空白の二年間編
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夢主視点
偉大なる航路後半の海である『新世界』へ赴くに当たり、覚えていた方が良いものというのがある。戦闘に有効活用できる『覇気』もその一つで、シャボンディ諸島で冥王レイリーの覇気を受けた経験からして、その存在を知った船長もなにかしらやるとは思っていたが。
「クルーを実験台にするのは止めましょう」
「こいつ等だって覇気が使えたほうがいいだろ」
自分の覇気を試していたのではなく、クルー達に覇気を覚醒させる為に何か特訓をしていたらしい。クルーにも強くなって欲しいという考えは立派だが、手探り状態で適当にやるなとは思った。
甲板に転がるシャチ達は船長の武装色の覇気でやられたらしい。その証拠に船長の片手は未だに武装色の覇気をまとって黒く変色している。
いったいいつの間に習得したのか知らないが、ある意味ではルフィよりも習得が早いかも知れない。船長の場合は独学でそこまでいったようだから。
船長がシルビを振り返り黒く変色した手を挙げた。
「お前もやるか?」
「やっても構いませんけどねぇ、俺もう覇気は習得済みですよ」
そうなのだ。
途中で死んでいるとはいえ曲がりなりにも千年近くこの世界へ居る訳だし、シルビはそういったこの世界特有の能力は一通り経験している。武装色、見聞色、覇王色と三つある覇気も何百年前に習得済みで、更に言うなら魚人が得意とする魚人空手とかも一応帯持ちだし、そもそもシルビの場合『この世界ではない世界の武術』も習得している訳で。
今更覇気だ何だと騒ぐ必要も無い。
「え、ペンギンって覇気使えんの?」
「普段あんまり使わねぇけど、習得はしてるぜぇ」
「冥王レイリーから教わった系?」
ようやく起き上がってきたシャチ達に尋ねられるも、残念ながら『シルビがロジャー達へ存在を教えた』系だ。だがそれを話す訳にもいかず、曖昧にぼかしていると気迫が飛ばされてくる。
思わずその場で飛び上がって避けたが、覇気を飛ばしたと思われる船長はつまらなそうだった。
「船長?」
「相手しろ。覇気を使ってだ」
お前は新しい芸を覚えたばかりの犬か。そんな事を思いつつ溜息を吐いて、シルビは指を鳴らした。
覇王色の覇気を使ったら流石に大人気ないだろうから、船長と同じ武装色の覇気でいいだろう。手に握るいつものハリセンへ覇気を纏わせ、黒く硬化させた。
今のこのハリセンなら、軍艦も両断できる。が、流石にそこまで固くしても仕方ないので手加減した。
空いている手をハリセンでベシベシと叩くと、それを見ていた船長やシャチ達が冷や汗を垂らしている。
「お、音が……ヤバクね?」
「おいアレハリセンだよな? 鉄扇とかじゃないよな!?」
「あ、ただの訓練なんだから竹刀とかにした方が良かったですかぁ?」
船長の顔が何故か青褪めていたが、先に言い出したのはそっちだ。
結果的に、シルビが勝ったのは言うまでも無い。
偉大なる航路後半の海である『新世界』へ赴くに当たり、覚えていた方が良いものというのがある。戦闘に有効活用できる『覇気』もその一つで、シャボンディ諸島で冥王レイリーの覇気を受けた経験からして、その存在を知った船長もなにかしらやるとは思っていたが。
「クルーを実験台にするのは止めましょう」
「こいつ等だって覇気が使えたほうがいいだろ」
自分の覇気を試していたのではなく、クルー達に覇気を覚醒させる為に何か特訓をしていたらしい。クルーにも強くなって欲しいという考えは立派だが、手探り状態で適当にやるなとは思った。
甲板に転がるシャチ達は船長の武装色の覇気でやられたらしい。その証拠に船長の片手は未だに武装色の覇気をまとって黒く変色している。
いったいいつの間に習得したのか知らないが、ある意味ではルフィよりも習得が早いかも知れない。船長の場合は独学でそこまでいったようだから。
船長がシルビを振り返り黒く変色した手を挙げた。
「お前もやるか?」
「やっても構いませんけどねぇ、俺もう覇気は習得済みですよ」
そうなのだ。
途中で死んでいるとはいえ曲がりなりにも千年近くこの世界へ居る訳だし、シルビはそういったこの世界特有の能力は一通り経験している。武装色、見聞色、覇王色と三つある覇気も何百年前に習得済みで、更に言うなら魚人が得意とする魚人空手とかも一応帯持ちだし、そもそもシルビの場合『この世界ではない世界の武術』も習得している訳で。
今更覇気だ何だと騒ぐ必要も無い。
「え、ペンギンって覇気使えんの?」
「普段あんまり使わねぇけど、習得はしてるぜぇ」
「冥王レイリーから教わった系?」
ようやく起き上がってきたシャチ達に尋ねられるも、残念ながら『シルビがロジャー達へ存在を教えた』系だ。だがそれを話す訳にもいかず、曖昧にぼかしていると気迫が飛ばされてくる。
思わずその場で飛び上がって避けたが、覇気を飛ばしたと思われる船長はつまらなそうだった。
「船長?」
「相手しろ。覇気を使ってだ」
お前は新しい芸を覚えたばかりの犬か。そんな事を思いつつ溜息を吐いて、シルビは指を鳴らした。
覇王色の覇気を使ったら流石に大人気ないだろうから、船長と同じ武装色の覇気でいいだろう。手に握るいつものハリセンへ覇気を纏わせ、黒く硬化させた。
今のこのハリセンなら、軍艦も両断できる。が、流石にそこまで固くしても仕方ないので手加減した。
空いている手をハリセンでベシベシと叩くと、それを見ていた船長やシャチ達が冷や汗を垂らしている。
「お、音が……ヤバクね?」
「おいアレハリセンだよな? 鉄扇とかじゃないよな!?」
「あ、ただの訓練なんだから竹刀とかにした方が良かったですかぁ?」
船長の顔が何故か青褪めていたが、先に言い出したのはそっちだ。
結果的に、シルビが勝ったのは言うまでも無い。