シャボンディ諸島編
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ロー視点
ジャンバールに投げ上げられて頭上高く吹き飛ばされたペンギンが、いつの間にか両腰に長方形の筐体を提げて落下してくる。その両手が腰の筐体から何かを引き抜いたかと思うと、身体を回転させながらバーソロミュー・クマの片腕を切断した。
それに驚いたのはローだけでは無かったが、ペンギンはそんな観客の動揺も気にせず腰の機械から発射させたワイヤーの先をクマの身体へ引っ掛け、そこを支点に半円状に移動しながら今度はクマの片足を切断して膝を突かせる。
いつにも増して奇抜な戦い方だし、いつの間にそんな筐体を身に着けたのかも分からないし、ローやユースタス屋が苦戦した相手をそう簡単に膝を突かせるなと思うが、多分それら全てが今更なのだろう。
今まで『謀反はしてこない』と信頼して何も聞かずにいたが、絶対にアイツはただの『元、旅の薬師』ではない。唖然とした表情でユースタス屋やその仲間だけでは無く、シャチ達や海兵どもまでペンギンの動きを見つめている。
きっとローも人が見れば同じ様な顔をしているのだろう。冷静に考えられる気がしているのは、ペンギンの奇抜な言動に少なからず耐性がついているからだ。
クマの体から回収したワイヤーを近くの樹へ引っ掛け直し、再び飛び上がったかと思うとクマの胴体部分を目掛けて、勢いをつけて回転しつつ落下する。歪な音を立てて胴体部分へ大穴を開けたペンギンが、クマの活動停止を確認してローの傍へと戻ってきた。
その時には既に腰へ提げられていた筐体は無くなっている。普段のハリセンといい、一体どうなっているのか。
「爆破されたら困るんで行きましょう」
「……色々突っ込みどころがある気がするのはオレだけか」
「ええ。貴方だけです。……それとも、俺を降ろしますか?」
ずれた防寒帽の角度を直しながら聞いてくるペンギンの目に、時々押し隠される不安が見えた気がした。たまにそうしてローを『試してくる』ペンギンに、ローは今日も『信頼』するだけに留める。
「行くぞ。船に戻ればオレ達の勝ちも同然だ」
「ア、アイアイキャプテン!」
「ペンギン今スッゲー! どうやったんだよ!?」
「ジャンバールもありがとう。一人であの高さまで行くのはちょっと面倒なんだぁ」
「あ、ああ……」
シャチとベポはローが気にしない態度をしているからか、あまり深く考えていないのか既に動じていなかった。それとも『ペンギンはそういうモノ』だと思っているのかもしれない。
ぎこちない驚愕の目でペンギンを見ているジャンバールの反応が、逆に新鮮に思えた。
ジャンバールに投げ上げられて頭上高く吹き飛ばされたペンギンが、いつの間にか両腰に長方形の筐体を提げて落下してくる。その両手が腰の筐体から何かを引き抜いたかと思うと、身体を回転させながらバーソロミュー・クマの片腕を切断した。
それに驚いたのはローだけでは無かったが、ペンギンはそんな観客の動揺も気にせず腰の機械から発射させたワイヤーの先をクマの身体へ引っ掛け、そこを支点に半円状に移動しながら今度はクマの片足を切断して膝を突かせる。
いつにも増して奇抜な戦い方だし、いつの間にそんな筐体を身に着けたのかも分からないし、ローやユースタス屋が苦戦した相手をそう簡単に膝を突かせるなと思うが、多分それら全てが今更なのだろう。
今まで『謀反はしてこない』と信頼して何も聞かずにいたが、絶対にアイツはただの『元、旅の薬師』ではない。唖然とした表情でユースタス屋やその仲間だけでは無く、シャチ達や海兵どもまでペンギンの動きを見つめている。
きっとローも人が見れば同じ様な顔をしているのだろう。冷静に考えられる気がしているのは、ペンギンの奇抜な言動に少なからず耐性がついているからだ。
クマの体から回収したワイヤーを近くの樹へ引っ掛け直し、再び飛び上がったかと思うとクマの胴体部分を目掛けて、勢いをつけて回転しつつ落下する。歪な音を立てて胴体部分へ大穴を開けたペンギンが、クマの活動停止を確認してローの傍へと戻ってきた。
その時には既に腰へ提げられていた筐体は無くなっている。普段のハリセンといい、一体どうなっているのか。
「爆破されたら困るんで行きましょう」
「……色々突っ込みどころがある気がするのはオレだけか」
「ええ。貴方だけです。……それとも、俺を降ろしますか?」
ずれた防寒帽の角度を直しながら聞いてくるペンギンの目に、時々押し隠される不安が見えた気がした。たまにそうしてローを『試してくる』ペンギンに、ローは今日も『信頼』するだけに留める。
「行くぞ。船に戻ればオレ達の勝ちも同然だ」
「ア、アイアイキャプテン!」
「ペンギン今スッゲー! どうやったんだよ!?」
「ジャンバールもありがとう。一人であの高さまで行くのはちょっと面倒なんだぁ」
「あ、ああ……」
シャチとベポはローが気にしない態度をしているからか、あまり深く考えていないのか既に動じていなかった。それとも『ペンギンはそういうモノ』だと思っているのかもしれない。
ぎこちない驚愕の目でペンギンを見ているジャンバールの反応が、逆に新鮮に思えた。