暁の天使
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
前連邦主席に会う必要があると言い出したリィに対して、クーア財閥の総帥だった『男』を利用すると方針が決まったところで、男の腕の通信機からこれまたシルビにとっては懐かしい声が響いた。
酷いことになっているらしいセントラル小惑星帯に、彼等の知り合いが向かっているらしい。
それを助ける為にも急がなければならないと言う男に対して、リィは自分も一緒に着いていくと主張した。シェラは最初からそれに付いて行くつもりで、ヴァンツァーとレティシアという青年達はリィに頼まれて同行する。ダンも付いていくと言って憚らない。
最後になってリィは思い出したようにシルビを振り返った。
「お前はどうする? っていうか、なんでここにいるんだ?」
「随分な言い方だなぁオイ。……俺は嫌な予感がしたから誰かに尋ねようと思ってたんだぁ。この胸騒ぎの理由が分かるのはここだって分かったから」
そしてその胸騒ぎの理由を、シルビは彼等の話で既に理解している。
「でもここに来て、『彼』が来て俺は聞きてぇことが増えた。でも忙しそうだし聞くのは後にする」
「帰るのか?」
「いや、手伝うよ。此処まで来たら俺も少し腹を括って割った方が良さそうだしなぁ」
シルビはそう言って男へと振り向いた。リィの発言でシルビがこの場に居るのはおかしい人物だと気付いたらしい男は、それでも訝しげにシルビを見つめている。
「……“キング”。《ダイアナ》に乗っても?」
「オレの船を知ってるんだな」
「『宰姫』とも話させてくれたくせにぃ」
「……オレの考えが間違ってなければ、お前、オレと会った事があるよな?」
「無ぇよ。『今の身体』では」
ダンとデモン以外の全員が、シルビを見て訝しげな顔をした。ダンは訝しく思うというより理解出来ていない様子で、デモンに関しては何かを納得した様子だ。
「まぁつまり、ゾンビ四号なのかなぁ俺は」
先ほどケリー達が使った表現を口にすれば、ケリーも理解したように笑った。
「面白れえな。なんて呼べばいい?」
「シルビ。シルビ・テトラ・グラマトだぜぇキング」
総勢九名となって船に乗り込んだ一行のうち、ケリーはシルビを連れて操縦室へ向かう。シルビも初めて入る《パラス・アテナ》の操縦室で、副操縦席に座るように促されて腰を降ろせば、眼の前の画面に金髪の女性が映し出された。
「ハジメマシテ……では無いのよね? 私が持っているデータとは違うのだけれど、私を『宰姫』なんて呼ぶのは一人だけだったの」
「君を『宰姫』って呼ぶ人が俺以外に居なかったのなら、それも俺なんだろぉ」
酷いことになっているらしいセントラル小惑星帯に、彼等の知り合いが向かっているらしい。
それを助ける為にも急がなければならないと言う男に対して、リィは自分も一緒に着いていくと主張した。シェラは最初からそれに付いて行くつもりで、ヴァンツァーとレティシアという青年達はリィに頼まれて同行する。ダンも付いていくと言って憚らない。
最後になってリィは思い出したようにシルビを振り返った。
「お前はどうする? っていうか、なんでここにいるんだ?」
「随分な言い方だなぁオイ。……俺は嫌な予感がしたから誰かに尋ねようと思ってたんだぁ。この胸騒ぎの理由が分かるのはここだって分かったから」
そしてその胸騒ぎの理由を、シルビは彼等の話で既に理解している。
「でもここに来て、『彼』が来て俺は聞きてぇことが増えた。でも忙しそうだし聞くのは後にする」
「帰るのか?」
「いや、手伝うよ。此処まで来たら俺も少し腹を括って割った方が良さそうだしなぁ」
シルビはそう言って男へと振り向いた。リィの発言でシルビがこの場に居るのはおかしい人物だと気付いたらしい男は、それでも訝しげにシルビを見つめている。
「……“キング”。《ダイアナ》に乗っても?」
「オレの船を知ってるんだな」
「『宰姫』とも話させてくれたくせにぃ」
「……オレの考えが間違ってなければ、お前、オレと会った事があるよな?」
「無ぇよ。『今の身体』では」
ダンとデモン以外の全員が、シルビを見て訝しげな顔をした。ダンは訝しく思うというより理解出来ていない様子で、デモンに関しては何かを納得した様子だ。
「まぁつまり、ゾンビ四号なのかなぁ俺は」
先ほどケリー達が使った表現を口にすれば、ケリーも理解したように笑った。
「面白れえな。なんて呼べばいい?」
「シルビ。シルビ・テトラ・グラマトだぜぇキング」
総勢九名となって船に乗り込んだ一行のうち、ケリーはシルビを連れて操縦室へ向かう。シルビも初めて入る《パラス・アテナ》の操縦室で、副操縦席に座るように促されて腰を降ろせば、眼の前の画面に金髪の女性が映し出された。
「ハジメマシテ……では無いのよね? 私が持っているデータとは違うのだけれど、私を『宰姫』なんて呼ぶのは一人だけだったの」
「君を『宰姫』って呼ぶ人が俺以外に居なかったのなら、それも俺なんだろぉ」