空白の二年間編
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バンダナ視点
ハートの海賊団に所属する副船長ことペンギンと関わるにあたり、ハートのクルー達が重要視しているのは『怒らせてはいけない』ということだ。船長であるローでさえ気をつけるそれは、怒らせると相手が船長であっても構わず叱る。
海賊団の船長など普通であれば、誰にも怒られないであろう不可侵の存在のように思えるが、ハートの船ではそういう常識が通用しない。ペンギンは怒る時は怒るし叱る時は叱る。
怒らせなければ天然気味だし、スキンシップが過剰なところがあるただの青年だが、中身が見た目を裏切っていた。
第一にしてペンギンは元々『旅の薬師』を自称しているが、それにしては経験豊富だし色々と知っているし、強い(確信)。
何故賞金が掛かることなく今に到っているのかが不思議なほどに強かったりする。その上ハリセンをどこからともなく召喚したり、自分が居なかった筈の現場で起こった事を把握していたり、悪魔の能力者でもそこまで出来やしないだろうことを平然とやってのけるのだ。
ジャンバールから聞いた話では、シャボンディ諸島で逃亡の際には、偽者だったとはいえ七武海の一人であるバーソロミュー・クマそっくりのロボットの様なものを、たった一人で軽々撃破したという。一緒に聞いていたクルーは誰一人として冗談だと思わなかった。
果てには生ける伝説『冥王レイリー』や新人類のイワンコフといった有名どころとも知り合いであるという新事実まで発覚するし、ペンギンの逸話は留まることがない。
それらの不思議能力や人間関係のことについて、ペンギンに限らずハートの海賊団では互いの事情は自分から話すまで追求しない、というのが暗黙の了解となっているが、それでも時々気になる事はある。
そうでなくともペンギンは、武器を使わない対人格闘でも下手な賞金首や能力を持て余している悪魔の実の能力者なら、片手間に倒せる余裕まで持っていたりするのだが。
「まさか億越えまで潰せるとは思ってなかったなぁオッサン」
「……貴方はまだ『オッサン』なんて歳じゃねぇでしょう」
振り返らずにそう言うペンギンの手には、ここ暫くはお目にかかっていなかった巨大ハリセン。大きさによって使い分けているらしいそれは、ここ暫く見ていなかった大きさだ。
ペンギンの前には、船長の他にキッド海賊団の船長『ユースタス・キッド』とその船員である『殺戮武人キラー』が正座していた。地面が砂地とはいえもうかれこれ数十分ほど経っているので、そろそろ足が満遍なく痺れてきているだろう。
三人は無言で俯いて大人しくしている。動けばあのハリセンで叩かれると分かっているからだ。
話は正座させられる更に前へと遡る。
ハートの海賊団に所属する副船長ことペンギンと関わるにあたり、ハートのクルー達が重要視しているのは『怒らせてはいけない』ということだ。船長であるローでさえ気をつけるそれは、怒らせると相手が船長であっても構わず叱る。
海賊団の船長など普通であれば、誰にも怒られないであろう不可侵の存在のように思えるが、ハートの船ではそういう常識が通用しない。ペンギンは怒る時は怒るし叱る時は叱る。
怒らせなければ天然気味だし、スキンシップが過剰なところがあるただの青年だが、中身が見た目を裏切っていた。
第一にしてペンギンは元々『旅の薬師』を自称しているが、それにしては経験豊富だし色々と知っているし、強い(確信)。
何故賞金が掛かることなく今に到っているのかが不思議なほどに強かったりする。その上ハリセンをどこからともなく召喚したり、自分が居なかった筈の現場で起こった事を把握していたり、悪魔の能力者でもそこまで出来やしないだろうことを平然とやってのけるのだ。
ジャンバールから聞いた話では、シャボンディ諸島で逃亡の際には、偽者だったとはいえ七武海の一人であるバーソロミュー・クマそっくりのロボットの様なものを、たった一人で軽々撃破したという。一緒に聞いていたクルーは誰一人として冗談だと思わなかった。
果てには生ける伝説『冥王レイリー』や新人類のイワンコフといった有名どころとも知り合いであるという新事実まで発覚するし、ペンギンの逸話は留まることがない。
それらの不思議能力や人間関係のことについて、ペンギンに限らずハートの海賊団では互いの事情は自分から話すまで追求しない、というのが暗黙の了解となっているが、それでも時々気になる事はある。
そうでなくともペンギンは、武器を使わない対人格闘でも下手な賞金首や能力を持て余している悪魔の実の能力者なら、片手間に倒せる余裕まで持っていたりするのだが。
「まさか億越えまで潰せるとは思ってなかったなぁオッサン」
「……貴方はまだ『オッサン』なんて歳じゃねぇでしょう」
振り返らずにそう言うペンギンの手には、ここ暫くはお目にかかっていなかった巨大ハリセン。大きさによって使い分けているらしいそれは、ここ暫く見ていなかった大きさだ。
ペンギンの前には、船長の他にキッド海賊団の船長『ユースタス・キッド』とその船員である『殺戮武人キラー』が正座していた。地面が砂地とはいえもうかれこれ数十分ほど経っているので、そろそろ足が満遍なく痺れてきているだろう。
三人は無言で俯いて大人しくしている。動けばあのハリセンで叩かれると分かっているからだ。
話は正座させられる更に前へと遡る。