空白の二年間編
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夢主視点
二週間の休暇も残ること後数日。シルビが今では我が家も同然の船へと戻ると、甲板でベポと船長が日向ぼっこをしていた。
ジャンバールは向こうで釣りをしていて、他のクルー達はまだ一人も戻ってきていないらしい。ベポからは健やかな寝息が聞こえている。
船長はそんなベポへ寄りかかって本を読んでいたが、シルビが戻ってきた事に気付いてか顔を上げ、シルビが背負っている物を見て珍しく驚いていた。
「どうした、それ」
「懸賞金五千三百万です」
船長の傍で背負っていた袋を降ろして口を開ければ、中にぎっしりと詰まった紙幣。
ビアガームの懸賞金は五千三百ベリー。生け捕りの為奴が持っている麻薬密売のルートを聞き出せるからと、突き出しに行った海軍支部からはシルビの正体も知らないまま多大に感謝された。シルビが『死告シャイタン』だと知ったら、ビアガームなど路傍の石も同じかも知れないが。
とりあえず賞金首を狩ってきたのだと言えば船長は帽子を押さえながら機嫌よく笑い出した。
「麻薬シンジケート潰してきたのか」
「はい」
「クククッ……ほんっと、有能なクルーだよお前は」
「船長ほどじゃねぇですよ。……久しぶりにスゲェ楽しかったです」
心の底からの感想を告げると船長の笑みが深くなる。釣られてシルビも口角が上がった。
「本当は密売ルートのほうも潰してきたかったんですけど、流石に時間が足んねぇと思って諦めました。それがちょっと残念だなぁ」
「別行動ってのはそれがしたかったのか」
「麻薬嫌ぇなんです。これでも民衆の味方の薬師ですからねぇ」
「海賊だろうが」
相槌を打ちながらシルビの話の先を促す船長に、やっぱり土産話になったかとシルビは帰ってくるまでに纏めておいた話を最初から話し始める。女装をしたところから街でシャチに笑いかけたらアイスを零したところから、酒場で働いて、キッド海賊団が来て。
ただ、キラーに自分から話しかけたことは言わないでおいた。
暫く話しているとベポが目を覚ましたので、釣りをしていたジャンバールも呼んで四人で昼食にした。船長の注文でシルビが作って、ソレを食べているとおもむろに船長が提案する。
「出港して、次の島にでも着いたら臨時収入で宴会でもやるか」
「宴会!? ほんとキャプテン!?」
「臨時収入?」
「俺がちょっと稼いできたんだぁ。ジャンバールにも後で見せるよ」
「そうか」
「ね、ホントキャプテン? ほんとに宴会する?」
「ああ、今度はお前らも船を降りろよ。店を貸切りにしてやる」
酒を飲めることより、一緒に騒げることが嬉しいのだろうベポの頭を撫でた。
二週間の休暇も残ること後数日。シルビが今では我が家も同然の船へと戻ると、甲板でベポと船長が日向ぼっこをしていた。
ジャンバールは向こうで釣りをしていて、他のクルー達はまだ一人も戻ってきていないらしい。ベポからは健やかな寝息が聞こえている。
船長はそんなベポへ寄りかかって本を読んでいたが、シルビが戻ってきた事に気付いてか顔を上げ、シルビが背負っている物を見て珍しく驚いていた。
「どうした、それ」
「懸賞金五千三百万です」
船長の傍で背負っていた袋を降ろして口を開ければ、中にぎっしりと詰まった紙幣。
ビアガームの懸賞金は五千三百ベリー。生け捕りの為奴が持っている麻薬密売のルートを聞き出せるからと、突き出しに行った海軍支部からはシルビの正体も知らないまま多大に感謝された。シルビが『死告シャイタン』だと知ったら、ビアガームなど路傍の石も同じかも知れないが。
とりあえず賞金首を狩ってきたのだと言えば船長は帽子を押さえながら機嫌よく笑い出した。
「麻薬シンジケート潰してきたのか」
「はい」
「クククッ……ほんっと、有能なクルーだよお前は」
「船長ほどじゃねぇですよ。……久しぶりにスゲェ楽しかったです」
心の底からの感想を告げると船長の笑みが深くなる。釣られてシルビも口角が上がった。
「本当は密売ルートのほうも潰してきたかったんですけど、流石に時間が足んねぇと思って諦めました。それがちょっと残念だなぁ」
「別行動ってのはそれがしたかったのか」
「麻薬嫌ぇなんです。これでも民衆の味方の薬師ですからねぇ」
「海賊だろうが」
相槌を打ちながらシルビの話の先を促す船長に、やっぱり土産話になったかとシルビは帰ってくるまでに纏めておいた話を最初から話し始める。女装をしたところから街でシャチに笑いかけたらアイスを零したところから、酒場で働いて、キッド海賊団が来て。
ただ、キラーに自分から話しかけたことは言わないでおいた。
暫く話しているとベポが目を覚ましたので、釣りをしていたジャンバールも呼んで四人で昼食にした。船長の注文でシルビが作って、ソレを食べているとおもむろに船長が提案する。
「出港して、次の島にでも着いたら臨時収入で宴会でもやるか」
「宴会!? ほんとキャプテン!?」
「臨時収入?」
「俺がちょっと稼いできたんだぁ。ジャンバールにも後で見せるよ」
「そうか」
「ね、ホントキャプテン? ほんとに宴会する?」
「ああ、今度はお前らも船を降りろよ。店を貸切りにしてやる」
酒を飲めることより、一緒に騒げることが嬉しいのだろうベポの頭を撫でた。