故郷の話
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ロー視点
ローとペンギンの采配でいくつかのグループへ分けられたハートのクルーに、次期後継者の一人であるツナヨシの部下がつく形でベポの捜索へと向かう。ジャンバールへ船を任せ、ローはペンギンと共にシャチとフクロウを連れて走り出した。
フクロウが『過剰労働!』と叫んでいたが、ペンギンが一言『チョコレートケーキ』と言ったら黙っている。好物なのだろう。フクロウの癖に。
「ベスターの声が聞こえたのはあっちだけど、あっちは森しか無かった筈だぜぇ」
「いえ、貴方が居なくなってから倉庫が出来ています。備蓄庫としての利用をされていますが、管理はヴェスプッチだったかと」
「あっからさまだな!」
シャチの言うことももっともだろう。路地や通りの先から手に何かしらの得物を持った島民が出てきて、ロー達へ気付くと怒鳴った。
「いたぞ! バイザク様を攫おうとした海賊だ!」
「やっつけろ!」
どうやらヴェスプッチの演説だけが広まって、ハートの海賊団を『敵』と認識した者達もいるらしい。そのハートのクルーの中にはお前等の国の『相談役』もいるのだが。
隣を走っていたペンギンが通りの脇に置かれていた木箱へと足を掛けると、それを踏み台にして建物の屋根へと跳び乗った。道を行くよりは直線で島民による妨害も無いだろうから時間短縮になるだろうが、一緒にいるロー達の事を忘れるなと言いたい。
「ペンギン!」
「アイアイ、船長」
コチラの言いたい事を理解してか、ペンギンがポケットへ入れていた防寒帽を出して屋根の上へと投げる。
「“ROOM”……“シャンブルズ”!」
手を上げて能力を展開させ、シャチを忘れないように抱えて防寒帽と自身の身体を入れ替えた。上手く屋根の上へ着地し、地上を振り返ればフクロウが落下直前の防寒帽を掴んで舞い戻ってくる。
「大事な帽子じゃねーの!?」
「女顔を隠す為の安物だぜぇ? まぁ愛着はあるけど」
「今まで何言っても顔出さなかったくせに!」
「その文句は船長に言ってくれねぇかなぁ。シャチ」
「ペンギンのバカ!」
走りながらの応酬だったがローはシャチの気持ちが分からなくもない。ただ、それを考えるのは今では無いだろう。
港から襲撃者を追いかけた森の更に北。住宅地から僅かに離れた場所へレンガ造りの建物が見える。崖へ面している高台なので海からの運搬は難しそうだが、どうにも悪巧みをするには持ってこいな立地条件に思えた。
横を滑空しているフクロウにペンギンが声を掛ける。
「お前どうせヴェスプッチの配下にも憑依出来んだろぉ?」
「とっくにやってます。倉庫の中ですね。ですがバイザクとあの白クマの姿は……」
「いいから鍵だけ開けとけぇ。ツナヨシに連絡とって居る場所を大体でいいから聞いて、ついでにリョウヘイかルッスに待機を頼んどけぇ」
「人使いが荒いですねえ全く。暫くこの子からは離れます」
「Si」
フクロウが一際大きく羽ばたいたかと思うと、ペンギンの肩へと留まり人語ではなく『ホー』と鳴いた。
「何をしたんだ?」
「一回ムクロウへの『憑依』を解いたんですよ」
ローとペンギンの采配でいくつかのグループへ分けられたハートのクルーに、次期後継者の一人であるツナヨシの部下がつく形でベポの捜索へと向かう。ジャンバールへ船を任せ、ローはペンギンと共にシャチとフクロウを連れて走り出した。
フクロウが『過剰労働!』と叫んでいたが、ペンギンが一言『チョコレートケーキ』と言ったら黙っている。好物なのだろう。フクロウの癖に。
「ベスターの声が聞こえたのはあっちだけど、あっちは森しか無かった筈だぜぇ」
「いえ、貴方が居なくなってから倉庫が出来ています。備蓄庫としての利用をされていますが、管理はヴェスプッチだったかと」
「あっからさまだな!」
シャチの言うことももっともだろう。路地や通りの先から手に何かしらの得物を持った島民が出てきて、ロー達へ気付くと怒鳴った。
「いたぞ! バイザク様を攫おうとした海賊だ!」
「やっつけろ!」
どうやらヴェスプッチの演説だけが広まって、ハートの海賊団を『敵』と認識した者達もいるらしい。そのハートのクルーの中にはお前等の国の『相談役』もいるのだが。
隣を走っていたペンギンが通りの脇に置かれていた木箱へと足を掛けると、それを踏み台にして建物の屋根へと跳び乗った。道を行くよりは直線で島民による妨害も無いだろうから時間短縮になるだろうが、一緒にいるロー達の事を忘れるなと言いたい。
「ペンギン!」
「アイアイ、船長」
コチラの言いたい事を理解してか、ペンギンがポケットへ入れていた防寒帽を出して屋根の上へと投げる。
「“ROOM”……“シャンブルズ”!」
手を上げて能力を展開させ、シャチを忘れないように抱えて防寒帽と自身の身体を入れ替えた。上手く屋根の上へ着地し、地上を振り返ればフクロウが落下直前の防寒帽を掴んで舞い戻ってくる。
「大事な帽子じゃねーの!?」
「女顔を隠す為の安物だぜぇ? まぁ愛着はあるけど」
「今まで何言っても顔出さなかったくせに!」
「その文句は船長に言ってくれねぇかなぁ。シャチ」
「ペンギンのバカ!」
走りながらの応酬だったがローはシャチの気持ちが分からなくもない。ただ、それを考えるのは今では無いだろう。
港から襲撃者を追いかけた森の更に北。住宅地から僅かに離れた場所へレンガ造りの建物が見える。崖へ面している高台なので海からの運搬は難しそうだが、どうにも悪巧みをするには持ってこいな立地条件に思えた。
横を滑空しているフクロウにペンギンが声を掛ける。
「お前どうせヴェスプッチの配下にも憑依出来んだろぉ?」
「とっくにやってます。倉庫の中ですね。ですがバイザクとあの白クマの姿は……」
「いいから鍵だけ開けとけぇ。ツナヨシに連絡とって居る場所を大体でいいから聞いて、ついでにリョウヘイかルッスに待機を頼んどけぇ」
「人使いが荒いですねえ全く。暫くこの子からは離れます」
「Si」
フクロウが一際大きく羽ばたいたかと思うと、ペンギンの肩へと留まり人語ではなく『ホー』と鳴いた。
「何をしたんだ?」
「一回ムクロウへの『憑依』を解いたんですよ」