原作前日常編2
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夢主視点
昼間獲った海王類やマグロを使った夕食は宴と化し、とりあえず肉類に関しての食糧危機も回避したので良しとする。
酔っ払ってそのまま寝たクルーの後始末も終え、シルビが自室扱いになっている副船長室へ戻ってくると、そう間を置かずに扉が叩かれた。
「ペンギン、起きてる?」
「どうしたぁ? ベポ」
宴の途中で眠くなったからと船室へ戻っていったはずのベポが、扉の隙間から窺うようにシルビを見る。何かあったのだろうかと部屋へ入る許可を与えれば、ベポが勢いよく抱き付いてきた。
怖い夢でも見たのかと思ったが、それならベポはシルビではなくローの元へ行くはずだ。飴と鞭の比率がそのままローとシルビになっているのが少し気に食わないが、今のところはバランスが取れているので文句は言わない。
ギュウギュウと甘えるようにしがみ付いてくるベポの背中を撫で、好きなようにさせていれば暫くすると満足そうに身を離した。
「満足したかぁ?」
「うん」
図体だけでかくなっても、こういうところはまだ子供である。シロクマの年齢の数え方など知らないが。
「えへへ。実は昼間釣りしてた時から、ずっとペンギンに甘えたいなーって思ってたんだ」
「……そっか、ベポはシロクマだもんなぁ」
言われて気付いたが、ベポはシロクマのミンクだ。種族的に人間よりシルビのもつ『動植物に好かれやすい』性質に釣られやすく、しかも海王類を獲る為にあえてその性質を駆使していたから、影響が出ていたのだろう。
人と一緒に過ごしていて理性が通常より発達している分、今まで我慢できていたのだろうが。
「辛くはなかったかぁ?」
「? ううん。でも、今日は一緒に寝ていい?」
少し恥ずかしげに申し出るベポの頭を撫でる。本当はもう少し起きていて本を読むつもりだったが、ベポの願いを優先することにした。
机の上に開いていた本に栞を挟んで閉じて、ベポと一緒に寝台へ潜り込む。もう随分と大きくなってしまったから、もう少し経てば完全に一緒の寝台で眠るなんてことは出来なくなりそうだ。
そうしたらそうしたで、シルビはベポが頼んできたら床で寝てやるのだろうが。
出来るだけ身体を丸めて小さくして、シルビに擦り寄ってくるベポの頭を撫でる。おそらく昼間の騒ぎの影響は一晩寝れば落ち着くだろう。
ただ、ベポに影響が出るなら今後この手は使わないほうが良いかもしれない。
「ごめんなぁ」
「オレ怒ってないよ?」
「そっか。でも謝っておくよ」
「? おやすみ」
元から眠かったのかすんなり寝入ったベポに、シルビはちょっとだけ自暴自棄になった自分を反省した。
昼間獲った海王類やマグロを使った夕食は宴と化し、とりあえず肉類に関しての食糧危機も回避したので良しとする。
酔っ払ってそのまま寝たクルーの後始末も終え、シルビが自室扱いになっている副船長室へ戻ってくると、そう間を置かずに扉が叩かれた。
「ペンギン、起きてる?」
「どうしたぁ? ベポ」
宴の途中で眠くなったからと船室へ戻っていったはずのベポが、扉の隙間から窺うようにシルビを見る。何かあったのだろうかと部屋へ入る許可を与えれば、ベポが勢いよく抱き付いてきた。
怖い夢でも見たのかと思ったが、それならベポはシルビではなくローの元へ行くはずだ。飴と鞭の比率がそのままローとシルビになっているのが少し気に食わないが、今のところはバランスが取れているので文句は言わない。
ギュウギュウと甘えるようにしがみ付いてくるベポの背中を撫で、好きなようにさせていれば暫くすると満足そうに身を離した。
「満足したかぁ?」
「うん」
図体だけでかくなっても、こういうところはまだ子供である。シロクマの年齢の数え方など知らないが。
「えへへ。実は昼間釣りしてた時から、ずっとペンギンに甘えたいなーって思ってたんだ」
「……そっか、ベポはシロクマだもんなぁ」
言われて気付いたが、ベポはシロクマのミンクだ。種族的に人間よりシルビのもつ『動植物に好かれやすい』性質に釣られやすく、しかも海王類を獲る為にあえてその性質を駆使していたから、影響が出ていたのだろう。
人と一緒に過ごしていて理性が通常より発達している分、今まで我慢できていたのだろうが。
「辛くはなかったかぁ?」
「? ううん。でも、今日は一緒に寝ていい?」
少し恥ずかしげに申し出るベポの頭を撫でる。本当はもう少し起きていて本を読むつもりだったが、ベポの願いを優先することにした。
机の上に開いていた本に栞を挟んで閉じて、ベポと一緒に寝台へ潜り込む。もう随分と大きくなってしまったから、もう少し経てば完全に一緒の寝台で眠るなんてことは出来なくなりそうだ。
そうしたらそうしたで、シルビはベポが頼んできたら床で寝てやるのだろうが。
出来るだけ身体を丸めて小さくして、シルビに擦り寄ってくるベポの頭を撫でる。おそらく昼間の騒ぎの影響は一晩寝れば落ち着くだろう。
ただ、ベポに影響が出るなら今後この手は使わないほうが良いかもしれない。
「ごめんなぁ」
「オレ怒ってないよ?」
「そっか。でも謝っておくよ」
「? おやすみ」
元から眠かったのかすんなり寝入ったベポに、シルビはちょっとだけ自暴自棄になった自分を反省した。