原作前日常編
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ロー視点
能力の膜を展開すると殆ど同時に、女の頭上を飛び越えてきた防寒帽とペンギンを『入れ替える』
空中に唐突に現れることになったペンギンが天井を蹴って体勢を整え、危なげなくローの隣へ着地するのに女や使用人達が驚いてコチラを見る。
「お好きにどうぞ。コニー、目を瞑って」
握られていたズボンが更に少し引っ張られる感覚に、ローは下を見る事も隣を確認することもせずに能力を展開させた。バラバラになる女と使用人達の身体。自分の身に起こった事が理解出来ずに悲鳴を上げる。
悲鳴と耐え切れずに気絶する声と、バラバラになった身体をかき集めようとする者とで阿鼻叫喚な光景が出来上がった。女領主など自身の身体が目の前で転がっている事に愕然としすぎてか悲鳴も無い。本当はもっと凄惨な姿にしてしまってもよかったのだが、クルー達の事を考えると簡単に殺してしまうのは惜しかった。
とりあえずはこれで追われる心配も襲われる心配も無いと息を吐くと、隣から帽子を差し出される。
「シャチ達は既に脱出させて船へ」
「よくやった」
やはり先に逃がしたかと思いつつ帽子を受け取ろうと手を伸ばすと、手首を捕まれた。何してんだと振り向けば顔へ手が添えられる。
「一応聞きますけど、どこまでやられました?」
「お前それはやっぱり『知ってた』と思っていいんだな?」
防寒帽を被っていない紫の目を見て言えば、少しだけ申し訳無さそうに視線が逸らされた。
「……知っていた、というよりは推測できた、と言うべきでしょう。若い女の生き血を貯めた風呂へ入ることで老いを知らねぇ美貌を得るという話は、別に珍しくはありません」
「ついでにそういう奴が色キチガイだってことも。だろ」
「だから出来るだけ早くとも言ったでしょう。一応貴方の貞操も心配しましたが」
「んな心配するくらいなら最初から言っていけ! こっちは好みでもねェ全裸の年増に跨がれるハメになったんだぞ!」
「跨がれただけならいいでしょう。キスとかもしてねぇですね?」
「してたらどうすんだ」
「性病感染の心配をします」
「ねえ、まだ目開けちゃダメ?」
足にしがみ付いたまま両手で目を塞いでいたコニーの声に言い合いを止める。ペンギンと顔を見合わせるとペンギンが肩を竦めて持っていた小銃を小脇へ抱え、ローの足にしがみ付いているコニーへと手を伸ばして抱き上げた。
「外に行くから、もう少し我慢してろよぉ」
外へ行くにはバラバラになって人の姿をしていない集団の中を歩いていかねばならない。だから抱き上げたのだろう。
途中で『入れ替える』のに使った防寒帽を回収し、屋敷を出る。松明かランプかいくつもの明かりが屋敷へ向かって来ているのが見えた。
能力の膜を展開すると殆ど同時に、女の頭上を飛び越えてきた防寒帽とペンギンを『入れ替える』
空中に唐突に現れることになったペンギンが天井を蹴って体勢を整え、危なげなくローの隣へ着地するのに女や使用人達が驚いてコチラを見る。
「お好きにどうぞ。コニー、目を瞑って」
握られていたズボンが更に少し引っ張られる感覚に、ローは下を見る事も隣を確認することもせずに能力を展開させた。バラバラになる女と使用人達の身体。自分の身に起こった事が理解出来ずに悲鳴を上げる。
悲鳴と耐え切れずに気絶する声と、バラバラになった身体をかき集めようとする者とで阿鼻叫喚な光景が出来上がった。女領主など自身の身体が目の前で転がっている事に愕然としすぎてか悲鳴も無い。本当はもっと凄惨な姿にしてしまってもよかったのだが、クルー達の事を考えると簡単に殺してしまうのは惜しかった。
とりあえずはこれで追われる心配も襲われる心配も無いと息を吐くと、隣から帽子を差し出される。
「シャチ達は既に脱出させて船へ」
「よくやった」
やはり先に逃がしたかと思いつつ帽子を受け取ろうと手を伸ばすと、手首を捕まれた。何してんだと振り向けば顔へ手が添えられる。
「一応聞きますけど、どこまでやられました?」
「お前それはやっぱり『知ってた』と思っていいんだな?」
防寒帽を被っていない紫の目を見て言えば、少しだけ申し訳無さそうに視線が逸らされた。
「……知っていた、というよりは推測できた、と言うべきでしょう。若い女の生き血を貯めた風呂へ入ることで老いを知らねぇ美貌を得るという話は、別に珍しくはありません」
「ついでにそういう奴が色キチガイだってことも。だろ」
「だから出来るだけ早くとも言ったでしょう。一応貴方の貞操も心配しましたが」
「んな心配するくらいなら最初から言っていけ! こっちは好みでもねェ全裸の年増に跨がれるハメになったんだぞ!」
「跨がれただけならいいでしょう。キスとかもしてねぇですね?」
「してたらどうすんだ」
「性病感染の心配をします」
「ねえ、まだ目開けちゃダメ?」
足にしがみ付いたまま両手で目を塞いでいたコニーの声に言い合いを止める。ペンギンと顔を見合わせるとペンギンが肩を竦めて持っていた小銃を小脇へ抱え、ローの足にしがみ付いているコニーへと手を伸ばして抱き上げた。
「外に行くから、もう少し我慢してろよぉ」
外へ行くにはバラバラになって人の姿をしていない集団の中を歩いていかねばならない。だから抱き上げたのだろう。
途中で『入れ替える』のに使った防寒帽を回収し、屋敷を出る。松明かランプかいくつもの明かりが屋敷へ向かって来ているのが見えた。