故郷の話
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シャチ視点
船長の言う通り、ペンギンは棍棒が再び振り下ろされた瞬間を狙って飛び上がり、棍棒を持つ男の脳天へと踵落としを決める。男の手から離れて転がった棍棒を拾い上げ構えるものの、残っている周囲のヤツラがそれで尻込みする様子は無かった。
むしろニヤニヤと笑みを浮かべて、一斉にそれぞれ異なる色の炎を指輪へと灯す。指輪から手に持つ武器へと炎が移っていき、形状を変えたりするのを見てペンギンが棍棒の構えを変えた。
シャチの隣で船長が手を挙げる。
「“ROOM”」
薄っすらと幕のようなものが広がっていき、それに気付いた男達がシャチ達に気付いて振り返った。一人の持っていた銃が向けられるのに、ペンギンが叫ぶ。
「ベスター! 守れぇ!」
フクロウが船長の肩から飛び上がるのと同時に、ペンギンの傍にいた白いライオンが駆けてきたかと思うとシャチと船長を後ろへ庇うように立ちはだかり、銃を向けている男へ向けて吼えた。空気が波打つのが認識出来そうなほど大きな鳴き声に、ペンギンが男の一人を足蹴にして高く跳び上がるのが見える。
跳び上がったペンギンを除いて、男達の動きが鈍くなった。慌てたような動きさえも遅くなっていく様子に、船長がその男達の身体をバラバラにする。
ペンギンが地面へ着地する頃には、男達は誰一人動けなくなっていた。
「ペンギン、無事か」
岩場の影から船長と一緒に出て行けば、ペンギンは持っていた棍棒を地面に転がして踏み折る。白いライオンがシャチの脇を抜けていったかと思うとペンギンへと身体を摺り寄せ、ペンギンは怖がることなくその頭を撫でた。
「船は」
「ジャンバールを向かわせた」
「『島を荒らす海賊共め』と襲撃を受けました」
「心当たりは」
「特にありません。ただ、俺の覚えている限りでは襲撃者はヴェスプッチ派の奴等だったと思います。……ベスター、くすぐってぇよ」
甘えるようにペンギンの手へ頭を摺り寄せているライガーは、サイズが小さければ猫と同じで可愛いのにと思う。シャチがじっと見つめていると視線に気付いてかシャチを見上げたが、そんな事よりペンギンだとばかりにすぐに視線を逸らした。
頭上から分厚い羽音がして、見上げればフクロウがシャチの肩へと留まる。
「貴方、いったい何をしているんですか」
「何って、海賊業?」
どこか呆れきったようなムクロの声に、ペンギンはあっけらかんと答えた。
「トラファルガーに勧誘されたんだぁ」
「だからって連絡も無しに……今に始まったことではありませんが、自由すぎるでしょうが」
「え、何? 知り合い?」
「知り合いも何も……」
続きを言う前に、離れた森の中から鳥が一斉に空へと舞い上がる。ギャアギャアと少し不気味な鳴き声にシャチ達は揃ってその方角を見上げた。
「……そう言えば、ベポ達はどこ行った」
船長の言う通り、ペンギンは棍棒が再び振り下ろされた瞬間を狙って飛び上がり、棍棒を持つ男の脳天へと踵落としを決める。男の手から離れて転がった棍棒を拾い上げ構えるものの、残っている周囲のヤツラがそれで尻込みする様子は無かった。
むしろニヤニヤと笑みを浮かべて、一斉にそれぞれ異なる色の炎を指輪へと灯す。指輪から手に持つ武器へと炎が移っていき、形状を変えたりするのを見てペンギンが棍棒の構えを変えた。
シャチの隣で船長が手を挙げる。
「“ROOM”」
薄っすらと幕のようなものが広がっていき、それに気付いた男達がシャチ達に気付いて振り返った。一人の持っていた銃が向けられるのに、ペンギンが叫ぶ。
「ベスター! 守れぇ!」
フクロウが船長の肩から飛び上がるのと同時に、ペンギンの傍にいた白いライオンが駆けてきたかと思うとシャチと船長を後ろへ庇うように立ちはだかり、銃を向けている男へ向けて吼えた。空気が波打つのが認識出来そうなほど大きな鳴き声に、ペンギンが男の一人を足蹴にして高く跳び上がるのが見える。
跳び上がったペンギンを除いて、男達の動きが鈍くなった。慌てたような動きさえも遅くなっていく様子に、船長がその男達の身体をバラバラにする。
ペンギンが地面へ着地する頃には、男達は誰一人動けなくなっていた。
「ペンギン、無事か」
岩場の影から船長と一緒に出て行けば、ペンギンは持っていた棍棒を地面に転がして踏み折る。白いライオンがシャチの脇を抜けていったかと思うとペンギンへと身体を摺り寄せ、ペンギンは怖がることなくその頭を撫でた。
「船は」
「ジャンバールを向かわせた」
「『島を荒らす海賊共め』と襲撃を受けました」
「心当たりは」
「特にありません。ただ、俺の覚えている限りでは襲撃者はヴェスプッチ派の奴等だったと思います。……ベスター、くすぐってぇよ」
甘えるようにペンギンの手へ頭を摺り寄せているライガーは、サイズが小さければ猫と同じで可愛いのにと思う。シャチがじっと見つめていると視線に気付いてかシャチを見上げたが、そんな事よりペンギンだとばかりにすぐに視線を逸らした。
頭上から分厚い羽音がして、見上げればフクロウがシャチの肩へと留まる。
「貴方、いったい何をしているんですか」
「何って、海賊業?」
どこか呆れきったようなムクロの声に、ペンギンはあっけらかんと答えた。
「トラファルガーに勧誘されたんだぁ」
「だからって連絡も無しに……今に始まったことではありませんが、自由すぎるでしょうが」
「え、何? 知り合い?」
「知り合いも何も……」
続きを言う前に、離れた森の中から鳥が一斉に空へと舞い上がる。ギャアギャアと少し不気味な鳴き声にシャチ達は揃ってその方角を見上げた。
「……そう言えば、ベポ達はどこ行った」