故郷の話
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ロー視点
ペンギンがベスターという名前らしいライガーにベポの捜索を頼み、ベスターは人の言葉をしっかりと理解した様子で森の奥へと飛び込んでいった。何故あのライガーがこうもペンギンの言うことを聞くのかは分からなかったが、その疑問は後回しにする。
「ヴェスプッチの奴等が襲撃してきた理由は?」
「不明です。調べますか」
「本人に吐かせればいいだろう。風邪はいいのか」
「喉がまだ痛てぇけど平気です。――ムクロ、クロームは何処に居るんだぁ?」
「クロームは屋敷へ向かわせました。今頃はツナヨシ達と共に港へ向かっているかと」
ローにはいつも通りの敬語を使うのに対し、ペンギンはフクロウへ素の口調で話しかけていた。シャチは未だにペンギンがフクロウと知り合いであるという事実に驚いているようだったが、ローはそのペンギンの様子を見て確信する。
港の船へ戻る道すがら、ローはさりげなさを装ってペンギンへ話しかけた。
「ツナヨシは後継者の器なのか?」
「ケホッ……はい?」
喉をさすりながら振り返ったペンギンの顔は、防寒帽に隠れていて見えない。
「ツナヨシを気に入ってるんだろう?」
「ああ、そりゃ気に入ってますよ。後輩ですからねぇ。領主としてもアイツは他の候補から群を抜いて素質がある。……シャチ、滑んなよぉ」
「どうして島を出た?」
「島の外の出来事を知るには外へ出るのが最良だったからです。単に俺が一カ所に留まり続けるに飽きたってのもありますけどぉ」
「え、え、何の話?」
まだ分かっていないらしいシャチに、フクロウが『君は鈍いんですねえ』と頭上を飛びながら話しかけている。シャチは憤慨しているが、フクロウの言う事ももっともだと思ってしまった為ローは助け舟を出すのは止めた。
港に着くとなにやら騒がしく、群集が遠巻きにハートの船とその傍を囲むように壁を作っている。その向こうからは話し声が聞こえ、人混みを掻き分けて中心部へと向かえば船の前にジャンバール達が立っていた。
ジャンバールの傍にはクロームとツナヨシ、それから見たことは無いがその雰囲気からしてツナヨシの部下と思われる男が二人。彼等と向かい合うようにして立っている奴等の格好は、先程の崖へ放置してきた襲撃者と良く似ていた。
代表者は高慢ちきな顔をしており、ツナヨシへ対する態度が限りなく悪い。シャチが隣でソイツを見て顔を顰めている。多分アレがヴェスプッチとやらなのだろう。
とりあえずソイツがツナヨシとハートの海賊団を貶している事は分かったので、ローはその騒ぎの中心へと進み出る。
「オレの船の前で、何の騒ぎだ」
ペンギンがベスターという名前らしいライガーにベポの捜索を頼み、ベスターは人の言葉をしっかりと理解した様子で森の奥へと飛び込んでいった。何故あのライガーがこうもペンギンの言うことを聞くのかは分からなかったが、その疑問は後回しにする。
「ヴェスプッチの奴等が襲撃してきた理由は?」
「不明です。調べますか」
「本人に吐かせればいいだろう。風邪はいいのか」
「喉がまだ痛てぇけど平気です。――ムクロ、クロームは何処に居るんだぁ?」
「クロームは屋敷へ向かわせました。今頃はツナヨシ達と共に港へ向かっているかと」
ローにはいつも通りの敬語を使うのに対し、ペンギンはフクロウへ素の口調で話しかけていた。シャチは未だにペンギンがフクロウと知り合いであるという事実に驚いているようだったが、ローはそのペンギンの様子を見て確信する。
港の船へ戻る道すがら、ローはさりげなさを装ってペンギンへ話しかけた。
「ツナヨシは後継者の器なのか?」
「ケホッ……はい?」
喉をさすりながら振り返ったペンギンの顔は、防寒帽に隠れていて見えない。
「ツナヨシを気に入ってるんだろう?」
「ああ、そりゃ気に入ってますよ。後輩ですからねぇ。領主としてもアイツは他の候補から群を抜いて素質がある。……シャチ、滑んなよぉ」
「どうして島を出た?」
「島の外の出来事を知るには外へ出るのが最良だったからです。単に俺が一カ所に留まり続けるに飽きたってのもありますけどぉ」
「え、え、何の話?」
まだ分かっていないらしいシャチに、フクロウが『君は鈍いんですねえ』と頭上を飛びながら話しかけている。シャチは憤慨しているが、フクロウの言う事ももっともだと思ってしまった為ローは助け舟を出すのは止めた。
港に着くとなにやら騒がしく、群集が遠巻きにハートの船とその傍を囲むように壁を作っている。その向こうからは話し声が聞こえ、人混みを掻き分けて中心部へと向かえば船の前にジャンバール達が立っていた。
ジャンバールの傍にはクロームとツナヨシ、それから見たことは無いがその雰囲気からしてツナヨシの部下と思われる男が二人。彼等と向かい合うようにして立っている奴等の格好は、先程の崖へ放置してきた襲撃者と良く似ていた。
代表者は高慢ちきな顔をしており、ツナヨシへ対する態度が限りなく悪い。シャチが隣でソイツを見て顔を顰めている。多分アレがヴェスプッチとやらなのだろう。
とりあえずソイツがツナヨシとハートの海賊団を貶している事は分かったので、ローはその騒ぎの中心へと進み出る。
「オレの船の前で、何の騒ぎだ」