空白の二年間編
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ロー視点
「そういえばペンギンがシャボンディ諸島で会いに行ったのって、冥王だったの?」
甲板に出たところで、洗濯物を干していたペンギンにベポがそう尋ねているのが聞こえた。そういえばそんな事もあったなとまだそう昔のことでもない筈のそれを思い出して、ローも話を聞いてみようと洗濯物を干している二人へ近付く。
二人はローが来たことへ気付いているのかいないのか、振り返ることなく洗濯物を干し続けていた。包帯が多いのは麦わら屋の治療をした時の名残もあるだろうが、シャボンディ諸島で負った怪我が治ってきたクルーが出したものだろう。
「うん。レイリー。でもレイリーは人間オークションで遊んでたから、島では会えなかったんだぁ」
「オークション会場で話しかければ良かったんじゃない?」
「元気なのは見れたし、別にいいかなぁって。……立ち直ってたし」
「立ち直って?」
「ロジャーが処刑された後、俺のことに来たんだよ。その時は落ち込んでたから」
「あー、相棒だもんね、海賊王の」
ほのぼのしい会話だが、突っ込みたいところがあるのはローだけか。
「お前、ゴールド・ロジャーにも会ったことがあるのか」
耐え切れずに尋ねれば、振り向いたベポがローが来ていたことに気付いて驚く。ペンギンのほうは驚きもせずに、次に干す物を手に取った。
「ありますよ」
「処刑されたのが何年前だか知ってるよな?」
「あははは」
棒読みで笑って誤魔化される。全く誤魔化せていないのだが本人もそれを分かっているらしく、シーツを干して肩をすくめた。
「もう本当にガキの頃ですよ。レイリーだって俺のこと子供感覚で抱き上げてたでしょう?」
「あれは絶対子供感覚じゃねえだろ」
「そうですかぁ?」
駄目だコイツは距離感が適当過ぎる。ベポと顔を見合わせ、首を傾げながら『ハグくらい当然だよなぁ?』と尋ねるペンギンにベポが戸惑っていた。
確かにベポも未だに飛びついてきたりするが、流石に大人が抱っこされるのはおかしいと理解している。むしろその点ではペンギンのほうがおかしい。
「……まさかゴールド・ロジャーにも抱きついたことあるのか?」
「? ありますけどぉ? 歩くのが面倒な時は肩とかに座ったりしてましたしぃ。むしろアイツの方から乗せてたぁ」
「分かった。お前はおかしい」
はっきりと結論を言えばペンギンは釈然としないとばかりに顔をしかめる。何か言いたげだが言わない辺りは、一応自分の感覚がおかしいと分かっているのか。
「でもオレペンギンに抱きつくの好きだよ!」
「俺も好きだぜぇ。ベポは暖かいなぁ。……船長はケチだからハグさせてくれねぇもんなぁ」
ごく自然に抱き付き合う一人と一匹に、何となく疎外感を覚えたものの、きっとローは間違っていない。
「そういえばペンギンがシャボンディ諸島で会いに行ったのって、冥王だったの?」
甲板に出たところで、洗濯物を干していたペンギンにベポがそう尋ねているのが聞こえた。そういえばそんな事もあったなとまだそう昔のことでもない筈のそれを思い出して、ローも話を聞いてみようと洗濯物を干している二人へ近付く。
二人はローが来たことへ気付いているのかいないのか、振り返ることなく洗濯物を干し続けていた。包帯が多いのは麦わら屋の治療をした時の名残もあるだろうが、シャボンディ諸島で負った怪我が治ってきたクルーが出したものだろう。
「うん。レイリー。でもレイリーは人間オークションで遊んでたから、島では会えなかったんだぁ」
「オークション会場で話しかければ良かったんじゃない?」
「元気なのは見れたし、別にいいかなぁって。……立ち直ってたし」
「立ち直って?」
「ロジャーが処刑された後、俺のことに来たんだよ。その時は落ち込んでたから」
「あー、相棒だもんね、海賊王の」
ほのぼのしい会話だが、突っ込みたいところがあるのはローだけか。
「お前、ゴールド・ロジャーにも会ったことがあるのか」
耐え切れずに尋ねれば、振り向いたベポがローが来ていたことに気付いて驚く。ペンギンのほうは驚きもせずに、次に干す物を手に取った。
「ありますよ」
「処刑されたのが何年前だか知ってるよな?」
「あははは」
棒読みで笑って誤魔化される。全く誤魔化せていないのだが本人もそれを分かっているらしく、シーツを干して肩をすくめた。
「もう本当にガキの頃ですよ。レイリーだって俺のこと子供感覚で抱き上げてたでしょう?」
「あれは絶対子供感覚じゃねえだろ」
「そうですかぁ?」
駄目だコイツは距離感が適当過ぎる。ベポと顔を見合わせ、首を傾げながら『ハグくらい当然だよなぁ?』と尋ねるペンギンにベポが戸惑っていた。
確かにベポも未だに飛びついてきたりするが、流石に大人が抱っこされるのはおかしいと理解している。むしろその点ではペンギンのほうがおかしい。
「……まさかゴールド・ロジャーにも抱きついたことあるのか?」
「? ありますけどぉ? 歩くのが面倒な時は肩とかに座ったりしてましたしぃ。むしろアイツの方から乗せてたぁ」
「分かった。お前はおかしい」
はっきりと結論を言えばペンギンは釈然としないとばかりに顔をしかめる。何か言いたげだが言わない辺りは、一応自分の感覚がおかしいと分かっているのか。
「でもオレペンギンに抱きつくの好きだよ!」
「俺も好きだぜぇ。ベポは暖かいなぁ。……船長はケチだからハグさせてくれねぇもんなぁ」
ごく自然に抱き付き合う一人と一匹に、何となく疎外感を覚えたものの、きっとローは間違っていない。