頂上戦争編
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夢主視点
「ペンギン? 仮眠中悪いんだけど船長が呼んでる」
ドアの向こうから聞こえる声に目を覚ます。直ぐに行くと返事を返してシルビは身体を起こした。
海軍から戻ってきてツナギに着替えたはいいが、そのまま片付けもせずに寝てしまったから散らばる脱いだ服の残骸。外套さえも放置しっぱなしで、枕元に置いたランタンも不安定な寝台の上で傾いている。
夢を見たのだ。
「……馬鹿だよなぁ。もっと欲にまみれた願いでも良かったのに」
エースの言葉を思い出してそう呟いたところで、当然誰からも返事は無い。
否定は出来なかった。シルビも彼と同じ状況になれば似たようなことを願っただろうからだ。シルビもエースも、ともすれば白ひげも結局は似た者同士なので。
夢を見たのだ。それは夢だと言い切るには少し現実に近すぎるが、誰にも見られないものでもある。
エースのあの言葉は、きっと彼にとってこれ以上無いわがままだったのかもしれない。死に際に弟へ告げた感謝の言葉よりは重くない、けれどもこれ以上に無い、願い。
立ち上がって床に落ちている衣服や外套を軽く畳んで寝台の上に置き、ランタンも安全な机の上へ移動させてからシルビは部屋を出た。
『死告シャイタン』の出番なんて本当は無い方が良い。無い方が良いのに完全に捨て去ることはこの世界に生きている間はきっと、出来ないだろう。
それが、シルビが傍観しか出来ない故の矜持である。
「ペンギン? 仮眠中悪いんだけど船長が呼んでる」
ドアの向こうから聞こえる声に目を覚ます。直ぐに行くと返事を返してシルビは身体を起こした。
海軍から戻ってきてツナギに着替えたはいいが、そのまま片付けもせずに寝てしまったから散らばる脱いだ服の残骸。外套さえも放置しっぱなしで、枕元に置いたランタンも不安定な寝台の上で傾いている。
夢を見たのだ。
「……馬鹿だよなぁ。もっと欲にまみれた願いでも良かったのに」
エースの言葉を思い出してそう呟いたところで、当然誰からも返事は無い。
否定は出来なかった。シルビも彼と同じ状況になれば似たようなことを願っただろうからだ。シルビもエースも、ともすれば白ひげも結局は似た者同士なので。
夢を見たのだ。それは夢だと言い切るには少し現実に近すぎるが、誰にも見られないものでもある。
エースのあの言葉は、きっと彼にとってこれ以上無いわがままだったのかもしれない。死に際に弟へ告げた感謝の言葉よりは重くない、けれどもこれ以上に無い、願い。
立ち上がって床に落ちている衣服や外套を軽く畳んで寝台の上に置き、ランタンも安全な机の上へ移動させてからシルビは部屋を出た。
『死告シャイタン』の出番なんて本当は無い方が良い。無い方が良いのに完全に捨て去ることはこの世界に生きている間はきっと、出来ないだろう。
それが、シルビが傍観しか出来ない故の矜持である。