寄せながらその殻へと指を伸ばす。
「九代目直通とかがあんのはヴェスプッチが後継者候補だから分かるんだが、なんでヴィンスモーク? ……こっちは盗聴専用だなぁ」
「盗聴?」
ペンギンは答えずに『盗聴用』だという電伝虫の受話器をとって耳へ押し当てた。途端目を開けた電伝虫の額を指先で撫でてやりながら、何処からか聞こえているらしい音声を傍聴している。
そして唐突に舌打ちをしたかと思うと、盗聴用の受話器を置いて隣に並んでいた傷だらけの電伝虫の受話器を取り上げた。
「……ツナヨシ! ……ランボ、ツナヨシは? ……はぁあああ!? ヴェスプッチが逃げたぁあ? ……うん。……うん。分かった。とりあえず俺達倉庫に居るから、直ぐにそっち行く。あとその部屋盗聴器仕掛けられてるから……ああもう泣くんじゃねぇよ。……ザンザス? アイツはほっとけぇ。お前には止められねぇんだから」
向こうの話が聞こえない為に、何の事か全く分からない通話を終えペンギンが振り返る。とりあえず分かった事を確認するために問いかけた。
「ヴェスプッチが逃げたのか?」
「らしいです」
「お前に殴られても動けるとは頑丈なヤツだ」
「逃げた方角はこの倉庫のほうらしいんですけど、ランボ……ツナヨシの部下が聞いた話じゃ飛行場のほうだって」
「飛行船で逃げるつもりだろ。試作機があると聞いたぞ」
「おそらくベポとバイザクもそっちでしょうね」
クロームから聞いた話を思い出す。あの飛行船も確か高台にあると言っていた。この倉庫も高台にある事を考えると、立地は近いのだろう。そして飛行船であるなら空へ逃げる事も難しくは無い。
逃げた先に何を考えているかは知らないが。