ヴェロニカの嵐
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先述したシルビを入れて七人の他に、林間学校へ参加する為に集まったのは六人。うち女の子が四人と男の子が二人である。六人ともリィ以上シルビ未満の中学生程度だろう。
そのうちの一人は、これから林間学校に行くとは思えない格好でグチグチと文句を呟いているのが聞き取れた。嫌なら来なければいいのにとも思うが、話を盗み聞くに課外授業の単位が危ないらしい。
予定時間になって林間学校を行なう惑星までの添乗員が来て、それぞれ自己紹介をする。予想通りというか真っ先に名乗ったのは文句を言っていた女子中学生で、ペギー・メイというらしい。目立ちたがり屋で、自分が中心でなければ機嫌を悪くするタイプか。
他の女子三人と合わせて、同じ学校の仲良し四人組での参加のようである。
「女の子ってのは、なんでああもグループ行動に重きを置くんだろうなぁ」
「あら、わたしは一人よ」
「そりゃ失礼」
「でもわたしもそう思うわ。何でかしらね?」
ファビエンヌと小声で話して、続く少年二人の自己紹介を聞く。
紹介を終えて送迎邸に乗り込む時にも、ペギー・メイは無駄な荷造りをしてきてシルビを呆れさせていたが、他には特に問題なく乗船した。
乗り込んだ船は三万トン級外洋型宇宙船の《ロビンソン》だ。シルビが聞けば状況的にロビンソン=クルーソーが思い浮かび、何となくピッタリすぎて気味の悪い船である。
目的地は惑星ヴェロニカ。夕食後に添乗員から今回の体験学習へ関する説明を受けが、その内容も主に惑星ヴェロニカで主流となっているヴェロニカ教についてだ。
現代の飽和気味雑食社会において、ヴェロニカ教は随分と極端で徹底された食事制限を行なっている。自生植物並びに動物性成分の摂取を厳禁とし、人の手で栽培し収穫された植物類以外の摂取を許さないというもので、その起源は昔惑星ヴェロニカを襲った大飢饉にあった筈だ。
「有名なのか?」
「有名って程じゃねぇ。でも惑星一つがその宗教だってんで、宗教学じゃわりかし話題になってたと思うぜぇ」
「あなたは宗教学にも造詣が?」
「暇つぶしに何でも読むようにしてるだけだぁ」
なのでシルビのヴェロニカ知識は雑誌で読んだ程度しか無く、詳しい事はシルビも興味が無い為知りはしない。だがその教義において、肉を食べたりする他宗派の者を除外しようとしないことは知っている。宗教論争において他宗派の弾圧を歓迎するものほど、シルビはその宗教を受け入れたいとは思わない。
ファビエンヌが現地の人と同じ食事をしたい、ということで今日の分の説明は終わった。
そのうちの一人は、これから林間学校に行くとは思えない格好でグチグチと文句を呟いているのが聞き取れた。嫌なら来なければいいのにとも思うが、話を盗み聞くに課外授業の単位が危ないらしい。
予定時間になって林間学校を行なう惑星までの添乗員が来て、それぞれ自己紹介をする。予想通りというか真っ先に名乗ったのは文句を言っていた女子中学生で、ペギー・メイというらしい。目立ちたがり屋で、自分が中心でなければ機嫌を悪くするタイプか。
他の女子三人と合わせて、同じ学校の仲良し四人組での参加のようである。
「女の子ってのは、なんでああもグループ行動に重きを置くんだろうなぁ」
「あら、わたしは一人よ」
「そりゃ失礼」
「でもわたしもそう思うわ。何でかしらね?」
ファビエンヌと小声で話して、続く少年二人の自己紹介を聞く。
紹介を終えて送迎邸に乗り込む時にも、ペギー・メイは無駄な荷造りをしてきてシルビを呆れさせていたが、他には特に問題なく乗船した。
乗り込んだ船は三万トン級外洋型宇宙船の《ロビンソン》だ。シルビが聞けば状況的にロビンソン=クルーソーが思い浮かび、何となくピッタリすぎて気味の悪い船である。
目的地は惑星ヴェロニカ。夕食後に添乗員から今回の体験学習へ関する説明を受けが、その内容も主に惑星ヴェロニカで主流となっているヴェロニカ教についてだ。
現代の飽和気味雑食社会において、ヴェロニカ教は随分と極端で徹底された食事制限を行なっている。自生植物並びに動物性成分の摂取を厳禁とし、人の手で栽培し収穫された植物類以外の摂取を許さないというもので、その起源は昔惑星ヴェロニカを襲った大飢饉にあった筈だ。
「有名なのか?」
「有名って程じゃねぇ。でも惑星一つがその宗教だってんで、宗教学じゃわりかし話題になってたと思うぜぇ」
「あなたは宗教学にも造詣が?」
「暇つぶしに何でも読むようにしてるだけだぁ」
なのでシルビのヴェロニカ知識は雑誌で読んだ程度しか無く、詳しい事はシルビも興味が無い為知りはしない。だがその教義において、肉を食べたりする他宗派の者を除外しようとしないことは知っている。宗教論争において他宗派の弾圧を歓迎するものほど、シルビはその宗教を受け入れたいとは思わない。
ファビエンヌが現地の人と同じ食事をしたい、ということで今日の分の説明は終わった。