頂上戦争編
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シャチ視点
いきなり何かを書いて考え出したペンギンが、怒鳴ってメモしたばかりの数字を乱雑に塗り潰す。ペンを右手へ持ち直し左手をこめかみへ押し当てたかと思うと、無言で更に何かを書き連ねていった。
何語なのか全く分からないそれに、シャチだけでは無くバンダナ達も不思議そうにしている。筆圧が強いのか紙が破れても気にせず書いていく文章には、時々数字が混じっていた。
『二十三』だの『二十五』だのその数字の意味はシャチには全く分からない。やがて『二十』と『二十一』と書いたペンギンが手を止めてペンを置き、紙を手にとって見つめる。
「……母親の執念、かぁ」
「ペンちゃん?」
「となるとガープ君は隠し通した訳かぁ。それが義理なのか人情なのか分かんねぇよ。俺は絶対に同情だとは認めねぇけど……」
独り言を続けるペンギンは再びペンを手にとって何かを書いた。家計図のようなそれはしかし、名前の部分が見た事の無い言語で書かれていて全く読めない。
一番下へ書いた名前らしき一文を何重もの丸で囲って、ペンギンが深く溜息を吐いた。
「レミ少女に聞いときゃ……いや無駄だなぁ」
「レミが何?」
「レミ少女は関係ねぇよ。まぁいいやぁ。誰か船長呼んで来てくれねぇかぁ?」
目が疲れたのか眉間を揉む仕草をするペンギンに、ワカメが立ち上がって船長を呼びに行く。手持ち無沙汰な様子で新聞を手に取ったペンギンへ、バンダナが尋ねた。
「何が分かったんだい?」
「……。二十数年前、南の海で行なわれた妊婦と赤子虐殺について覚えてますか?」
シャチはまだ生まれていない。バンダナはまだ覚えているかも知れないが当時は子供だっただろうし、ペンギンだって二十年前は子供だった筈だ。
「覚えてるよ。海軍のクソッタレな行いだ」
「何の話?」
「ゴールド・ロジャーが処刑された後にね、ロジャーの子供がどこかにいるんじゃないかって話があって、海軍が南の海を中心に当時の妊婦さんや生まれたばかりの子供を調べて回ったんだよ。少しでも疑いがあると殺されたんだっけ?」
「うわぁ……」
思わず声を出せば説明してくれたイルカも同感だとばかりに肩を竦めた。いくら『海賊王の息子探し』だからって、それは横暴もいいところだ。
ペンギンは新聞の記事を見つめて何か考え込んでいる。『ポートガス・D・エース』とその二十年前の虐殺が、エースの年齢が近いこと以外に何の関係があるのかはシャチには分からない。
いや、薄々は気付いていた。
「でもペンギン。もし火拳のエースが海賊王の息子なら、年齢が合わなくない?」
ロジャーが処刑されたのは二十二年前。その時まだ母親の腹の中に居たとしても、エースだって二十一歳くらいになっていないとおかしい。
尋ねたシャチへ対し、ペンギンが静かに振り向く。ワカメに連れられて船長がやってきた。
「ルージュは、あの子を二十ヶ月も腹の中で守ってたんだぁ」
いきなり何かを書いて考え出したペンギンが、怒鳴ってメモしたばかりの数字を乱雑に塗り潰す。ペンを右手へ持ち直し左手をこめかみへ押し当てたかと思うと、無言で更に何かを書き連ねていった。
何語なのか全く分からないそれに、シャチだけでは無くバンダナ達も不思議そうにしている。筆圧が強いのか紙が破れても気にせず書いていく文章には、時々数字が混じっていた。
『二十三』だの『二十五』だのその数字の意味はシャチには全く分からない。やがて『二十』と『二十一』と書いたペンギンが手を止めてペンを置き、紙を手にとって見つめる。
「……母親の執念、かぁ」
「ペンちゃん?」
「となるとガープ君は隠し通した訳かぁ。それが義理なのか人情なのか分かんねぇよ。俺は絶対に同情だとは認めねぇけど……」
独り言を続けるペンギンは再びペンを手にとって何かを書いた。家計図のようなそれはしかし、名前の部分が見た事の無い言語で書かれていて全く読めない。
一番下へ書いた名前らしき一文を何重もの丸で囲って、ペンギンが深く溜息を吐いた。
「レミ少女に聞いときゃ……いや無駄だなぁ」
「レミが何?」
「レミ少女は関係ねぇよ。まぁいいやぁ。誰か船長呼んで来てくれねぇかぁ?」
目が疲れたのか眉間を揉む仕草をするペンギンに、ワカメが立ち上がって船長を呼びに行く。手持ち無沙汰な様子で新聞を手に取ったペンギンへ、バンダナが尋ねた。
「何が分かったんだい?」
「……。二十数年前、南の海で行なわれた妊婦と赤子虐殺について覚えてますか?」
シャチはまだ生まれていない。バンダナはまだ覚えているかも知れないが当時は子供だっただろうし、ペンギンだって二十年前は子供だった筈だ。
「覚えてるよ。海軍のクソッタレな行いだ」
「何の話?」
「ゴールド・ロジャーが処刑された後にね、ロジャーの子供がどこかにいるんじゃないかって話があって、海軍が南の海を中心に当時の妊婦さんや生まれたばかりの子供を調べて回ったんだよ。少しでも疑いがあると殺されたんだっけ?」
「うわぁ……」
思わず声を出せば説明してくれたイルカも同感だとばかりに肩を竦めた。いくら『海賊王の息子探し』だからって、それは横暴もいいところだ。
ペンギンは新聞の記事を見つめて何か考え込んでいる。『ポートガス・D・エース』とその二十年前の虐殺が、エースの年齢が近いこと以外に何の関係があるのかはシャチには分からない。
いや、薄々は気付いていた。
「でもペンギン。もし火拳のエースが海賊王の息子なら、年齢が合わなくない?」
ロジャーが処刑されたのは二十二年前。その時まだ母親の腹の中に居たとしても、エースだって二十一歳くらいになっていないとおかしい。
尋ねたシャチへ対し、ペンギンが静かに振り向く。ワカメに連れられて船長がやってきた。
「ルージュは、あの子を二十ヶ月も腹の中で守ってたんだぁ」