故郷の話
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ベポ視点
風邪を引いた時は暖かいものがいいと言って、ペンギンはいつもホットレモネードの様な飲み物をその風邪を引いたクルーに合わせて作ってくれる。ベポは匂いがきついのでホットレモネードは駄目だけれど、葛を溶かした甘い葛湯とか、毎回工夫を凝らせて何かしらを作ってくれていた。
今回風邪を引いたペンギンへのお土産に、ベポはそれを思い出す。けれどもベポにはそういった料理を作る腕前はないし、美味しい飲み物にも心当たりが無い。
自由行動の時間を与えられて、市場に足を踏み入れたベポの頭はそのことで一杯だった。ベポが喋る白クマであっても何故か驚かない島民たちは誰もが親切で、そんな風に悩んでいるベポに声を掛けては相談へ乗ってくれる。
ハートのクルー以外にこんなに親身にベポと話をしてくれる者など今まであまりいなかったから、ベポとしては相談へ乗ってくれる他にも嬉しくて仕方がない。
結局、風邪を引いているのなら喉が痛いだろうからのど飴はどうかという提案を受けて、教えられたお菓子屋へ行って飴を買った。何となくペンギンに似た匂いのする飴で、ベポは早くペンギンへあげようと店を出る。
そこで人にぶつかってしまった。
「っきゃ」
「うぁ、ご、ごめんなさい!」
ツナギを着ているとはいえベポの毛並みは柔らかく、それが衝撃を吸ったのか相手が転ぶ事はない。元々勢いもあまり無かったからだろう。
けれどもぶつかってしまったのはベポが悪いので、慌てて謝りながらぶつかってしまった相手を見る。ぶつかってしまったのは、黒い髪の少女だった。
少女は体勢を立て直しながらも、ぶつかった相手が白クマであることに気付いて目を瞬かせている。ツナギから出ている毛並みへ手を伸ばしかけ、それから思い出したようにベポを見上げた。
紅い眼が綺麗な少女である。
「私、白クマって始めて見ました」
「街中にいてゴメンナサイ……」
「あ、いえ、そういうつもりじゃなかったです! その、触っても?」
「あ、うん。どうぞ」
気を取り直してはい、と手を差し出せば、少女は恐る恐るといった様子でベポの手に触れ、毛並みを堪能して微笑んだ。
「フカフカです。テディベアもフカフカですが貴方の方がフカフカです」
「えへへ、キャプテン達が毎日ブラッシングしてくれるんだ」
「貴方は海賊? 私海賊も始めて見ました!」
興奮したように目を輝かせる少女に、ベポは何か違和感を覚えたが良く分からない。
「私、バイザクです。貴方は?」
「ベポだよ。ハートの海賊団」
風邪を引いた時は暖かいものがいいと言って、ペンギンはいつもホットレモネードの様な飲み物をその風邪を引いたクルーに合わせて作ってくれる。ベポは匂いがきついのでホットレモネードは駄目だけれど、葛を溶かした甘い葛湯とか、毎回工夫を凝らせて何かしらを作ってくれていた。
今回風邪を引いたペンギンへのお土産に、ベポはそれを思い出す。けれどもベポにはそういった料理を作る腕前はないし、美味しい飲み物にも心当たりが無い。
自由行動の時間を与えられて、市場に足を踏み入れたベポの頭はそのことで一杯だった。ベポが喋る白クマであっても何故か驚かない島民たちは誰もが親切で、そんな風に悩んでいるベポに声を掛けては相談へ乗ってくれる。
ハートのクルー以外にこんなに親身にベポと話をしてくれる者など今まであまりいなかったから、ベポとしては相談へ乗ってくれる他にも嬉しくて仕方がない。
結局、風邪を引いているのなら喉が痛いだろうからのど飴はどうかという提案を受けて、教えられたお菓子屋へ行って飴を買った。何となくペンギンに似た匂いのする飴で、ベポは早くペンギンへあげようと店を出る。
そこで人にぶつかってしまった。
「っきゃ」
「うぁ、ご、ごめんなさい!」
ツナギを着ているとはいえベポの毛並みは柔らかく、それが衝撃を吸ったのか相手が転ぶ事はない。元々勢いもあまり無かったからだろう。
けれどもぶつかってしまったのはベポが悪いので、慌てて謝りながらぶつかってしまった相手を見る。ぶつかってしまったのは、黒い髪の少女だった。
少女は体勢を立て直しながらも、ぶつかった相手が白クマであることに気付いて目を瞬かせている。ツナギから出ている毛並みへ手を伸ばしかけ、それから思い出したようにベポを見上げた。
紅い眼が綺麗な少女である。
「私、白クマって始めて見ました」
「街中にいてゴメンナサイ……」
「あ、いえ、そういうつもりじゃなかったです! その、触っても?」
「あ、うん。どうぞ」
気を取り直してはい、と手を差し出せば、少女は恐る恐るといった様子でベポの手に触れ、毛並みを堪能して微笑んだ。
「フカフカです。テディベアもフカフカですが貴方の方がフカフカです」
「えへへ、キャプテン達が毎日ブラッシングしてくれるんだ」
「貴方は海賊? 私海賊も始めて見ました!」
興奮したように目を輝かせる少女に、ベポは何か違和感を覚えたが良く分からない。
「私、バイザクです。貴方は?」
「ベポだよ。ハートの海賊団」