ヴェロニカの嵐
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投げた小石が二羽目の鳥の頭へと命中する。然程大きくも無い鳥で、種類的にはムクドリだろうか。
とりあえず血抜きをしてその辺からとった蔓で縛る。二羽では十人以上いるのでは、いくら子供の集団といえど全然足りやしない。
それでも獲れただけマシかとリィとの合流地点へ戻れば、リィも二羽捕まえていた。
「そっちも二羽か」
「人を知らねぇから突っ立ってるとすぐ寄ってくるぜぇ。ただ逃げ足も速ぇ」
並んで河原へと戻れば生徒達は傍にあった洞窟へ興味津々らしく、ハンスとフランクが中で話している。戻ってきたシルビ達に気付くと、その手にあった鳥の死骸を見て顔を顰めていた。
多分彼等は、加工前の肉さえ見たことが無いのだろう。良くて精肉店の部分的に切り分けられた物か、スライスされてすでに火の通ったステーキくらいか。
チャックの様子を窺えば、シルビ達が居ない間にシェラの指示で薪拾いに勤しんでいたらしく、集められた薪の傍でじっとしていた。ペギー・メイ達とは違い、安全性の確保がどうのと騒いでいた事も忘れて川の水を直飲みするでもなく、律儀に川の水を蒸留させている。
シェラへ鳥を渡してチャックの元へ行けば、チャックはウォレットチェーンを差し出してきた。それを受け取りながら腰を降ろし、自分の分の水の容器へも蒸留させた水を入れる。
チャックが気兼ねなく水を飲めるようにしておくには、チャックが持つ容器だけでは量が少ないのだ。シルビは直飲みも出来るので、容器に補充しておく水が川の水だろうが蒸留水だろうが構わない。だったら念の為にも蒸留した水を入れておけば、万が一の場合チャックへ分け与える事が出来る。
シルビ達の後ろでは、リィとジェームズが通信機による電波受信の結果を話していた。
二人が戻ってくるまでに掛かった時間は二時間。灯台からの信号が発信されるのは一時間に一回だったので、ジェームズが持っている通信機で一度は信号を拾えている筈だった。
しかし結果は受信出来ず、この惑星には居住可能惑星に必ず設置されている灯台が無いという事実を生徒達へ知らしめただけ。
自然と集まって輪になり、帰れないのではないかという不安に怯えてすすり泣く声や、恐怖の混ざる呟きを聞きながら、シルビは輪の中から立ち上がるとシェラに一声掛けてから森の中へと向かった。
適当な木を見つけるとそれによじ登り、木の枝へ身体を安静させて目を閉じる。上手くいくかは分からなかったが、やってみないことには何も始まりはしない。
意識が急激に沈む感覚に、成功はしたなと思った。
とりあえず血抜きをしてその辺からとった蔓で縛る。二羽では十人以上いるのでは、いくら子供の集団といえど全然足りやしない。
それでも獲れただけマシかとリィとの合流地点へ戻れば、リィも二羽捕まえていた。
「そっちも二羽か」
「人を知らねぇから突っ立ってるとすぐ寄ってくるぜぇ。ただ逃げ足も速ぇ」
並んで河原へと戻れば生徒達は傍にあった洞窟へ興味津々らしく、ハンスとフランクが中で話している。戻ってきたシルビ達に気付くと、その手にあった鳥の死骸を見て顔を顰めていた。
多分彼等は、加工前の肉さえ見たことが無いのだろう。良くて精肉店の部分的に切り分けられた物か、スライスされてすでに火の通ったステーキくらいか。
チャックの様子を窺えば、シルビ達が居ない間にシェラの指示で薪拾いに勤しんでいたらしく、集められた薪の傍でじっとしていた。ペギー・メイ達とは違い、安全性の確保がどうのと騒いでいた事も忘れて川の水を直飲みするでもなく、律儀に川の水を蒸留させている。
シェラへ鳥を渡してチャックの元へ行けば、チャックはウォレットチェーンを差し出してきた。それを受け取りながら腰を降ろし、自分の分の水の容器へも蒸留させた水を入れる。
チャックが気兼ねなく水を飲めるようにしておくには、チャックが持つ容器だけでは量が少ないのだ。シルビは直飲みも出来るので、容器に補充しておく水が川の水だろうが蒸留水だろうが構わない。だったら念の為にも蒸留した水を入れておけば、万が一の場合チャックへ分け与える事が出来る。
シルビ達の後ろでは、リィとジェームズが通信機による電波受信の結果を話していた。
二人が戻ってくるまでに掛かった時間は二時間。灯台からの信号が発信されるのは一時間に一回だったので、ジェームズが持っている通信機で一度は信号を拾えている筈だった。
しかし結果は受信出来ず、この惑星には居住可能惑星に必ず設置されている灯台が無いという事実を生徒達へ知らしめただけ。
自然と集まって輪になり、帰れないのではないかという不安に怯えてすすり泣く声や、恐怖の混ざる呟きを聞きながら、シルビは輪の中から立ち上がるとシェラに一声掛けてから森の中へと向かった。
適当な木を見つけるとそれによじ登り、木の枝へ身体を安静させて目を閉じる。上手くいくかは分からなかったが、やってみないことには何も始まりはしない。
意識が急激に沈む感覚に、成功はしたなと思った。