ヴェロニカの嵐
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
集めてきた木の実へ塩を掛けたものへ感動している傍で、シルビはシェラとリィへ許可を貰って岩塩を削り、チャックから返してもらったカプセルに収めた。
シルビが持っていた塩はチャックへ全て譲渡である。だがチャックも分かっているので、圧倒的に少ない塩を更に分割して使っていくつもりらしい。
女子とシェラが小屋の掃除に取り掛かり、男子とリィが斧を持って森へと入り薪を集める。
シルビも薪集めに参加するつもりだったが、リィに言われて湖への階段を修理へ向かった。とはいえ水場付近に木の枠などをつけた階段など、湿気で腐るしかない邪魔者だ。木枠を取り外して段差を整えるくらいしかない。
一番下の丸太から始めるかと最下層へと向かい、ふと湖を覗き込む。水面へ映る空が波紋によって多少歪んでいた。その中に際立つ青を見つけて空を見上げれば、青い蝶が飛んでいる。
「……大丈夫です。まだ絶望も何もしてませんから」
蝶はひらひらと羽を羽ばたかせ、崖の上へと飛んでいった。それを見送ってからシルビは丸太へと手を掛ける。
数時間も経つと枯れ木を集め終えたリィ達が手伝いに来た。一人でも半日あれば余裕で終わらせる事の出来る作業だが、やはり人手があると違う。
粗方丸太を取り除き終えた階段で、リィがシルビと同じ事を考えて疑問に思っている。
「どう思う」
「ん? ……あー、此処に住んでた奴は、そこまで知識を持ってなかったとかぁ?」
「これだけ自給自足な生活をしておきながら?」
「住んでた期間によるし、実際に経験しねぇと分からねぇこともあるだろぉ?」
腐った丸太には、あまり踏んだ形跡が無かった。腐って柔らかくなっているからこそ出来るだろうその跡が無いという事は、住んでいた人物は丸太が腐るまではここには居なかったと言うことか。
階段の修繕が終わるとリィ達が集めてきた枯れ枝を切り分ける作業。それが終われば今度はシェラと男子達と一緒に、湖の傍で石刃作りだ。
皆にとって『刃物』とは、既に加工されて持ち手もある包丁や鋏である。この数日でシェラやシルビが使っているのを見ている筈なので認識は修正されているだろうが、石刃を作ろうとしているハンス達の手元を見ると甚だ不安だ。
「……指切っても縫う糸無ぇからなぁ」
「怖いこと言うなよ!」
寝台を作る為にこの場へ居ない女子の分を作りながら呟けば、フランクが怒鳴る。自分の分は既に作り終えていたが、女子の分を作り終えて時間が余ったら、予備の分も作るつもりだ。
投げナイフの方がいいかもしれない。
シルビが持っていた塩はチャックへ全て譲渡である。だがチャックも分かっているので、圧倒的に少ない塩を更に分割して使っていくつもりらしい。
女子とシェラが小屋の掃除に取り掛かり、男子とリィが斧を持って森へと入り薪を集める。
シルビも薪集めに参加するつもりだったが、リィに言われて湖への階段を修理へ向かった。とはいえ水場付近に木の枠などをつけた階段など、湿気で腐るしかない邪魔者だ。木枠を取り外して段差を整えるくらいしかない。
一番下の丸太から始めるかと最下層へと向かい、ふと湖を覗き込む。水面へ映る空が波紋によって多少歪んでいた。その中に際立つ青を見つけて空を見上げれば、青い蝶が飛んでいる。
「……大丈夫です。まだ絶望も何もしてませんから」
蝶はひらひらと羽を羽ばたかせ、崖の上へと飛んでいった。それを見送ってからシルビは丸太へと手を掛ける。
数時間も経つと枯れ木を集め終えたリィ達が手伝いに来た。一人でも半日あれば余裕で終わらせる事の出来る作業だが、やはり人手があると違う。
粗方丸太を取り除き終えた階段で、リィがシルビと同じ事を考えて疑問に思っている。
「どう思う」
「ん? ……あー、此処に住んでた奴は、そこまで知識を持ってなかったとかぁ?」
「これだけ自給自足な生活をしておきながら?」
「住んでた期間によるし、実際に経験しねぇと分からねぇこともあるだろぉ?」
腐った丸太には、あまり踏んだ形跡が無かった。腐って柔らかくなっているからこそ出来るだろうその跡が無いという事は、住んでいた人物は丸太が腐るまではここには居なかったと言うことか。
階段の修繕が終わるとリィ達が集めてきた枯れ枝を切り分ける作業。それが終われば今度はシェラと男子達と一緒に、湖の傍で石刃作りだ。
皆にとって『刃物』とは、既に加工されて持ち手もある包丁や鋏である。この数日でシェラやシルビが使っているのを見ている筈なので認識は修正されているだろうが、石刃を作ろうとしているハンス達の手元を見ると甚だ不安だ。
「……指切っても縫う糸無ぇからなぁ」
「怖いこと言うなよ!」
寝台を作る為にこの場へ居ない女子の分を作りながら呟けば、フランクが怒鳴る。自分の分は既に作り終えていたが、女子の分を作り終えて時間が余ったら、予備の分も作るつもりだ。
投げナイフの方がいいかもしれない。