頂上戦争編
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夢主視点
シャボンディ諸島の広場で海軍本部の処刑場の映像が中継されると聞いて、船長を筆頭にクルーが数人、その映像を見物しに船を降りていった。その映像から現場の状況を見て、ハートが出発するタイミングを探る為でもある。
シルビは買出しの時と同じ理由を言い訳にして船を降りず、部屋へ篭っていた。
「あの映像ってさ、どこまで映るんだろーね。映像映るとかどっから撮ってるかも分かんないしさ」
「あーでも、映ったら一躍有名人?」
「そんなことで有名になれたら手配書はいらなくね?」
副船長室から出てすぐの廊下でワカメ達とそんな事を話していたシャチが、シルビに気付くと近付いてくる。だがシルビが持っている物に気付くと首を傾げていた。
「何それ? 薬?」
「即効性の頭痛薬だよ。ちょっと要り様になるかも知れねぇからなぁ」
部屋へ篭っていた理由だったそれは小瓶へ詰めた鎮痛剤だ。もし『×××』を使う様なことがあった時、それが戦いの場であったらこれが必要になる。『×××』を使った事による副作用の頭痛は、何億年経っても慣れなくて遠慮したいものだ。
火拳のエースの処刑放送は既に始まっているだろう。普通の海賊であれば今からシャボンディ諸島を発ったところで、タライ海流へ阻まれた海軍本部へ行くのは間に合わない。
しかしそれは“普通の”という枕詞がつく船であって、一定の条件が揃えば間に合うのだ。
一定の条件。ある程度巨大で頑丈で、海流を無視して進める潜水艦と、荒ぶる海流を読める航海士が居る事。
「……トゥルーク宙域に比べりゃ問題は無ぇなぁ」
潜水艦は深海を進む事もあって水圧に負けないように頑丈である。航海士は目下勉強中でもあるベポでは当然無理だが、海よりも縦横無尽の方向から嬲られる宇宙嵐さえも掻い潜ってきたシルビなら、タライ海流と呼ばれる荒波でさえ問題は無い。
むしろシルビだからこそそこを突破しようと思えるのだ。普通であれば海軍へ行こうとする海賊がそもそも居ないし、そのタライ海流に乗って移動しようという海賊も居まい。
「船長が戻ってきたらすぐに出発できるようには?」
「なってるよ」
操舵室へ向かいながらこめかみへ手を当てる。中継映像を見に行けないので処刑場の様子はこうして『×××』を利用するしかない。
そうして知れた状況に思わず足を止めた。
「どうしたのペンギン」
シルビの異変に気付いたらしいシャチが足を止めた。まだ船長達は戻ってこないが、話しているには時間が足りない。
「……予定の時間って、まだだよなぁ?」
「? うん」
「白ひげが、麦藁少年が――もう戦争が始まってる」
「ハァ!? え、っていうかなんで分かんの!?」
船長が一緒に行ったベポ達を連れて戻ってきたのはその直後だった。
シャボンディ諸島の広場で海軍本部の処刑場の映像が中継されると聞いて、船長を筆頭にクルーが数人、その映像を見物しに船を降りていった。その映像から現場の状況を見て、ハートが出発するタイミングを探る為でもある。
シルビは買出しの時と同じ理由を言い訳にして船を降りず、部屋へ篭っていた。
「あの映像ってさ、どこまで映るんだろーね。映像映るとかどっから撮ってるかも分かんないしさ」
「あーでも、映ったら一躍有名人?」
「そんなことで有名になれたら手配書はいらなくね?」
副船長室から出てすぐの廊下でワカメ達とそんな事を話していたシャチが、シルビに気付くと近付いてくる。だがシルビが持っている物に気付くと首を傾げていた。
「何それ? 薬?」
「即効性の頭痛薬だよ。ちょっと要り様になるかも知れねぇからなぁ」
部屋へ篭っていた理由だったそれは小瓶へ詰めた鎮痛剤だ。もし『×××』を使う様なことがあった時、それが戦いの場であったらこれが必要になる。『×××』を使った事による副作用の頭痛は、何億年経っても慣れなくて遠慮したいものだ。
火拳のエースの処刑放送は既に始まっているだろう。普通の海賊であれば今からシャボンディ諸島を発ったところで、タライ海流へ阻まれた海軍本部へ行くのは間に合わない。
しかしそれは“普通の”という枕詞がつく船であって、一定の条件が揃えば間に合うのだ。
一定の条件。ある程度巨大で頑丈で、海流を無視して進める潜水艦と、荒ぶる海流を読める航海士が居る事。
「……トゥルーク宙域に比べりゃ問題は無ぇなぁ」
潜水艦は深海を進む事もあって水圧に負けないように頑丈である。航海士は目下勉強中でもあるベポでは当然無理だが、海よりも縦横無尽の方向から嬲られる宇宙嵐さえも掻い潜ってきたシルビなら、タライ海流と呼ばれる荒波でさえ問題は無い。
むしろシルビだからこそそこを突破しようと思えるのだ。普通であれば海軍へ行こうとする海賊がそもそも居ないし、そのタライ海流に乗って移動しようという海賊も居まい。
「船長が戻ってきたらすぐに出発できるようには?」
「なってるよ」
操舵室へ向かいながらこめかみへ手を当てる。中継映像を見に行けないので処刑場の様子はこうして『×××』を利用するしかない。
そうして知れた状況に思わず足を止めた。
「どうしたのペンギン」
シルビの異変に気付いたらしいシャチが足を止めた。まだ船長達は戻ってこないが、話しているには時間が足りない。
「……予定の時間って、まだだよなぁ?」
「? うん」
「白ひげが、麦藁少年が――もう戦争が始まってる」
「ハァ!? え、っていうかなんで分かんの!?」
船長が一緒に行ったベポ達を連れて戻ってきたのはその直後だった。