天使達の華劇
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千客万来で大繁盛している喫茶店内は立て込んでおり、シルビはケリーやジャスミンと一緒にアーサーとの相席になった。少しすると更にルウがやって来て喫茶店内は、というよりシルビ達の座っているテーブルが、リィとシェラに続いて華々しく来客の視線を集めだす。
ルウと一緒に来た地味な感じの女性も含めて、六人は狭い。しかもその内アーサーも含めて三人は標準より体格が良いのだ。
「……俺帰ろうかぁ?」
「なんで?」
「狭ぇだろぉ?」
「お前は小さいほうだろうが。何だったらオレの膝にでも座るか?」
「冗談の域を超えてる冗談は言うなよぉ。次の機会にする」
「シルビのその返しもギリギリだからね?」
「……皆さんはお知り合いで?」
ケリーとの下らない応酬と、ルウによるストップにシルビがその二人のことも知っているのは分かるだろう。実際シルビ達は初対面ではない。地味な感じの女性に扮している大女優、ジンジャー・ブレッドに関してはシルビを覚えているかどうか知らないが。
金銀天使ではない給仕が運んできてくれたお菓子をテーブルへ置かれる前に受け取って、にこやかにお礼を言えば顔を赤くして去っていく。その一つを摘まんでからテーブルへ置いて、シルビはジンジャーが隠すつもりが有るのか無いのか分からない話をしているのを聞いていた。
ジンジャーの正体に気付いたアーサーを止めるのは、流石にシルビもやったが。
「この近くの学校に孫か通っていますの。あなたの息子さんとは寮も同じで、コチラの彼とは学校も同じ。どちらにも親しくさせていただいているようです」
「なんと……」
卿の称号を頂いているらしいアーサーが絶句する。シルビは少しテーブルへ身を乗り出してジンジャーへ尋ねてみた。
「俺のことも覚えていたんですね」
「ええ。……あなたも私の変装に気付くのね」
「変装している人間に耐性があるだけです」
飄々とふざけているように言ったのは、ジンジャーはシルビをよく知らないからだ。
携帯端末に連絡が来て、どうやらこの文化祭へ来た同級生が道に迷ってシルビへ助けを求めてきた。シルビが文化祭に来ていない可能性もあるはずなのに、そこでどうしてシルビに助けを求めるのか分からなかったが、シルビは同席の五人へ辞去の挨拶をして席を立つ。
土産用に売っているお菓子を全種類一つずつ買い揃え、自分の分の飲食代を精算していると客の元へお菓子を運んだ帰りらしいシェラが近寄ってきた。
シェラの格好も、リィと同じくワインレッドのメイド服である。
「お帰りですか?」
「ちょっと呼ばれたんだぁ。今日は他のところを回ったらもう帰るぜぇ」
「もしよろしければ、明日も来てください」
これが本意であったならシルビであってもちょっとグラついただろう。銀髪だし。
しかしシェラの背後の臨時に設けられた給湯室から顔を覗かせている女子生徒群を見れば、苦笑しかない。
「……客まで集客に使うつもりかぁ?」
「……申し訳ありません」
ルウと一緒に来た地味な感じの女性も含めて、六人は狭い。しかもその内アーサーも含めて三人は標準より体格が良いのだ。
「……俺帰ろうかぁ?」
「なんで?」
「狭ぇだろぉ?」
「お前は小さいほうだろうが。何だったらオレの膝にでも座るか?」
「冗談の域を超えてる冗談は言うなよぉ。次の機会にする」
「シルビのその返しもギリギリだからね?」
「……皆さんはお知り合いで?」
ケリーとの下らない応酬と、ルウによるストップにシルビがその二人のことも知っているのは分かるだろう。実際シルビ達は初対面ではない。地味な感じの女性に扮している大女優、ジンジャー・ブレッドに関してはシルビを覚えているかどうか知らないが。
金銀天使ではない給仕が運んできてくれたお菓子をテーブルへ置かれる前に受け取って、にこやかにお礼を言えば顔を赤くして去っていく。その一つを摘まんでからテーブルへ置いて、シルビはジンジャーが隠すつもりが有るのか無いのか分からない話をしているのを聞いていた。
ジンジャーの正体に気付いたアーサーを止めるのは、流石にシルビもやったが。
「この近くの学校に孫か通っていますの。あなたの息子さんとは寮も同じで、コチラの彼とは学校も同じ。どちらにも親しくさせていただいているようです」
「なんと……」
卿の称号を頂いているらしいアーサーが絶句する。シルビは少しテーブルへ身を乗り出してジンジャーへ尋ねてみた。
「俺のことも覚えていたんですね」
「ええ。……あなたも私の変装に気付くのね」
「変装している人間に耐性があるだけです」
飄々とふざけているように言ったのは、ジンジャーはシルビをよく知らないからだ。
携帯端末に連絡が来て、どうやらこの文化祭へ来た同級生が道に迷ってシルビへ助けを求めてきた。シルビが文化祭に来ていない可能性もあるはずなのに、そこでどうしてシルビに助けを求めるのか分からなかったが、シルビは同席の五人へ辞去の挨拶をして席を立つ。
土産用に売っているお菓子を全種類一つずつ買い揃え、自分の分の飲食代を精算していると客の元へお菓子を運んだ帰りらしいシェラが近寄ってきた。
シェラの格好も、リィと同じくワインレッドのメイド服である。
「お帰りですか?」
「ちょっと呼ばれたんだぁ。今日は他のところを回ったらもう帰るぜぇ」
「もしよろしければ、明日も来てください」
これが本意であったならシルビであってもちょっとグラついただろう。銀髪だし。
しかしシェラの背後の臨時に設けられた給湯室から顔を覗かせている女子生徒群を見れば、苦笑しかない。
「……客まで集客に使うつもりかぁ?」
「……申し訳ありません」