嘆きのサイレン
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「……何かあったら、責任をとってください。俺がこの学校を退学になったら何処かの船へ俺が乗れるように掛け合ってくれるのでいいですから」
「いいだろう。なんなら海賊に頼んでも良いぞ」
言質を取ってシルビは探知機の前に座っていた管理官をどかした。非難の目を向けられたがそれは教科主任とジャスミンが宥める。
宙図と探知機の探索結果。ステーションの位置は授業で習って覚えていたので、輸送船《パルマ》に残っていた燃料の記録と反応が消える前の航路を画面へと出す。その程度は管理官達もしていたらしく、鼻で笑うような声がしたが無視した。
数秒宙図を見つめてから、周囲で一番手動操縦をするのに適していそうな宙域を表示し、そこから更に範囲を絞る。
シルビが得意とする航路選択において、『あの人達』から学んで気付いた事は船に乗っているとしても最終的には人の意思と偶然が働くという事だ。
こうなると心理学も趣味の一環で学びたくなってくる。
「……ジャスミン。救出へ向かう船は」
「海賊と連絡が取れた。《パラス・アテナ》で行けるぞ」
「行きましょう。急がねぇと小惑星帯へ突っ込む可能性があります。下手に操縦して無駄に燃料を消費してなけりゃいいですけど」
しかしシルビはその可能性を想定して位置を算出した。探知機でその辺りを探ってもらうように管理官へ頼み、シルビは総管理室を飛び出すジャスミンの後を追いかける。
総管理室を出る寸前教科主任の前を通ったが、何も言われなかったしシルビも何も言えなかった。
足の長さが違う為遅れがちになるジャスミンの後から発着路へ向かえば、頭上に《パラス・アテナ》の姿が窺える。最近良く会うなと思いつつ小型艇を利用して乗船した。
「キング、宰姫!」
「おう、お前も来たのか」
のんびりと操縦席へ座っているキングの頭を叩きたくなったが我慢する。臨時に備え付けられた座席へ座れば、ジャスミンはさっさと副操縦席へ腰を降ろしていた。
「久しぶりねシルビ。前のクレイド宙域から連絡をくれた時以来かしら?」
「出来れば俺は休日に会いたかったなぁ」
「成績は平気でしょう?」
「学校での評価は変わるかもなぁ。船に乗れなくなったら恨むぞぉ」
「それは怖いな」
ダイアナとの会話にジャスミンが口を挟む。そうしている間にも《パラス・アテナ》は大気圏を突破し、シルビが指示した座標へ向かっていた。
地上との通信はジャスミンが行なっている。それに耳を澄ませてみて、今のところシルビのことが話題に出ている様子は無かった。
「いいだろう。なんなら海賊に頼んでも良いぞ」
言質を取ってシルビは探知機の前に座っていた管理官をどかした。非難の目を向けられたがそれは教科主任とジャスミンが宥める。
宙図と探知機の探索結果。ステーションの位置は授業で習って覚えていたので、輸送船《パルマ》に残っていた燃料の記録と反応が消える前の航路を画面へと出す。その程度は管理官達もしていたらしく、鼻で笑うような声がしたが無視した。
数秒宙図を見つめてから、周囲で一番手動操縦をするのに適していそうな宙域を表示し、そこから更に範囲を絞る。
シルビが得意とする航路選択において、『あの人達』から学んで気付いた事は船に乗っているとしても最終的には人の意思と偶然が働くという事だ。
こうなると心理学も趣味の一環で学びたくなってくる。
「……ジャスミン。救出へ向かう船は」
「海賊と連絡が取れた。《パラス・アテナ》で行けるぞ」
「行きましょう。急がねぇと小惑星帯へ突っ込む可能性があります。下手に操縦して無駄に燃料を消費してなけりゃいいですけど」
しかしシルビはその可能性を想定して位置を算出した。探知機でその辺りを探ってもらうように管理官へ頼み、シルビは総管理室を飛び出すジャスミンの後を追いかける。
総管理室を出る寸前教科主任の前を通ったが、何も言われなかったしシルビも何も言えなかった。
足の長さが違う為遅れがちになるジャスミンの後から発着路へ向かえば、頭上に《パラス・アテナ》の姿が窺える。最近良く会うなと思いつつ小型艇を利用して乗船した。
「キング、宰姫!」
「おう、お前も来たのか」
のんびりと操縦席へ座っているキングの頭を叩きたくなったが我慢する。臨時に備え付けられた座席へ座れば、ジャスミンはさっさと副操縦席へ腰を降ろしていた。
「久しぶりねシルビ。前のクレイド宙域から連絡をくれた時以来かしら?」
「出来れば俺は休日に会いたかったなぁ」
「成績は平気でしょう?」
「学校での評価は変わるかもなぁ。船に乗れなくなったら恨むぞぉ」
「それは怖いな」
ダイアナとの会話にジャスミンが口を挟む。そうしている間にも《パラス・アテナ》は大気圏を突破し、シルビが指示した座標へ向かっていた。
地上との通信はジャスミンが行なっている。それに耳を澄ませてみて、今のところシルビのことが話題に出ている様子は無かった。