ヴェロニカの嵐
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SIDE SEA
「……貴女は、それを伝えていいの?」
ルウの問いかけに何処か無機物然としたマーガレットは再び微笑む。
「私どもを縛る制約はございません。それに、あの方もそれを考慮した上で伝言を私へ預けたのでしょう。この伝言を告げることで、皆様に何か問題は起きますか?」
「……安全と聞いただけなら安心するだけだな」
「それにあの方はこうも言っておられました。『ルウ達ならこの伝言を聞いても冷静に判断出来る』と。無事であるのかだけでしたら何も問題はございませんわ」
それはつまり、占いで居場所が分かった、なんて言い出す非常識を犯さないと言ったルウと同じ判断を、シルビがしたという事だろう。ルウやケリーなら、シルビが行なった非常識な行動を『黙っている』という判断が出来る。それを前提に、せめて無事かどうかだけでも分かれば、冷静になってケリー達が動いてくれるとでも考えたのか。
「しかし、それでは貴女はどうやって彼と連絡を?」
唯一シルビの『異常性』を知らないヴァレンタイン卿は、それでもその伝言を届ける相手にルウが入っていることを考えてか、その『非常識』については問わなかった。代わりにシルビとからどうやって伝言を受け取ったのかと尋ねる。
「聞かないほうがいいよアーサー。彼女もきっと教えてくれない」
「うふふ、そうですわね。お聞きになられない方がよろしいでしょう」
マーガレットは含むように微笑んだ。ルウが疲れたように息を吐く。
「シルビも大胆なことをしてくれるよね」
「……やはりシルビ君も『普通』ではなかったのか」
しみじみと残念そうに呟くヴァレンタイン卿に、ダンは知らなかったのかと思ったものの、シルビの事を思い出すとそれもそうかと納得できた。シルビは多分、言う必要やその実力を出す必要が無ければ、絶対ルウの様には気ままに不思議な力を使ったりはしないのだろう。それもおそらく、必要以上に。
でなければ、ルウやリィの様な非凡の分類に値する彼が、今まで平凡に埋もれて身を隠していられた筈が無い。
そのシルビがわざわざ伝えてきた伝言とあって、ダン達にはそれを活かさねばならない責任が出来た。
「すみませんマーガレットさん。もしシルビからまた連絡があったら、直接ぼくに伝えてくれますか?」
「貴方は?」
「ぼくがルーファス・ラヴィーです」
「分かりました」
ルウへも臆することなく了解の意を示した、何の制約も無いという彼女は、現れた時のようにニコリと微笑んでから踵を返して去っていった。
「……貴女は、それを伝えていいの?」
ルウの問いかけに何処か無機物然としたマーガレットは再び微笑む。
「私どもを縛る制約はございません。それに、あの方もそれを考慮した上で伝言を私へ預けたのでしょう。この伝言を告げることで、皆様に何か問題は起きますか?」
「……安全と聞いただけなら安心するだけだな」
「それにあの方はこうも言っておられました。『ルウ達ならこの伝言を聞いても冷静に判断出来る』と。無事であるのかだけでしたら何も問題はございませんわ」
それはつまり、占いで居場所が分かった、なんて言い出す非常識を犯さないと言ったルウと同じ判断を、シルビがしたという事だろう。ルウやケリーなら、シルビが行なった非常識な行動を『黙っている』という判断が出来る。それを前提に、せめて無事かどうかだけでも分かれば、冷静になってケリー達が動いてくれるとでも考えたのか。
「しかし、それでは貴女はどうやって彼と連絡を?」
唯一シルビの『異常性』を知らないヴァレンタイン卿は、それでもその伝言を届ける相手にルウが入っていることを考えてか、その『非常識』については問わなかった。代わりにシルビとからどうやって伝言を受け取ったのかと尋ねる。
「聞かないほうがいいよアーサー。彼女もきっと教えてくれない」
「うふふ、そうですわね。お聞きになられない方がよろしいでしょう」
マーガレットは含むように微笑んだ。ルウが疲れたように息を吐く。
「シルビも大胆なことをしてくれるよね」
「……やはりシルビ君も『普通』ではなかったのか」
しみじみと残念そうに呟くヴァレンタイン卿に、ダンは知らなかったのかと思ったものの、シルビの事を思い出すとそれもそうかと納得できた。シルビは多分、言う必要やその実力を出す必要が無ければ、絶対ルウの様には気ままに不思議な力を使ったりはしないのだろう。それもおそらく、必要以上に。
でなければ、ルウやリィの様な非凡の分類に値する彼が、今まで平凡に埋もれて身を隠していられた筈が無い。
そのシルビがわざわざ伝えてきた伝言とあって、ダン達にはそれを活かさねばならない責任が出来た。
「すみませんマーガレットさん。もしシルビからまた連絡があったら、直接ぼくに伝えてくれますか?」
「貴方は?」
「ぼくがルーファス・ラヴィーです」
「分かりました」
ルウへも臆することなく了解の意を示した、何の制約も無いという彼女は、現れた時のようにニコリと微笑んでから踵を返して去っていった。