シャボンディ諸島編
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ロー視点
冷静さを取り戻して自分のやった事を顧みる余裕が生まれたらしいペンギンは、毎度のことながら何かに対する不安を押し隠しつつ申し訳無さそうにしている。無意識なのかどうか知らないが、ペンギンはローのことをどう思っているのか。
ペンギンが旅の薬師を自称するには過剰すぎる謎の能力と、ローには及びもつかない経験を持っていることなど既に承知済みだ。それらを今はハートの副船長として活用してくれている事も分かっている。
だからローが今回の件に関しても『怒る』ことは無い。あるとすれば。
「お前天竜人に襲いかかろうとしただろ」
「……あー、はい」
「あの顔面崩壊野郎共に苛つくのも分かるが、自分から問題を起こそうとしてんじゃねェよ。それだけだ」
「はい。船長」
ペンギンは一応怒られているというのに少しだけ嬉しそうにしていた。追求されなかったことが嬉しいのかどうかは良く分からない。
ただあまり追求されたくないのだろう事も分かっているので、ローはペンギンが話すのを待つつもりだった。
ローにだって誰にも言いたくない事や簡単に言えないことはある。
反省会は終わりだと使った消毒液を棚へ戻す為に立ち上がろうとすると、服を掴まれた。振り返ればニッコリと笑顔を浮かべるペンギン。防寒帽のせいで見えないが、多分目は笑っていない。
「俺の話は終ったようですので、次は貴方の話をさせていただいても?」
「……ちょっと待て。俺は何もしてねえだろ!?」
「どの口でそんな事を。俺はちゃんと貴方がX・ドレークやユースタスへ失礼な言動をした事を覚えてんですがねぇ?」
「そうかそれは幻覚か思い違いだ。服が伸びるだろうが放せせめて消毒薬を片付けさせろ」
ペンギンが指を鳴らすと持っていた消毒薬が消え、戸棚の方でコトンと音がした。見れば持っていた筈の消毒薬が戸棚の中へちゃんと鎮座している。
海へも飛び込める能力者でもない筈のペンギンの、こういう所はもしかしたら追求するべきなんだろうかと現実逃避をしかけたが、当のペンギンがそれを許してくれなかった。
「座りなさい」
「……ペンギン。オレは船長だよな?」
「そうですね。どうしようもないほど手の掛かる船長ですね。座れぇ」
「オレに命令……」
「命令されるのがお好みでしたらそうしますが? トラファルガー」
いつの間にかペンギンがハリセンを構えている。苗字で呼ばれる時は本気だ。
「大丈夫です正座はさせませんから足が痺れる事は無ぇでしょう。気を楽にしてください」
「それオレのセリフ……」
三十分後、ワカメが呼びに来たお陰で説教は短くて済んだ。
冷静さを取り戻して自分のやった事を顧みる余裕が生まれたらしいペンギンは、毎度のことながら何かに対する不安を押し隠しつつ申し訳無さそうにしている。無意識なのかどうか知らないが、ペンギンはローのことをどう思っているのか。
ペンギンが旅の薬師を自称するには過剰すぎる謎の能力と、ローには及びもつかない経験を持っていることなど既に承知済みだ。それらを今はハートの副船長として活用してくれている事も分かっている。
だからローが今回の件に関しても『怒る』ことは無い。あるとすれば。
「お前天竜人に襲いかかろうとしただろ」
「……あー、はい」
「あの顔面崩壊野郎共に苛つくのも分かるが、自分から問題を起こそうとしてんじゃねェよ。それだけだ」
「はい。船長」
ペンギンは一応怒られているというのに少しだけ嬉しそうにしていた。追求されなかったことが嬉しいのかどうかは良く分からない。
ただあまり追求されたくないのだろう事も分かっているので、ローはペンギンが話すのを待つつもりだった。
ローにだって誰にも言いたくない事や簡単に言えないことはある。
反省会は終わりだと使った消毒液を棚へ戻す為に立ち上がろうとすると、服を掴まれた。振り返ればニッコリと笑顔を浮かべるペンギン。防寒帽のせいで見えないが、多分目は笑っていない。
「俺の話は終ったようですので、次は貴方の話をさせていただいても?」
「……ちょっと待て。俺は何もしてねえだろ!?」
「どの口でそんな事を。俺はちゃんと貴方がX・ドレークやユースタスへ失礼な言動をした事を覚えてんですがねぇ?」
「そうかそれは幻覚か思い違いだ。服が伸びるだろうが放せせめて消毒薬を片付けさせろ」
ペンギンが指を鳴らすと持っていた消毒薬が消え、戸棚の方でコトンと音がした。見れば持っていた筈の消毒薬が戸棚の中へちゃんと鎮座している。
海へも飛び込める能力者でもない筈のペンギンの、こういう所はもしかしたら追求するべきなんだろうかと現実逃避をしかけたが、当のペンギンがそれを許してくれなかった。
「座りなさい」
「……ペンギン。オレは船長だよな?」
「そうですね。どうしようもないほど手の掛かる船長ですね。座れぇ」
「オレに命令……」
「命令されるのがお好みでしたらそうしますが? トラファルガー」
いつの間にかペンギンがハリセンを構えている。苗字で呼ばれる時は本気だ。
「大丈夫です正座はさせませんから足が痺れる事は無ぇでしょう。気を楽にしてください」
「それオレのセリフ……」
三十分後、ワカメが呼びに来たお陰で説教は短くて済んだ。