頂上戦争編
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ロー視点
「船長、直ぐに追いつきますから先に行っててください」
そう言ったペンギンはレイリーが来る前に話していたときとは違い、吹っ切れたような様子ではあったが言っている内容は変わらず『船を降りる』ことだった。
そんなにローより麦わらや友人らしいレイリーと一緒にいたいのかと思いかけたが、それもどうやら違うらしい。
「俺は『ペンギン』で『ペンギン』は貴方のモノです。だから貴方が俺をペンギンと呼ぶ限りペンギンである俺の居場所が貴方の傍に存在する。居場所があるのなら俺は戻ります。……それで、許可していただけますか?」
つまりローが『ペンギン』と呼び続ける間は、何があってもシルビはハートの副船長としてローに付き従ってくれるということか。今までだって同じ様なものであった筈のそれはしかし、口にして明言されると重さが違った。
けれどもその重さを背負うのはローだけでは無く、シルビも同様だ。
今までは何度も事ある度に、『お前をいつでも見限れる』と暗にローを試し続けていた事に気付いていた。つい最近でさえ、シャボンディ諸島でバーソロミューの偽物を倒した時に、その試すような眼を向けてきた事を覚えている。
そうでなくともペンギンは他のクルーと比べると、大分頻繁に船を降りるぞと脅迫してきていた。
ローの悪い部分を直すのに使える脅迫になると分かっていてそれを言っていた節もあったが、そういう真似をしていたという事はペンギンがローを『頼りない船長』だと思っていたからだろう。初めてハートの船を見せた時の、誰もクルーが居ない事を知ってハリセンで叩かれながら言われた事をまだ覚えている。
どうやらやっと、ローは認められたのかもしれない。ロー自身はとっくの昔に『信頼』していたというのに。
「一ヶ月だ」
「え?」
「一ヶ月過ぎたら、戻ってきてもお前の居場所は無いからな」
実際はそこまで待っていられるかどうか。シャチ達は寂しがるだろうしローだってペンギンが居ないと困る。
「――船長ありがとう!」
ローが、ペンギンが戻ってくると信じる事に決めたと理解したらしいペンギンが、眼に見えて嬉しいのだと分かる笑みを浮かべ飛びついてきた。タイミングを逃して避ける事も出来ず、思いきり抱き着かれて思わず動揺すると、切り株へ座っていたレイリーが笑う。
「シルビ君は心を許した相手や可愛がっている相手だとスキンシップが激しくなるぞ」
「もっと早く教えろ冥王!」
「それくらいは知っていると思ったんだ」
そういえばベポにはよくハグをしていたかも知れない。シャチの頭もよく撫でている。思い当たる事は結構あった。
「船長、直ぐに追いつきますから先に行っててください」
そう言ったペンギンはレイリーが来る前に話していたときとは違い、吹っ切れたような様子ではあったが言っている内容は変わらず『船を降りる』ことだった。
そんなにローより麦わらや友人らしいレイリーと一緒にいたいのかと思いかけたが、それもどうやら違うらしい。
「俺は『ペンギン』で『ペンギン』は貴方のモノです。だから貴方が俺をペンギンと呼ぶ限りペンギンである俺の居場所が貴方の傍に存在する。居場所があるのなら俺は戻ります。……それで、許可していただけますか?」
つまりローが『ペンギン』と呼び続ける間は、何があってもシルビはハートの副船長としてローに付き従ってくれるということか。今までだって同じ様なものであった筈のそれはしかし、口にして明言されると重さが違った。
けれどもその重さを背負うのはローだけでは無く、シルビも同様だ。
今までは何度も事ある度に、『お前をいつでも見限れる』と暗にローを試し続けていた事に気付いていた。つい最近でさえ、シャボンディ諸島でバーソロミューの偽物を倒した時に、その試すような眼を向けてきた事を覚えている。
そうでなくともペンギンは他のクルーと比べると、大分頻繁に船を降りるぞと脅迫してきていた。
ローの悪い部分を直すのに使える脅迫になると分かっていてそれを言っていた節もあったが、そういう真似をしていたという事はペンギンがローを『頼りない船長』だと思っていたからだろう。初めてハートの船を見せた時の、誰もクルーが居ない事を知ってハリセンで叩かれながら言われた事をまだ覚えている。
どうやらやっと、ローは認められたのかもしれない。ロー自身はとっくの昔に『信頼』していたというのに。
「一ヶ月だ」
「え?」
「一ヶ月過ぎたら、戻ってきてもお前の居場所は無いからな」
実際はそこまで待っていられるかどうか。シャチ達は寂しがるだろうしローだってペンギンが居ないと困る。
「――船長ありがとう!」
ローが、ペンギンが戻ってくると信じる事に決めたと理解したらしいペンギンが、眼に見えて嬉しいのだと分かる笑みを浮かべ飛びついてきた。タイミングを逃して避ける事も出来ず、思いきり抱き着かれて思わず動揺すると、切り株へ座っていたレイリーが笑う。
「シルビ君は心を許した相手や可愛がっている相手だとスキンシップが激しくなるぞ」
「もっと早く教えろ冥王!」
「それくらいは知っていると思ったんだ」
そういえばベポにはよくハグをしていたかも知れない。シャチの頭もよく撫でている。思い当たる事は結構あった。