空白の二年間編
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夢主視点
ニュース・クーが持って来た新しい新聞を読もうとしたら、間に挟まれていた手配書やチラシを許可も取らずにシャチが持っていってしまった。
そちら確認をしたかったのだが持って行ってしまったものは仕方がない。シルビが先に新聞へ目を通す、と海軍本部の移動や新しく就任した海軍元帥など主に海軍内の変動が記事になっていた。
新しい海軍元帥は元大将である『赤犬のサカズキ』だ。
一応今まで元帥が替わった時には、生きているタイミングであればシルビは『死告シャイタン』として挨拶に出向いていた。今回の場合はあんな騒動があった後の人事異動ということもあり、行くべきかどうか分からない。
先代元帥であるセンゴクの時は行かなかった。死んでいたから。その前のコングの時は行った。
サカズキは確か苛烈な思想の持ち主だったなと思いつつ、挨拶に行った方がいいのかと考えていると、手配書を見ているシャチ達の方から悲鳴が上がる。
「マジかよこれ」
「ゼロの数どうなってんの?」
「いや、冗談だろ? 政府だって払えないでしょこれ」
一体何がそんなに驚くことなのかと近付いて首を突っ込み、シャチ達が騒然と見つめている手配書を見れば、自分の手配書だった。
『ペンギン』の名前ではない。当然といえば当然だが『死告シャイタン』のものである。
ルフィが行なった『16点鐘』の時に撮影されたものだろう写真は、船べりに座っていたシルビの姿だ。
もっと至近距離で明瞭な写真は無かったのかと聞きたくなる代物で、これでは黒い外套と腰のランタン以外はほぼほぼ情報が無い。性別どころか身長や体格もこの写真からは分かるとは思えなかった。
それでも一応、写真画像になっただけマシだろう。昔は黒地に紫色の眼が描かれただけの子供が描いたかのような人相書きだった頃もあった。
懸賞額は、最後に見た手配書より少しだけ増えている。四十年前の最後に見た手配書でも既に船長やルフィといった、今の億越えルーキーが可愛いらしく見えるくらいの額だったが、その時よりも桁が上がっていた。
この手配書が出る前は名前を売る様な事はしていなかったよなと、額が上がったことに首を傾げる。
「『死告シャイタン』ってこんなスゲーのか」
「四十年ぶりなんだろ? もう年寄りだろ? 高けーよ!」
「捕まえられたら一生贅沢出来るな……」
「そういやペンギンは『死告シャイタン』って知ってる? 『16点鐘』の時麦わらと一緒に居たらしいんだけど」
知っているも何も当人だ。が、流石に言えない。
「知っては、いるぜぇ」
「へー! 船長も名前しか知らなかったんだぜ!」
「どんな奴?」
期待の篭った視線をクルー達へ向けられ、ここまで後ろめたい事があっただろうか。
「……千年前から時々現れて、世界政府や海軍と敵対してるらしいなぁ」
「千年前!?」
「うわー、不老不死ってやつかな?」
盛り上がるクルー達には悪いがシルビはそれ以上訊かれない様にこっそり離れさせてもらった。これ以上あの場に居て、他人の振りをしながら『死告シャイタン』の話をするのは、どう考えても自画自賛しているようで我慢できなかったのだ。
『十六点鐘』へ着いて行った時に『死告シャイタン』の再来を世に知らしめることは覚悟したとはいえ、このハートのクルーの反応は耐えられない。
ニュース・クーが持って来た新しい新聞を読もうとしたら、間に挟まれていた手配書やチラシを許可も取らずにシャチが持っていってしまった。
そちら確認をしたかったのだが持って行ってしまったものは仕方がない。シルビが先に新聞へ目を通す、と海軍本部の移動や新しく就任した海軍元帥など主に海軍内の変動が記事になっていた。
新しい海軍元帥は元大将である『赤犬のサカズキ』だ。
一応今まで元帥が替わった時には、生きているタイミングであればシルビは『死告シャイタン』として挨拶に出向いていた。今回の場合はあんな騒動があった後の人事異動ということもあり、行くべきかどうか分からない。
先代元帥であるセンゴクの時は行かなかった。死んでいたから。その前のコングの時は行った。
サカズキは確か苛烈な思想の持ち主だったなと思いつつ、挨拶に行った方がいいのかと考えていると、手配書を見ているシャチ達の方から悲鳴が上がる。
「マジかよこれ」
「ゼロの数どうなってんの?」
「いや、冗談だろ? 政府だって払えないでしょこれ」
一体何がそんなに驚くことなのかと近付いて首を突っ込み、シャチ達が騒然と見つめている手配書を見れば、自分の手配書だった。
『ペンギン』の名前ではない。当然といえば当然だが『死告シャイタン』のものである。
ルフィが行なった『16点鐘』の時に撮影されたものだろう写真は、船べりに座っていたシルビの姿だ。
もっと至近距離で明瞭な写真は無かったのかと聞きたくなる代物で、これでは黒い外套と腰のランタン以外はほぼほぼ情報が無い。性別どころか身長や体格もこの写真からは分かるとは思えなかった。
それでも一応、写真画像になっただけマシだろう。昔は黒地に紫色の眼が描かれただけの子供が描いたかのような人相書きだった頃もあった。
懸賞額は、最後に見た手配書より少しだけ増えている。四十年前の最後に見た手配書でも既に船長やルフィといった、今の億越えルーキーが可愛いらしく見えるくらいの額だったが、その時よりも桁が上がっていた。
この手配書が出る前は名前を売る様な事はしていなかったよなと、額が上がったことに首を傾げる。
「『死告シャイタン』ってこんなスゲーのか」
「四十年ぶりなんだろ? もう年寄りだろ? 高けーよ!」
「捕まえられたら一生贅沢出来るな……」
「そういやペンギンは『死告シャイタン』って知ってる? 『16点鐘』の時麦わらと一緒に居たらしいんだけど」
知っているも何も当人だ。が、流石に言えない。
「知っては、いるぜぇ」
「へー! 船長も名前しか知らなかったんだぜ!」
「どんな奴?」
期待の篭った視線をクルー達へ向けられ、ここまで後ろめたい事があっただろうか。
「……千年前から時々現れて、世界政府や海軍と敵対してるらしいなぁ」
「千年前!?」
「うわー、不老不死ってやつかな?」
盛り上がるクルー達には悪いがシルビはそれ以上訊かれない様にこっそり離れさせてもらった。これ以上あの場に居て、他人の振りをしながら『死告シャイタン』の話をするのは、どう考えても自画自賛しているようで我慢できなかったのだ。
『十六点鐘』へ着いて行った時に『死告シャイタン』の再来を世に知らしめることは覚悟したとはいえ、このハートのクルーの反応は耐えられない。