原作前日常編
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ロー視点
「尋問じゃ仕方ないよね?」
「しかたない!」
「姉と妹のこと、ありがとうございました」
三者三様、というには末っ子と母親が似ているが一応感謝されているのだと判断し、海軍が来る前に逃げる事にする。話している間に出港の準備も終わっただろうし、ワカメとシャチが先に行ったので他のクルー達にも話が通る筈だ。
船へ戻れば操舵室へ話が伝わったのか船が動き出す。少ししたら潜ってしまえば海軍の追っ手に怯える必要も無いだろう。
甲板の手摺りから遠くなる島を眺めていれば、隣で同じ様に島を眺めていたペンギンが溜息を吐いた。
「人騒がせな島でしたねぇ。当分手術もしたくねぇなぁ」
「人騒がせで済ませるか」
「行きずりな俺達がそれ以外に何を言えるんです。まぁ、クルーの誰も感染症とかになってねぇので良かったとは言えますが」
「精神ダメージは尋常じゃない」
「船長の?」
「お前のだ」
ペンギンが振り返る。
「一回失敗した程度ならお前は挽回出来るんだからもう少し余裕を持て。捕まってるオレにフォローさせんな」
潮風に飛びそうになった帽子を押さえてペンギンを見れば、ペンギンは何かを言いかけて俯いた。バレていると思っていなかったのか、自分で気付いていなかったのかはその気配からは分からない。
再び顔を上げた時にはもう、言おうとした言葉は飲み込んだようだった。
「じゃあ軽々しく捕まらねぇでください。自分の失敗でいっぱいいっぱいな時に貴方のフォローまで出来ません」
「フォローしてこその副船長だろ。信頼してるんだ、我慢しろ」
言葉を詰まらせるペンギンに勝ったと思うその向こうに、海軍の軍艦が見える。見えているという事は向こうからもこちらが見えている可能性がある訳で、そろそろ潜るかと船内へ向かって歩き出す。
その後ろを付いてくるペンギンが、最後にと出港したばかりの島を振り返った。
血の匂いはもうしていない。慣れてしまって鼻が馬鹿になっている可能性もあるが、島を離れたからだろう。
「次に貴方が何かに招待された時は、絶対に一緒に行きます」
「海賊が招待されるようなことがそうそうあるかよ」
「でも一緒に居た方が安心するので」
振り返った先でペンギンがしてやったりという顔で笑っていた。やり返すのはいいがタイミングと言葉を選べと怒鳴っても、きっとローは許される。
「……その時は全員で行けばいいだろ」
「一人で行ったら、帰ってきた後に正座させますから。手錠で繋がれたりしたらハリセンもつけます」
「怖い副船長だ。無いから安心しろ」
「尋問じゃ仕方ないよね?」
「しかたない!」
「姉と妹のこと、ありがとうございました」
三者三様、というには末っ子と母親が似ているが一応感謝されているのだと判断し、海軍が来る前に逃げる事にする。話している間に出港の準備も終わっただろうし、ワカメとシャチが先に行ったので他のクルー達にも話が通る筈だ。
船へ戻れば操舵室へ話が伝わったのか船が動き出す。少ししたら潜ってしまえば海軍の追っ手に怯える必要も無いだろう。
甲板の手摺りから遠くなる島を眺めていれば、隣で同じ様に島を眺めていたペンギンが溜息を吐いた。
「人騒がせな島でしたねぇ。当分手術もしたくねぇなぁ」
「人騒がせで済ませるか」
「行きずりな俺達がそれ以外に何を言えるんです。まぁ、クルーの誰も感染症とかになってねぇので良かったとは言えますが」
「精神ダメージは尋常じゃない」
「船長の?」
「お前のだ」
ペンギンが振り返る。
「一回失敗した程度ならお前は挽回出来るんだからもう少し余裕を持て。捕まってるオレにフォローさせんな」
潮風に飛びそうになった帽子を押さえてペンギンを見れば、ペンギンは何かを言いかけて俯いた。バレていると思っていなかったのか、自分で気付いていなかったのかはその気配からは分からない。
再び顔を上げた時にはもう、言おうとした言葉は飲み込んだようだった。
「じゃあ軽々しく捕まらねぇでください。自分の失敗でいっぱいいっぱいな時に貴方のフォローまで出来ません」
「フォローしてこその副船長だろ。信頼してるんだ、我慢しろ」
言葉を詰まらせるペンギンに勝ったと思うその向こうに、海軍の軍艦が見える。見えているという事は向こうからもこちらが見えている可能性がある訳で、そろそろ潜るかと船内へ向かって歩き出す。
その後ろを付いてくるペンギンが、最後にと出港したばかりの島を振り返った。
血の匂いはもうしていない。慣れてしまって鼻が馬鹿になっている可能性もあるが、島を離れたからだろう。
「次に貴方が何かに招待された時は、絶対に一緒に行きます」
「海賊が招待されるようなことがそうそうあるかよ」
「でも一緒に居た方が安心するので」
振り返った先でペンギンがしてやったりという顔で笑っていた。やり返すのはいいがタイミングと言葉を選べと怒鳴っても、きっとローは許される。
「……その時は全員で行けばいいだろ」
「一人で行ったら、帰ってきた後に正座させますから。手錠で繋がれたりしたらハリセンもつけます」
「怖い副船長だ。無いから安心しろ」