空白の二年間編
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夢主視点
アマゾン・リリーの北西へある無人島『ルスカイナ』で修行を始めたルフィとレイリーと別れ、帰ってきたハートの船。帰ってきた瞬間からいつも通りとはいかないだろうなと思っていたが、初仕事が船長を叱ることだったのは流石に想定外だった。
「大体、日誌の書き方は前にも教えたことがあるんだぜぇ? なのにどの頁も一行『何も無し』だとか『海が荒れてた』とか、馬鹿かぁ? ガキの日記じゃねぇんだからさぁああああああ!」
「落ち着けペンギン」
勢いに任せて置いたマグカップの中身は、精神を落ち着かせろということでホットミルクが淹れられている。話し相手もとい愚痴を聞かされることになったジャンバールには悪いが、まだまだ言い足りなかった。
食堂は食事の時間ではないものの、普段であれば休憩なり談笑なりでいつも誰かしらいるものだが、今はシルビとジャンバールしかいない。その理由も分かってしまうからシルビとしては尚更腹立たしかった。
怖いなら怒らせないで欲しいし、怒らせない為の努力だってしてほしいものだ。特に船長。
「部下に怒られる船長が何処にいんだよここだよ畜生俺の周囲には居なかったタイプだってのはもう分かったよ“最強”に似た声しやがってその内『躾けに効果があるのは痛みだ』とか言い出したら指差して笑ってアイツの為だけにドSになってやるぅ俺早まったかなぁ」
机へ突っ伏してちょっと悔やむ。ジャンバールの向こうにある食堂の入り口で何かガタガタと音がしたので、誰かがこちらの様子を窺っているのだろう。誰なのかも察しがつくが。
「よく分からないが、ペンギンは船長のことを色々考えているんだな」
「そりゃ俺の船長だしぃ」
「そうだな。だから船長やクルー達も甘えているんじゃないか?」
「甘えすぎぃ」
「オレも甘えてしまっているから、それは申し訳ないな」
ジャンバールは前から思っていたが優しい考え方をする。同じ事を言っていたとしても、船長とジャンバールではきっと印象が違いすぎるに違いない。
そして気を使わせている事も分かってしまって、シルビは溜息を吐きながら体を起こした。そろそろ居なかった間に溜まった仕事を片付ける作業に戻らねばならない。ジャンバールだっていつまでも愚痴を聞かされたら困るだろう。
「愚痴聞かせて悪かったなぁ。もう仕事に戻るぜぇ」
「ストレスを溜めるよりはいいだろう。聞くだけしか出来ないが、いつでも吐き出すといい」
「……ジャンバールもう一回『キャプテン』になる気無ぇ?」
「それは、困る誘惑だな」
食堂の入り口の方から聞こえた、誰かが逃げていった足音はあえて無視した。
「だがどうせペンギンはトラファルガーの船にしか乗らないのだろう?」
「うん。もうそう決めちまったんだぁ」
アマゾン・リリーの北西へある無人島『ルスカイナ』で修行を始めたルフィとレイリーと別れ、帰ってきたハートの船。帰ってきた瞬間からいつも通りとはいかないだろうなと思っていたが、初仕事が船長を叱ることだったのは流石に想定外だった。
「大体、日誌の書き方は前にも教えたことがあるんだぜぇ? なのにどの頁も一行『何も無し』だとか『海が荒れてた』とか、馬鹿かぁ? ガキの日記じゃねぇんだからさぁああああああ!」
「落ち着けペンギン」
勢いに任せて置いたマグカップの中身は、精神を落ち着かせろということでホットミルクが淹れられている。話し相手もとい愚痴を聞かされることになったジャンバールには悪いが、まだまだ言い足りなかった。
食堂は食事の時間ではないものの、普段であれば休憩なり談笑なりでいつも誰かしらいるものだが、今はシルビとジャンバールしかいない。その理由も分かってしまうからシルビとしては尚更腹立たしかった。
怖いなら怒らせないで欲しいし、怒らせない為の努力だってしてほしいものだ。特に船長。
「部下に怒られる船長が何処にいんだよここだよ畜生俺の周囲には居なかったタイプだってのはもう分かったよ“最強”に似た声しやがってその内『躾けに効果があるのは痛みだ』とか言い出したら指差して笑ってアイツの為だけにドSになってやるぅ俺早まったかなぁ」
机へ突っ伏してちょっと悔やむ。ジャンバールの向こうにある食堂の入り口で何かガタガタと音がしたので、誰かがこちらの様子を窺っているのだろう。誰なのかも察しがつくが。
「よく分からないが、ペンギンは船長のことを色々考えているんだな」
「そりゃ俺の船長だしぃ」
「そうだな。だから船長やクルー達も甘えているんじゃないか?」
「甘えすぎぃ」
「オレも甘えてしまっているから、それは申し訳ないな」
ジャンバールは前から思っていたが優しい考え方をする。同じ事を言っていたとしても、船長とジャンバールではきっと印象が違いすぎるに違いない。
そして気を使わせている事も分かってしまって、シルビは溜息を吐きながら体を起こした。そろそろ居なかった間に溜まった仕事を片付ける作業に戻らねばならない。ジャンバールだっていつまでも愚痴を聞かされたら困るだろう。
「愚痴聞かせて悪かったなぁ。もう仕事に戻るぜぇ」
「ストレスを溜めるよりはいいだろう。聞くだけしか出来ないが、いつでも吐き出すといい」
「……ジャンバールもう一回『キャプテン』になる気無ぇ?」
「それは、困る誘惑だな」
食堂の入り口の方から聞こえた、誰かが逃げていった足音はあえて無視した。
「だがどうせペンギンはトラファルガーの船にしか乗らないのだろう?」
「うん。もうそう決めちまったんだぁ」