空白の二年間編
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夢主視点
クルー達の休暇予定の島へ到着し、巨人族だから迂闊に街をうろつけないジャンバールと白クマのベポ、それと一緒に残るつもりらしい船長を船へ残し、クルー達は私服姿で街へと繰り出す。シルビも例に漏れず、いや普段以上にハイテンションで街へと飛び出した。
シャチが一緒に歩こうとかバンダナが何処行くんだと聞いてきた気もするが、申し訳ないことに今のシルビにはそれに構っていられる精神的余裕が無かった。
街の大通りを歩いている他のクルーの視線から逃げるように路地へと入り込み、そこで顔の殆どを隠している防寒帽を脱ぐ。まとめ上げていた髪を下ろして、ポケットへ押し込んでいたウォレットチェーンや装飾品を身に付けて軽い変装をし、再び大通りへと戻った。
そのまま『女性服』を売っている店へと入る。
店員に『今度職場の宴会で女装するんです』と、恥ずかしさと屈辱の感情を混ぜた表情で嘘を吐き、露出が少なく地味だが女性らしさの出る服と化粧品を一式買い揃えた。とりあえずは一着でいい。
それから薬局で包帯を、文具屋で帳面と万年筆を数本買い、ある程度準備を揃えてから空き家に忍び込んで買った服へ着替えた。包帯を首や手首、脹脛へと巻いて化粧をして終わりである。
「最近の化粧品、質がいいなぁ」
包帯を巻くのは男である事がばれないよう、喉仏や手首のごつさを隠す為だ。包帯を巻いている理由は適当に作ればいいだろう。
本当は藍色の死ぬ気の炎による幻覚でも良かったのだが、それは他の場面で多用するつもりなので、長い事自身へ幻覚を掛けている労力をそちらへ回したい。
荷物をまとめ、船旅をしている女性を装って大通りを港へと歩いていけば、露天でアイスの買い食いをしていたシャチ達を見かけた。足を止めないまま何となく眺めていれば、シャチが気付いて目が合う。
からかい半分でニコリと微笑んでみれば、シャチの奴は顔を真っ赤にして持っていたアイスを握り潰した。服にアイスが零れ落ちていたが、帰ってくるまで洗濯してやれないのだから汚さないで欲しい。いや、自分で洗えばいいのだが。
とりあえず化粧の腕は落ちていないらしい。元が女顔過ぎるのだなどとは絶対言わせない。
迷惑だろうにアイス屋の前で騒いでいるシャチ達をスルーして、人気の無い路地へと入り込む。周囲に人の気配や見ている者がいない事を慎重に確かめてから、指を鳴らして『第八の炎』を灯すとその中へと足を突っ込んだ。
それにしてもこのマスカラ、ちょっと濃過ぎたかもしれない。
クルー達の休暇予定の島へ到着し、巨人族だから迂闊に街をうろつけないジャンバールと白クマのベポ、それと一緒に残るつもりらしい船長を船へ残し、クルー達は私服姿で街へと繰り出す。シルビも例に漏れず、いや普段以上にハイテンションで街へと飛び出した。
シャチが一緒に歩こうとかバンダナが何処行くんだと聞いてきた気もするが、申し訳ないことに今のシルビにはそれに構っていられる精神的余裕が無かった。
街の大通りを歩いている他のクルーの視線から逃げるように路地へと入り込み、そこで顔の殆どを隠している防寒帽を脱ぐ。まとめ上げていた髪を下ろして、ポケットへ押し込んでいたウォレットチェーンや装飾品を身に付けて軽い変装をし、再び大通りへと戻った。
そのまま『女性服』を売っている店へと入る。
店員に『今度職場の宴会で女装するんです』と、恥ずかしさと屈辱の感情を混ぜた表情で嘘を吐き、露出が少なく地味だが女性らしさの出る服と化粧品を一式買い揃えた。とりあえずは一着でいい。
それから薬局で包帯を、文具屋で帳面と万年筆を数本買い、ある程度準備を揃えてから空き家に忍び込んで買った服へ着替えた。包帯を首や手首、脹脛へと巻いて化粧をして終わりである。
「最近の化粧品、質がいいなぁ」
包帯を巻くのは男である事がばれないよう、喉仏や手首のごつさを隠す為だ。包帯を巻いている理由は適当に作ればいいだろう。
本当は藍色の死ぬ気の炎による幻覚でも良かったのだが、それは他の場面で多用するつもりなので、長い事自身へ幻覚を掛けている労力をそちらへ回したい。
荷物をまとめ、船旅をしている女性を装って大通りを港へと歩いていけば、露天でアイスの買い食いをしていたシャチ達を見かけた。足を止めないまま何となく眺めていれば、シャチが気付いて目が合う。
からかい半分でニコリと微笑んでみれば、シャチの奴は顔を真っ赤にして持っていたアイスを握り潰した。服にアイスが零れ落ちていたが、帰ってくるまで洗濯してやれないのだから汚さないで欲しい。いや、自分で洗えばいいのだが。
とりあえず化粧の腕は落ちていないらしい。元が女顔過ぎるのだなどとは絶対言わせない。
迷惑だろうにアイス屋の前で騒いでいるシャチ達をスルーして、人気の無い路地へと入り込む。周囲に人の気配や見ている者がいない事を慎重に確かめてから、指を鳴らして『第八の炎』を灯すとその中へと足を突っ込んだ。
それにしてもこのマスカラ、ちょっと濃過ぎたかもしれない。