故郷の話
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バンダナ視点
いくつかのグループへ分けられて、ベポの捜索へと向かうバンダナ達と一緒に行動をしているのは、眼帯の少女クロームである。この島の地形を分かっている事は当然として、ベポを知っているという理由で選ばれた彼女は、スカートの裾を翻してバンダナ達の足に付いて来ていた。
「……そんな事言ってる場合じゃねえケド、可愛くね?」
「そんな事言ってる場合じゃないけど同意するわ」
「うんうん。そんな事言ってる場合じゃないけど」
「……ペンちゃんに怒られても知らんよ?」
小声で話していたクルーへ注意を促すと、彼等は微妙そうな顔をして視線を交わす。言いたいことはバンダナにも分かっていた。
多分船長も、ペンギン自身もそれは分かっていると思う。
「……あのなぁ、ペンちゃんはそんなヤツじゃないとオレは思うよ?」
「で、でもさぁー!」
「あんな堂々と帽子脱がれたら、ねぇ?」
「っていうか帽子の下の顔にも驚いたけど。ペンギンって女顔だったのな」
話がずれていくのは、多分、口にしたら現実になりそうな予感がしているからだ。それに関してはバンダナも何も言えなかった。
バンダナはペンギンがハートの一員になるまでの事を知らない。聞いてくれるなとペンギンが言ったことは無かったけれど、何となく互いに過去の事の詮索はしないという了解があった。
前にホーキンス海賊団と酒場で会った時の、ペンギンの言葉を思い出す。
『俺はもう『悪魔』と見られることにも呼ばれることにも慣れたけど』
そう呼ばれて、だからこの島を出ていったのだとしたら、まだハートの海賊団には分があるかも知れないけれど。ペンギンの行動を見る限りそうじゃない。
だから不安になる。
「……このままハート辞めちゃうのかな」
誰かが呟いた。
「大丈夫。きっと」
今まで黙っていたクロームがバンダナ達を見て笑みを浮かべる。
何故そう言い切れるとバンダナが視線で尋ねれば、クロームは少しだけ目を伏せた。
「シルビは、誰も見捨てない……見捨てられないの。大切なものを捨てるくらいなら、自分の命を差し出せる人。それは私達だけじゃなく、もっと沢山の人が対象だけれど、貴方達はきっともうその『中』に入ってるわ」
「……そんな重荷を背負うような生き方」
「重荷を背負うようであっても、シルビはそれを選んでる。貴方達と一緒に居た『彼』は、どうだったの?」
真っ直ぐに見つめながら尋ねられて、バンダナだけではなくクルー達は答えられずに顔を逸らす。そんなの、深く考えずとも分かることだった。
路地を抜け出た先の広場で、バンダナ達は足を止める。周囲には待ち伏せていたように船を襲った襲撃者達と同じ格好をした集団。
それぞれ武器を構え、中には炎を指輪へ灯している者もいる様子にクロームも自分の指輪へ炎を灯して槍を作り出して構えた。バンダナも愛用のトンファーを構え、頭上から声を掛けられる。
「君もトンファーを使うんだ。……ねぇ、強い?」
いくつかのグループへ分けられて、ベポの捜索へと向かうバンダナ達と一緒に行動をしているのは、眼帯の少女クロームである。この島の地形を分かっている事は当然として、ベポを知っているという理由で選ばれた彼女は、スカートの裾を翻してバンダナ達の足に付いて来ていた。
「……そんな事言ってる場合じゃねえケド、可愛くね?」
「そんな事言ってる場合じゃないけど同意するわ」
「うんうん。そんな事言ってる場合じゃないけど」
「……ペンちゃんに怒られても知らんよ?」
小声で話していたクルーへ注意を促すと、彼等は微妙そうな顔をして視線を交わす。言いたいことはバンダナにも分かっていた。
多分船長も、ペンギン自身もそれは分かっていると思う。
「……あのなぁ、ペンちゃんはそんなヤツじゃないとオレは思うよ?」
「で、でもさぁー!」
「あんな堂々と帽子脱がれたら、ねぇ?」
「っていうか帽子の下の顔にも驚いたけど。ペンギンって女顔だったのな」
話がずれていくのは、多分、口にしたら現実になりそうな予感がしているからだ。それに関してはバンダナも何も言えなかった。
バンダナはペンギンがハートの一員になるまでの事を知らない。聞いてくれるなとペンギンが言ったことは無かったけれど、何となく互いに過去の事の詮索はしないという了解があった。
前にホーキンス海賊団と酒場で会った時の、ペンギンの言葉を思い出す。
『俺はもう『悪魔』と見られることにも呼ばれることにも慣れたけど』
そう呼ばれて、だからこの島を出ていったのだとしたら、まだハートの海賊団には分があるかも知れないけれど。ペンギンの行動を見る限りそうじゃない。
だから不安になる。
「……このままハート辞めちゃうのかな」
誰かが呟いた。
「大丈夫。きっと」
今まで黙っていたクロームがバンダナ達を見て笑みを浮かべる。
何故そう言い切れるとバンダナが視線で尋ねれば、クロームは少しだけ目を伏せた。
「シルビは、誰も見捨てない……見捨てられないの。大切なものを捨てるくらいなら、自分の命を差し出せる人。それは私達だけじゃなく、もっと沢山の人が対象だけれど、貴方達はきっともうその『中』に入ってるわ」
「……そんな重荷を背負うような生き方」
「重荷を背負うようであっても、シルビはそれを選んでる。貴方達と一緒に居た『彼』は、どうだったの?」
真っ直ぐに見つめながら尋ねられて、バンダナだけではなくクルー達は答えられずに顔を逸らす。そんなの、深く考えずとも分かることだった。
路地を抜け出た先の広場で、バンダナ達は足を止める。周囲には待ち伏せていたように船を襲った襲撃者達と同じ格好をした集団。
それぞれ武器を構え、中には炎を指輪へ灯している者もいる様子にクロームも自分の指輪へ炎を灯して槍を作り出して構えた。バンダナも愛用のトンファーを構え、頭上から声を掛けられる。
「君もトンファーを使うんだ。……ねぇ、強い?」