ヴェロニカの嵐
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
久しぶりの熟睡だ、と完成した寝床へ喜ぶ生徒達から一人外へ行って寝ようとしたところ、ファビエンヌに止められて出来なかった。これはもうこの惑星へ居る間はまともに寝られないと考えた方がいいと、リィが運んできた倒木での食器作りをしながら悟る。
寝不足でも人は死ぬんだぞと言いたいとこだが、三日くらいでは流石に死なない上に熟睡ではないものの眠れているので死にはしない。眼の下へ隈が出来る程度だ。
狩りの為に獣の足跡を探しに行っていたリィは皿が出来上がる頃に戻ってきた。シルビへ向けて持ち帰ってきた長い枝を投げ渡す。
「削ってくれないか」
「槍? 穂先は?」
「削るだけでいい」
自分で削らないのは火傷のせいで片手が不自由だからだろう。シルビが削るのを眺めているリィを見て、ジェームズが不安そうな顔をしていた。
「まさかと思うけど……これで狩りをする気か?」
実力の差である。シルビはリィがどの程度の狩人か知らないが、こんなにも人に思えない存在相手にはもう何も言うつもりは無い。それほどにリィは玄人であると分かる。
しかしジェームズのような素人は、それすら分からない。そうでなくともリィは怪我人であると言う認識もあるから尚更。
二人の話を聞いているとまるで子供と大人だ。
翌朝になって、人が動く気配に気付いてシルビが起きあがるとリィが出発する前だった。昨日の夜は付いていくと意気込んでいたジェームズも、他の生徒もまだ熟睡している。
「行くのかぁ?」
「ああ。シルビも行くか?」
「……行ったほうがいいなら行くけど、俺はあんまり狩りには自信無ぇ」
リィに比べたら、だが。シェラと比べたらどうなのかは分からない。
「無理はするなよぉ」
「してないさ」
「……その脚でかぁ」
シェラがコチラに注意を払っていない事を確認して言えば、リィは驚いた後苦笑する。
「気付いてたか」
「多分シェラも気付いてはいねぇ。だから隙を見て治す事も出来るといえば出来るんだろうけど……」
「治さなくていい。まだ大丈夫だ」
陽が昇ってしまうからと森へ出かけたリィを見送り、シルビはどうしたものかと思った。
リィがジェームズを助ける為に崖から落ちた際、背中だけではなく足も痛めていることに気付いているのは、リィ本人を除けばシルビだけだろう。ただの打撲だと思っているので無理に他へ知らせて不安がらせるのもどうかと黙っているが、リィは他の生徒達の面倒も見なければいけないからか、なかなか休む事が出来ない。
そうでなくとも無理をしているのではと思う。
寝不足でも人は死ぬんだぞと言いたいとこだが、三日くらいでは流石に死なない上に熟睡ではないものの眠れているので死にはしない。眼の下へ隈が出来る程度だ。
狩りの為に獣の足跡を探しに行っていたリィは皿が出来上がる頃に戻ってきた。シルビへ向けて持ち帰ってきた長い枝を投げ渡す。
「削ってくれないか」
「槍? 穂先は?」
「削るだけでいい」
自分で削らないのは火傷のせいで片手が不自由だからだろう。シルビが削るのを眺めているリィを見て、ジェームズが不安そうな顔をしていた。
「まさかと思うけど……これで狩りをする気か?」
実力の差である。シルビはリィがどの程度の狩人か知らないが、こんなにも人に思えない存在相手にはもう何も言うつもりは無い。それほどにリィは玄人であると分かる。
しかしジェームズのような素人は、それすら分からない。そうでなくともリィは怪我人であると言う認識もあるから尚更。
二人の話を聞いているとまるで子供と大人だ。
翌朝になって、人が動く気配に気付いてシルビが起きあがるとリィが出発する前だった。昨日の夜は付いていくと意気込んでいたジェームズも、他の生徒もまだ熟睡している。
「行くのかぁ?」
「ああ。シルビも行くか?」
「……行ったほうがいいなら行くけど、俺はあんまり狩りには自信無ぇ」
リィに比べたら、だが。シェラと比べたらどうなのかは分からない。
「無理はするなよぉ」
「してないさ」
「……その脚でかぁ」
シェラがコチラに注意を払っていない事を確認して言えば、リィは驚いた後苦笑する。
「気付いてたか」
「多分シェラも気付いてはいねぇ。だから隙を見て治す事も出来るといえば出来るんだろうけど……」
「治さなくていい。まだ大丈夫だ」
陽が昇ってしまうからと森へ出かけたリィを見送り、シルビはどうしたものかと思った。
リィがジェームズを助ける為に崖から落ちた際、背中だけではなく足も痛めていることに気付いているのは、リィ本人を除けばシルビだけだろう。ただの打撲だと思っているので無理に他へ知らせて不安がらせるのもどうかと黙っているが、リィは他の生徒達の面倒も見なければいけないからか、なかなか休む事が出来ない。
そうでなくとも無理をしているのではと思う。