天使達の華劇
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聞くところによると、リィが女装するに到った理由は単に『寄付金を集める為』らしい。それで女装しようと思い至れる精神には脱帽する。
シルビも髪を伸ばしているし女顔な為、服装や状況によっては女だと間違われることは今までに無かったとは言えないが、女装した事も無かったとは言えないが、進んでしようと思ったことは無い。ましてや、こんなに似合うなんてことも無いだろう。
恐々とリィを抱き締めるジャスミンにケリーが声を掛けた。シルビもそちらを見れば、ケリーは生徒の保護者にしては若い部類に入りそうな男性と並んでいる。
そちらへ向かうジャスミンと位置を変わり、シルビはリィへと話しかけた。
「Ciao リィ。今日もその格好なんだなぁ」
「そりゃ客引きだからな」
「お前のその商売根性? は尊敬するぜぇ」
「別に損するわけじゃないんだ。いいだろ?」
ニコリと微笑むリィは見事に女の子である。
「ついでだから紹介するよ。今ジャスミンと話してるのが一応おれの父親のアーサーだ」
「……突っ込まねぇぞぉ俺は」
リィに導かれてシルビはケリーとジャスミンと話している男性へと近付いた。
男性はリィと並んで近付いてきたシルビに気付くと一瞬目を見張り、すぐに不思議そうな顔をしてシルビの隣へ立っているリィへ視線で尋ねる。
「アーサー、おれの友達のシルビだ」
「……友達?」
社会的に体裁ぶった笑顔を浮かべて、シルビは礼儀正しく挨拶した。
「初めまして。同じフォンダム寮のシルビ・グラマトです」
「……この子の、友達?」
一瞬返事に戸惑った事に、その場にいたアーサー以外の三人が気付いたようだったが、シルビは気付かれた事に気付かないフリをする。リィの父親であるアーサーはそれに気付いた様子も無い。
「わたしはエドワードの父親の、アーサー・ヴァレンタインだ。息子に君のような友人がいることに感謝するよ」
曖昧に頷くことしか、シルビには出来なかった。
おそらくこの人はリィやリィの相棒であるルウの特異性を知っている。それでいてリィが一般的な社会へ馴染めるかを不安がっていた。親元から離し大学惑星へ通わせているとしても、日々心配しているに違いない。何せリィはあの性格だ。
普通の友達が出来るとも、そもそも思えなかったかもしれない。そこに現れたシルビは、きっと彼の不安を一気に吹き飛ばしたような存在だろう。
けれどもそのシルビ自身は、リィ達との存在を上手く説明できなかった。
シルビはリィ達と同じようだけれど、決してリィ達と『同じ』ではない。ルウとなら辛うじて似ているかもしれないが、それでも違うのだ。
シルビも髪を伸ばしているし女顔な為、服装や状況によっては女だと間違われることは今までに無かったとは言えないが、女装した事も無かったとは言えないが、進んでしようと思ったことは無い。ましてや、こんなに似合うなんてことも無いだろう。
恐々とリィを抱き締めるジャスミンにケリーが声を掛けた。シルビもそちらを見れば、ケリーは生徒の保護者にしては若い部類に入りそうな男性と並んでいる。
そちらへ向かうジャスミンと位置を変わり、シルビはリィへと話しかけた。
「Ciao リィ。今日もその格好なんだなぁ」
「そりゃ客引きだからな」
「お前のその商売根性? は尊敬するぜぇ」
「別に損するわけじゃないんだ。いいだろ?」
ニコリと微笑むリィは見事に女の子である。
「ついでだから紹介するよ。今ジャスミンと話してるのが一応おれの父親のアーサーだ」
「……突っ込まねぇぞぉ俺は」
リィに導かれてシルビはケリーとジャスミンと話している男性へと近付いた。
男性はリィと並んで近付いてきたシルビに気付くと一瞬目を見張り、すぐに不思議そうな顔をしてシルビの隣へ立っているリィへ視線で尋ねる。
「アーサー、おれの友達のシルビだ」
「……友達?」
社会的に体裁ぶった笑顔を浮かべて、シルビは礼儀正しく挨拶した。
「初めまして。同じフォンダム寮のシルビ・グラマトです」
「……この子の、友達?」
一瞬返事に戸惑った事に、その場にいたアーサー以外の三人が気付いたようだったが、シルビは気付かれた事に気付かないフリをする。リィの父親であるアーサーはそれに気付いた様子も無い。
「わたしはエドワードの父親の、アーサー・ヴァレンタインだ。息子に君のような友人がいることに感謝するよ」
曖昧に頷くことしか、シルビには出来なかった。
おそらくこの人はリィやリィの相棒であるルウの特異性を知っている。それでいてリィが一般的な社会へ馴染めるかを不安がっていた。親元から離し大学惑星へ通わせているとしても、日々心配しているに違いない。何せリィはあの性格だ。
普通の友達が出来るとも、そもそも思えなかったかもしれない。そこに現れたシルビは、きっと彼の不安を一気に吹き飛ばしたような存在だろう。
けれどもそのシルビ自身は、リィ達との存在を上手く説明できなかった。
シルビはリィ達と同じようだけれど、決してリィ達と『同じ』ではない。ルウとなら辛うじて似ているかもしれないが、それでも違うのだ。