頂上戦争編
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ロー視点
麦わら屋の手術をし、アマゾン・リリーへ潜伏し始めてから一週間以上。ペンギンの様子が少しおかしい事に気付いた。
初めは知り合いだったらしい火拳のエースの死が堪えているのかと思ったがどうもそれだけでは無いらしく、関係があるのかは不明だがアマゾン・リリーの女達とは必要最低限しか話さないし、ニョン婆と呼ばれている老婆に至っては時々見つめこそすれ近付こうともしない。
数日前からは寝ている麦わら屋の枕元に立って、何かを話しかけている事があった。
麦わら屋が目を覚ましたのはそれから更に数日後。実に迷惑な事に目覚めてすぐに船を破壊し重体の身体で泣き叫び暴れていた。
もういない兄の名を縋るように呼んで、止めようとするハートのクルーを次から次へと投げ飛ばし、地面へうずくまり叫んで。追いかけるように船から降りてきたペンギンが、そんな麦わら屋を見つめて立ちすくんでいた。
絶対安静の重体なのだから、あんなに暴れられてはまた傷が開いて死ぬ可能性だってある。だからローはあれを止めるべきだろうし、ペンギンだって普段であれば他のクルーと一緒に止めに行く筈だった。
「アレを放っておいたらどうなるんじゃ」
「まあ単純な話、傷口がまた開いたら今度は死ぬかもな」
「でも身体が生きてたって、心が死んでりゃそれは死んでるようなもんだろぉ……?」
ジンベエに尋ねられて答えれば、傍で麦わら屋を見つめていたペンギンが呟く。ローだけでは無くジンベエまでその言葉にペンギンを見ていた。
麦わら屋が勢い余った様子で島の奥へと入っていく。ジンベエが心配してそれを追いかけていき、ペンギンが麦わら屋によって壊された船の修理をするらしいバンダナ達へ呼ばれた。
それに直ぐに行くと返したペンギンが、逡巡してからローを振り返る。
「……船長」
「なんだ」
「ずっと考えていたんですけど、麦藁君が立ち直るまで、その、彼の傍に居る為に船を降りてもいいですか?」
罪悪感が込められたその問い掛けに、ここ数日ずっとそんな事を考えていたのかと思う。理由は分からなかったが『知り合いだったエースの義弟だから』とか、そんなものかもしれない。
もしくはただ単に放っておけないからとか、年下だからとか。ペンギンならそんな理由でも動きそうではある。
それからこれは憶測だが『似た経験をしている』からか。
「それは、副船長を辞めるってことか」
ペンギンは答えなかった。しかし噤んだ口元からして辞めたい訳ではないのだろう。
もう数年になる付き合いだ。流石にペンギンが今考えている事くらいローにも分かった。
麦わら屋の手術をし、アマゾン・リリーへ潜伏し始めてから一週間以上。ペンギンの様子が少しおかしい事に気付いた。
初めは知り合いだったらしい火拳のエースの死が堪えているのかと思ったがどうもそれだけでは無いらしく、関係があるのかは不明だがアマゾン・リリーの女達とは必要最低限しか話さないし、ニョン婆と呼ばれている老婆に至っては時々見つめこそすれ近付こうともしない。
数日前からは寝ている麦わら屋の枕元に立って、何かを話しかけている事があった。
麦わら屋が目を覚ましたのはそれから更に数日後。実に迷惑な事に目覚めてすぐに船を破壊し重体の身体で泣き叫び暴れていた。
もういない兄の名を縋るように呼んで、止めようとするハートのクルーを次から次へと投げ飛ばし、地面へうずくまり叫んで。追いかけるように船から降りてきたペンギンが、そんな麦わら屋を見つめて立ちすくんでいた。
絶対安静の重体なのだから、あんなに暴れられてはまた傷が開いて死ぬ可能性だってある。だからローはあれを止めるべきだろうし、ペンギンだって普段であれば他のクルーと一緒に止めに行く筈だった。
「アレを放っておいたらどうなるんじゃ」
「まあ単純な話、傷口がまた開いたら今度は死ぬかもな」
「でも身体が生きてたって、心が死んでりゃそれは死んでるようなもんだろぉ……?」
ジンベエに尋ねられて答えれば、傍で麦わら屋を見つめていたペンギンが呟く。ローだけでは無くジンベエまでその言葉にペンギンを見ていた。
麦わら屋が勢い余った様子で島の奥へと入っていく。ジンベエが心配してそれを追いかけていき、ペンギンが麦わら屋によって壊された船の修理をするらしいバンダナ達へ呼ばれた。
それに直ぐに行くと返したペンギンが、逡巡してからローを振り返る。
「……船長」
「なんだ」
「ずっと考えていたんですけど、麦藁君が立ち直るまで、その、彼の傍に居る為に船を降りてもいいですか?」
罪悪感が込められたその問い掛けに、ここ数日ずっとそんな事を考えていたのかと思う。理由は分からなかったが『知り合いだったエースの義弟だから』とか、そんなものかもしれない。
もしくはただ単に放っておけないからとか、年下だからとか。ペンギンならそんな理由でも動きそうではある。
それからこれは憶測だが『似た経験をしている』からか。
「それは、副船長を辞めるってことか」
ペンギンは答えなかった。しかし噤んだ口元からして辞めたい訳ではないのだろう。
もう数年になる付き合いだ。流石にペンギンが今考えている事くらいローにも分かった。