【瑞獣】
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閻魔視点
「ご機嫌久しく閻魔大王。貴方の部下である鬼灯補佐官は何処に居られますか。先日依頼された薬が出来たので持って来た次第です」
裁判の休憩中にやってきた白澤君は、そう言って持っていた紙袋をかざす。人の食えない笑みを浮かべる彼は瑞獣である『白澤』なのだけれど、何か事情があるらしく昔から少し狂っていた。
初めて出会った時はそれでもまだ自分が吉兆の印であるという態度を作っていたが、それなりに親しくなるとそれも辞めてしまう。
「久しぶりだね白澤君。最近どう?」
「相変わらずですよ。自分が吉兆の印だって事を思い出すと吐き気がする。なんでこんな生き物が居るんでしょうね。不思議でならねぇ」
「君は色々知ってるんでしょ。自分の事は分からないの?」
「俺はどうしようもない『化け物』です。貴方もご存知でしょう?」
「いやいや知らないよ!?」
「ふふふ、大王は冗談が上手くていらっしゃる」
書類を運んできた獄卒が鬼灯君の居場所を白澤君へ教えた。地獄の見回りに行っていると聞いて白澤君は曖昧な相槌を打ってから礼を言い、丁寧に別れの挨拶を告げて去っていく。
きっとあのまま地獄に会いに行くのだろう。本当は獄卒や関係者以外立ち入り禁止の場所でも、白澤君は気にしない。
閻魔だけではなくお香さんや鬼灯君が注意しても、白澤君は聞いてくれなかった。
『あの子は少し疲れておるだけよ。気になるのならよくよく話しかけてあげればよい』
どうしてだか白澤君と仲の良いイザナミ様が以前、そう言っていたのを覚えている。その場に居た白澤君は、自分の事を言われているにも関わらず他人事のように笑っていた。
『酷でぇなぁイザナミ。俺は疲れてなんかいねぇ』
『そうして自分を騙しておるだけじゃ。一度は見出した可能性をどうしたものやら』
『可能性はまだあるだろぉ? お前が俺と話してるのはそういうことだろぉ?』
イザナミ様は否定も肯定もせず、白澤君も最後には笑っていなかったその時。
閻魔はその言葉の意味を知らない。
見回りに行っていた鬼灯君が戻ってくる。その手には白澤君が持っていた紙袋があったので、ちゃんと会えたのだろう。携帯で連絡を取ったのかもしれない。ただ機嫌は休憩へ入る前よりも良く無さそうだった。
怒っている訳ではないけれど、白澤君に会った後は大抵そうだ。
「おかえり。白澤君には会えたんだね」
「……ええ。ところでサボっては居なかったでしょうね?」
「ご機嫌久しく閻魔大王。貴方の部下である鬼灯補佐官は何処に居られますか。先日依頼された薬が出来たので持って来た次第です」
裁判の休憩中にやってきた白澤君は、そう言って持っていた紙袋をかざす。人の食えない笑みを浮かべる彼は瑞獣である『白澤』なのだけれど、何か事情があるらしく昔から少し狂っていた。
初めて出会った時はそれでもまだ自分が吉兆の印であるという態度を作っていたが、それなりに親しくなるとそれも辞めてしまう。
「久しぶりだね白澤君。最近どう?」
「相変わらずですよ。自分が吉兆の印だって事を思い出すと吐き気がする。なんでこんな生き物が居るんでしょうね。不思議でならねぇ」
「君は色々知ってるんでしょ。自分の事は分からないの?」
「俺はどうしようもない『化け物』です。貴方もご存知でしょう?」
「いやいや知らないよ!?」
「ふふふ、大王は冗談が上手くていらっしゃる」
書類を運んできた獄卒が鬼灯君の居場所を白澤君へ教えた。地獄の見回りに行っていると聞いて白澤君は曖昧な相槌を打ってから礼を言い、丁寧に別れの挨拶を告げて去っていく。
きっとあのまま地獄に会いに行くのだろう。本当は獄卒や関係者以外立ち入り禁止の場所でも、白澤君は気にしない。
閻魔だけではなくお香さんや鬼灯君が注意しても、白澤君は聞いてくれなかった。
『あの子は少し疲れておるだけよ。気になるのならよくよく話しかけてあげればよい』
どうしてだか白澤君と仲の良いイザナミ様が以前、そう言っていたのを覚えている。その場に居た白澤君は、自分の事を言われているにも関わらず他人事のように笑っていた。
『酷でぇなぁイザナミ。俺は疲れてなんかいねぇ』
『そうして自分を騙しておるだけじゃ。一度は見出した可能性をどうしたものやら』
『可能性はまだあるだろぉ? お前が俺と話してるのはそういうことだろぉ?』
イザナミ様は否定も肯定もせず、白澤君も最後には笑っていなかったその時。
閻魔はその言葉の意味を知らない。
見回りに行っていた鬼灯君が戻ってくる。その手には白澤君が持っていた紙袋があったので、ちゃんと会えたのだろう。携帯で連絡を取ったのかもしれない。ただ機嫌は休憩へ入る前よりも良く無さそうだった。
怒っている訳ではないけれど、白澤君に会った後は大抵そうだ。
「おかえり。白澤君には会えたんだね」
「……ええ。ところでサボっては居なかったでしょうね?」