故郷の話
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ロー視点
「じゃあ安心だね」
「安心じゃないだろ! オレにスッゴイ近付いてきたんだけど! 匂い嗅がれたんだけど!」
「酒の匂いでもしたんじゃねぇ?」
「昼間っから飲んでないし!」
ペンギンの様子を見に着たら船室のドアが開いており、中からそんな会話が聞こえた。室内を覗き込めばペンギンは寝台に居るものの起きており、ベポとシャチが傍で話をしている。
保護者離れしろと思わなくも無いが、二人はクルーの中でもペンギンが比較的甘やかしているせいか、何かあると直ぐにペンギンの傍へ行く。ベポなんて拾ってきたのはローなのにだ。
以前その事を『母親か』とからかってみたところ、ペンギンから冷め切った視線を貰ったので二度と言うつもりは無い。ともあれ病人の傍にまで行く必要は無いだろうとローが船室へ足を踏み入れれば、ペンギンがシャチの頭から手を離した。
「おかえりなさい船長」
「お前ちゃんと寝てたのか?」
「寝てましたよ。今はベポがお土産をくれたので起きてるだけです」
枕元にあった袋を示すペンギンからベポへ目を向ければ、ベポはぎこちなく顔を逸らす。これはベポが来る前から起きていたんだろうなと思ったものの、ローはそれについての追及は後にする事にした。
「何か面白いものでもありましたか?」
「領主の屋敷に行ってきた。一般開放されてるんだな」
「デケぇ屋敷ですからね。主島であるこの島以外にも領主の屋敷は立派ですが、解放されているのはここだけなんです」
「へー、オレも明日行ってみよっかな」
「他の島って?」
「此処近辺の諸島がまとまって一つの国を形成してるんだが、その島一つ一つにそれぞれ領主が居るんだぁ。この島は『ボンゴレ』。他に『ミルフィオーレ』『キャッバローネ』『シモン』とかがある。もっと有るけど主要なのはそのくらいかなぁ」
「その他の島々には行けるのか?」
「旅行客は無理ですね。国民の行き来は自由ですが」
もっともそれは自分が島を出て行くまでの話だったとペンギンは注釈を付けたが、おそらくそう変わってはいないだろう。
長いこと病人に話をさせるのもよくないし、風邪が移っても困るのでそろそろペンギンを寝かせることにした。聞きたければ後でも聞ける話だ。
「夕飯は島でとってくる。お前の食事は頼んでおくからちゃんと寝てろよ?」
「飲み過ぎねぇでくださいね。あとベスターが来ても攻撃とかしねぇこと」
「ベスター?」
「ライガーだってキャプテン」
「ゲッ、夜も歩き回ってんのアイツ!?」
シャチがショックを受けたような顔をしながらも立ち上がる。掛布の中へ潜り込むペンギンにロー達も船室から出ようと歩き出しながら、ふと思い出してローはペンギンを振り返った。
「お前『ツナヨシ』って知ってるか?」
「知ってますけど? 俺の大切な可愛い後輩です」
「じゃあ安心だね」
「安心じゃないだろ! オレにスッゴイ近付いてきたんだけど! 匂い嗅がれたんだけど!」
「酒の匂いでもしたんじゃねぇ?」
「昼間っから飲んでないし!」
ペンギンの様子を見に着たら船室のドアが開いており、中からそんな会話が聞こえた。室内を覗き込めばペンギンは寝台に居るものの起きており、ベポとシャチが傍で話をしている。
保護者離れしろと思わなくも無いが、二人はクルーの中でもペンギンが比較的甘やかしているせいか、何かあると直ぐにペンギンの傍へ行く。ベポなんて拾ってきたのはローなのにだ。
以前その事を『母親か』とからかってみたところ、ペンギンから冷め切った視線を貰ったので二度と言うつもりは無い。ともあれ病人の傍にまで行く必要は無いだろうとローが船室へ足を踏み入れれば、ペンギンがシャチの頭から手を離した。
「おかえりなさい船長」
「お前ちゃんと寝てたのか?」
「寝てましたよ。今はベポがお土産をくれたので起きてるだけです」
枕元にあった袋を示すペンギンからベポへ目を向ければ、ベポはぎこちなく顔を逸らす。これはベポが来る前から起きていたんだろうなと思ったものの、ローはそれについての追及は後にする事にした。
「何か面白いものでもありましたか?」
「領主の屋敷に行ってきた。一般開放されてるんだな」
「デケぇ屋敷ですからね。主島であるこの島以外にも領主の屋敷は立派ですが、解放されているのはここだけなんです」
「へー、オレも明日行ってみよっかな」
「他の島って?」
「此処近辺の諸島がまとまって一つの国を形成してるんだが、その島一つ一つにそれぞれ領主が居るんだぁ。この島は『ボンゴレ』。他に『ミルフィオーレ』『キャッバローネ』『シモン』とかがある。もっと有るけど主要なのはそのくらいかなぁ」
「その他の島々には行けるのか?」
「旅行客は無理ですね。国民の行き来は自由ですが」
もっともそれは自分が島を出て行くまでの話だったとペンギンは注釈を付けたが、おそらくそう変わってはいないだろう。
長いこと病人に話をさせるのもよくないし、風邪が移っても困るのでそろそろペンギンを寝かせることにした。聞きたければ後でも聞ける話だ。
「夕飯は島でとってくる。お前の食事は頼んでおくからちゃんと寝てろよ?」
「飲み過ぎねぇでくださいね。あとベスターが来ても攻撃とかしねぇこと」
「ベスター?」
「ライガーだってキャプテン」
「ゲッ、夜も歩き回ってんのアイツ!?」
シャチがショックを受けたような顔をしながらも立ち上がる。掛布の中へ潜り込むペンギンにロー達も船室から出ようと歩き出しながら、ふと思い出してローはペンギンを振り返った。
「お前『ツナヨシ』って知ってるか?」
「知ってますけど? 俺の大切な可愛い後輩です」