ヴェロニカの嵐
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
芋はチャックの為の食料へ充てることにして、これで最低限の食糧問題が解決した。
確認していなかった小屋の中の地下蔵へリィとシェラ、それから最年長の三人が入っていくのを見て、シルビも小屋の二階や階段を確認する。階段や屋根に腐っている部分が無い事を確かめて一階へ降りると、地下蔵からリィとシェラの歓声が聞こえた。
「どうしたぁ?」
「シルビ! 塩です塩!」
「マジでかぁ!?」
思わずシルビも叫ぶ。
人間が生きていく上で水分だけではなく塩も重要だ。植物や肉を摂取しただけでは取れないミネラルを摂取するにも必要だし、食事の時の調味料としてもコレがあるだけで随分と違う。
シルビがカプセル半分以下とは言え塩を常備しているのは前者の理由だが、量的には沢山あるに超したことはない。
「リィ、シルビ、こうなるとぜひとも肉が欲しいところです」
「任せろ」
「早く行かねぇと獲れねぇなぁ」
シルビとリィは意気揚々と小屋を出て森へと向かう。既に暗くなり始めている森の中は、野生動物のテリトリーになる。
夜目が動物ほど利かない人間ではそんな場所へ行けば獲物を見つけるどころか逆に獲物として遊ばれるだろう。巣の場所が分かればそれでも構わないのだが、散策もしていない森の中で簡単に巣が見つかるとも思えない。
滝の下で休憩をした時は自分だけボウズだったし、汚名返上といきたいところである。
森へ向かって歩いていると、ふとリィが足を止めた。
「どうし……ジェームズ何してんだぁ?」
振り返ればジェームズが一人、湖の方へと歩いていくのが見える。これから暗くなるので生徒は小屋の中へ居た方がいいのだが。小屋の中で寝るには掃除などもしなければいけないので、外へ出るよりは小屋の掃除をするべきだと思う。
「わからない。ちょっと行ってくるよ」
「先行ってる」
先に行くと言いこそすれ、狩りを始めれば互いに別行動を取ることくらい分かっている。だから要はこの場での解散と同義だ。シルビはリィのほうがジェームズと同級生であることも考えて、リィへ一任することにして森へと入り込む。
屋根と壁のある小屋へもたどり着けたことだし、今夜はシルビも安らかに寝られるかもしれない。そう思えば人数が多い為に獲物が獲れなければ困る狩りも、あまり苦だとは思わなかった。
森の中へ入って直ぐに野生の兎を見つけて、シルビは即席ナイフを構えて気配を殺す。途端小屋の方から聞こえた叫びに、シルビは何かあったのかと兎のことを忘れて振り返った。
叫び声に兎が逃げていったようだが今は構っていられない。
確認していなかった小屋の中の地下蔵へリィとシェラ、それから最年長の三人が入っていくのを見て、シルビも小屋の二階や階段を確認する。階段や屋根に腐っている部分が無い事を確かめて一階へ降りると、地下蔵からリィとシェラの歓声が聞こえた。
「どうしたぁ?」
「シルビ! 塩です塩!」
「マジでかぁ!?」
思わずシルビも叫ぶ。
人間が生きていく上で水分だけではなく塩も重要だ。植物や肉を摂取しただけでは取れないミネラルを摂取するにも必要だし、食事の時の調味料としてもコレがあるだけで随分と違う。
シルビがカプセル半分以下とは言え塩を常備しているのは前者の理由だが、量的には沢山あるに超したことはない。
「リィ、シルビ、こうなるとぜひとも肉が欲しいところです」
「任せろ」
「早く行かねぇと獲れねぇなぁ」
シルビとリィは意気揚々と小屋を出て森へと向かう。既に暗くなり始めている森の中は、野生動物のテリトリーになる。
夜目が動物ほど利かない人間ではそんな場所へ行けば獲物を見つけるどころか逆に獲物として遊ばれるだろう。巣の場所が分かればそれでも構わないのだが、散策もしていない森の中で簡単に巣が見つかるとも思えない。
滝の下で休憩をした時は自分だけボウズだったし、汚名返上といきたいところである。
森へ向かって歩いていると、ふとリィが足を止めた。
「どうし……ジェームズ何してんだぁ?」
振り返ればジェームズが一人、湖の方へと歩いていくのが見える。これから暗くなるので生徒は小屋の中へ居た方がいいのだが。小屋の中で寝るには掃除などもしなければいけないので、外へ出るよりは小屋の掃除をするべきだと思う。
「わからない。ちょっと行ってくるよ」
「先行ってる」
先に行くと言いこそすれ、狩りを始めれば互いに別行動を取ることくらい分かっている。だから要はこの場での解散と同義だ。シルビはリィのほうがジェームズと同級生であることも考えて、リィへ一任することにして森へと入り込む。
屋根と壁のある小屋へもたどり着けたことだし、今夜はシルビも安らかに寝られるかもしれない。そう思えば人数が多い為に獲物が獲れなければ困る狩りも、あまり苦だとは思わなかった。
森の中へ入って直ぐに野生の兎を見つけて、シルビは即席ナイフを構えて気配を殺す。途端小屋の方から聞こえた叫びに、シルビは何かあったのかと兎のことを忘れて振り返った。
叫び声に兎が逃げていったようだが今は構っていられない。