原作前日常編
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夢主視点
屋敷へ仕掛けた爆弾から伸ばした導火線の先を持って森の中へと入る。まだ日の昇りきらないこの時間帯では野生の鳥も目覚めてはいない。目覚めていたところで鳥眼なので、シルビの気配には気付けても姿までは見えないだろうが。
導火線を仕掛けて森の木々を見上げて、シルビはまだ眠っているであろう鳥へ声を掛けた。
「二度と俺の事をあの娘へ知らせるんじゃねぇぞぉ。俺はそれを許さねぇ」
誰かが聞いていれば気が狂ったのかと思われそうなそれに、風も吹いていないというのに木の葉が揺れる。けれどもそれ以上の何かは無かった。
シルビが再び屋敷の中へ戻れば、床で手足を縛られ動きを封じられている使用人の男がぎこちなく見上げてくる。その足元や部屋にある寝台の上には、同じ様にこの屋敷で働いている使用人達が手足の自由を奪われて転がっていた。
やったのは全てシルビだ。寝ているところを襲撃したので楽勝だったものの、もう少し警備に力を入れたほうがいいのではと思う。
猿轡もしているので喋れない使用人達は、戻ってきたシルビに気付くと視線をシルビへと向けて睨んできた。そのうちの一人の傍へしゃがんで、シルビは頭を軽く叩く。
「俺達だってこんな事したくは無ぇよ。でもあの妹さんが……いや、これは言っちゃいけねぇんだった」
わざと言い方をぼかす様にして、真意をどうとでも取れるようにしておいた。妹がシルビ達を謀ったからなのだが、この言い方では妹がシルビ達に命じたと取れなくも無い。
この程度では海賊のいう事なんてと聞く耳を持たないかもしれないが、しなくてもいい些細な心理操作なのでどうでもよかった。
使用人の部屋を出る。猿轡を噛ます前の使用人に聞いた人数は既に拘束出来ているので、今現在この屋敷で自由に動けるのはシルビ達の他には、この屋敷の主一家と妹だけだ。
妹も青年の話では領主と結婚するらしいから、領主一家か。
青年を待たせていた埃臭い屋根裏部屋へと向かい、何か言おうとしてきた青年を無視して軋んで半分も空かない窓を無理やりこじ開ける。それを再び半分くらい閉めて、そこから銃を握った腕を伸ばした。
使用人は全て拘束した筈だ。領主達はお盛んだった昨夜のこともあって、まだ熟睡しているだろう。息子の方はちょっと分からないが、この時間なら寝ていてもおかしくは無い。
日はまだ昇っておらず、夜明けを告げる鶏の声さえ響いてはいなかった。
「な、何するんだ?」
「起床の鐘を鳴らすんだよ。鐘なんて優雅な音じゃねぇけどなぁ!」
引き金を引いて飛び出した銃弾が、森へ隠した火薬樽へとぶつかる。
屋敷へ仕掛けた爆弾から伸ばした導火線の先を持って森の中へと入る。まだ日の昇りきらないこの時間帯では野生の鳥も目覚めてはいない。目覚めていたところで鳥眼なので、シルビの気配には気付けても姿までは見えないだろうが。
導火線を仕掛けて森の木々を見上げて、シルビはまだ眠っているであろう鳥へ声を掛けた。
「二度と俺の事をあの娘へ知らせるんじゃねぇぞぉ。俺はそれを許さねぇ」
誰かが聞いていれば気が狂ったのかと思われそうなそれに、風も吹いていないというのに木の葉が揺れる。けれどもそれ以上の何かは無かった。
シルビが再び屋敷の中へ戻れば、床で手足を縛られ動きを封じられている使用人の男がぎこちなく見上げてくる。その足元や部屋にある寝台の上には、同じ様にこの屋敷で働いている使用人達が手足の自由を奪われて転がっていた。
やったのは全てシルビだ。寝ているところを襲撃したので楽勝だったものの、もう少し警備に力を入れたほうがいいのではと思う。
猿轡もしているので喋れない使用人達は、戻ってきたシルビに気付くと視線をシルビへと向けて睨んできた。そのうちの一人の傍へしゃがんで、シルビは頭を軽く叩く。
「俺達だってこんな事したくは無ぇよ。でもあの妹さんが……いや、これは言っちゃいけねぇんだった」
わざと言い方をぼかす様にして、真意をどうとでも取れるようにしておいた。妹がシルビ達を謀ったからなのだが、この言い方では妹がシルビ達に命じたと取れなくも無い。
この程度では海賊のいう事なんてと聞く耳を持たないかもしれないが、しなくてもいい些細な心理操作なのでどうでもよかった。
使用人の部屋を出る。猿轡を噛ます前の使用人に聞いた人数は既に拘束出来ているので、今現在この屋敷で自由に動けるのはシルビ達の他には、この屋敷の主一家と妹だけだ。
妹も青年の話では領主と結婚するらしいから、領主一家か。
青年を待たせていた埃臭い屋根裏部屋へと向かい、何か言おうとしてきた青年を無視して軋んで半分も空かない窓を無理やりこじ開ける。それを再び半分くらい閉めて、そこから銃を握った腕を伸ばした。
使用人は全て拘束した筈だ。領主達はお盛んだった昨夜のこともあって、まだ熟睡しているだろう。息子の方はちょっと分からないが、この時間なら寝ていてもおかしくは無い。
日はまだ昇っておらず、夜明けを告げる鶏の声さえ響いてはいなかった。
「な、何するんだ?」
「起床の鐘を鳴らすんだよ。鐘なんて優雅な音じゃねぇけどなぁ!」
引き金を引いて飛び出した銃弾が、森へ隠した火薬樽へとぶつかる。