スペシャリストの誇り
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結局レティシアの相談に、当座を凌ぐ方法として断り続けろというアドバイスしか出来ないままに別れて数日。ヴェルナール校での授業を終えたシルビは、今度はレティシアの通うチェーサー校の前でレティシアと待ち合わせていた。
連続殺人事件が起きている状況で、現場があるサンデナン大陸へ来るのは正直周囲から怪しまれる気がしないでもない。むしろそれを狙ってレティシアへ来るように言われているのかとも思ったが、寮の外出記録を調べられればすぐはっきりする容疑に、レティシアがそんな馬鹿な真似しないかと思い直す。
校内から出てきたレティシアがシルビに気付いて軽く手を上げた。それに返すように手を上げようとして、ふと覚えのある気配に振り返る。
「シルビ?」
「リィ?」
振り返った先に居たリィも、シルビの姿を見て不思議そうにしていた。そこへレティシアが来て、やはりリィへ気付いて不思議そうにする。
「なんで王妃さんまでいるんだ?」
「それはこっちの台詞だよ。なんでシルビが居るんだ?」
「俺はレティシアと遊びに」
「……いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」
信じられないとばかりのリィの視線に肩をすくめた。リィは疑うようにシルビとレティシアを交互に見ていたが、やがて放棄したらしい。にこりと笑う。
「ちょうどいい。レティシアを呼びに来たんだけどシルビも来るか?」
「何処にだぁ?」
「プライツィヒ高校。黒すけに呼んで来るよう頼まれたんだ」
黒すけとはヴァンツァーのことだ。たまたま遊びに来ていたのかもしれないが、中学生を使いっ走りにするのはどうかとシルビは思う。
レティシアが呼ばれたのなら彼は行かねばならない。しかしそうするとシルビは暇になる。それだったら付いて行ったほうが時間つぶしにもなるというものだ。
了承の意を示して三人でプライツィヒ高校へ向かう。ヴァンツァーがレティシアを呼んだ理由をリィは道中話そうとはしなかった。
三人とも在校生ではないが勝手知ったる態度で堂々と校内へ入り、リィは生徒が使用可能な会議室の一つへと先導する。使用中となっているその会議室の扉さえ遠慮なく開けて中へ入った。
「連れて来たぞ」
「何だあ、この面子?」
「……ご無沙汰してます。マクスウェル船長」
会議室の中にはダン・マクスウェルとシルビには見覚えの無い女性。それからヴァンツァーとシェラがいる。
何かの写真を手元に話し合っていた様子で、レティシアへヴァンツァーがその写真を見ろとばかりに指し示した。シルビはその間にダンへと近付いて小声で何事かを尋ねる。
ダンは苦虫を噛み潰したような表情で答えてくれた。
「例の連続殺人事件のことでね。君は?」
「レティシアのところに遊びに来てたんです。そこでリィに会って一緒に……」
「本当はあまり子供へ見せるものじゃないんだが」
「彼等を疑ってる時点で諦めましょう」
連続殺人事件が起きている状況で、現場があるサンデナン大陸へ来るのは正直周囲から怪しまれる気がしないでもない。むしろそれを狙ってレティシアへ来るように言われているのかとも思ったが、寮の外出記録を調べられればすぐはっきりする容疑に、レティシアがそんな馬鹿な真似しないかと思い直す。
校内から出てきたレティシアがシルビに気付いて軽く手を上げた。それに返すように手を上げようとして、ふと覚えのある気配に振り返る。
「シルビ?」
「リィ?」
振り返った先に居たリィも、シルビの姿を見て不思議そうにしていた。そこへレティシアが来て、やはりリィへ気付いて不思議そうにする。
「なんで王妃さんまでいるんだ?」
「それはこっちの台詞だよ。なんでシルビが居るんだ?」
「俺はレティシアと遊びに」
「……いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」
信じられないとばかりのリィの視線に肩をすくめた。リィは疑うようにシルビとレティシアを交互に見ていたが、やがて放棄したらしい。にこりと笑う。
「ちょうどいい。レティシアを呼びに来たんだけどシルビも来るか?」
「何処にだぁ?」
「プライツィヒ高校。黒すけに呼んで来るよう頼まれたんだ」
黒すけとはヴァンツァーのことだ。たまたま遊びに来ていたのかもしれないが、中学生を使いっ走りにするのはどうかとシルビは思う。
レティシアが呼ばれたのなら彼は行かねばならない。しかしそうするとシルビは暇になる。それだったら付いて行ったほうが時間つぶしにもなるというものだ。
了承の意を示して三人でプライツィヒ高校へ向かう。ヴァンツァーがレティシアを呼んだ理由をリィは道中話そうとはしなかった。
三人とも在校生ではないが勝手知ったる態度で堂々と校内へ入り、リィは生徒が使用可能な会議室の一つへと先導する。使用中となっているその会議室の扉さえ遠慮なく開けて中へ入った。
「連れて来たぞ」
「何だあ、この面子?」
「……ご無沙汰してます。マクスウェル船長」
会議室の中にはダン・マクスウェルとシルビには見覚えの無い女性。それからヴァンツァーとシェラがいる。
何かの写真を手元に話し合っていた様子で、レティシアへヴァンツァーがその写真を見ろとばかりに指し示した。シルビはその間にダンへと近付いて小声で何事かを尋ねる。
ダンは苦虫を噛み潰したような表情で答えてくれた。
「例の連続殺人事件のことでね。君は?」
「レティシアのところに遊びに来てたんです。そこでリィに会って一緒に……」
「本当はあまり子供へ見せるものじゃないんだが」
「彼等を疑ってる時点で諦めましょう」