天使達の華劇
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シルビがリィから与えられた役割は、レティシアと一緒にヴァンツァーの論文を不可にした教授、ミハエル・ブフナーと共謀者関係にあるエリック・デュラントを唆す役目だった。
デュラントはブフナーと利害関係にあり、ブフナーがヴァンツァーへ行った誘い以前にも性的虐待をしている事も知っている相手である。更にはいきずりの相手を襲う際に使用する薬剤も、彼から横流ししてもらっているらしい。
「アンタ演技出来るのかい?」
「一応。下手な役者よりは出来るぜぇ」
デュラントの元へ向かいながらシルビはレティシアと言葉を交わす。《パラス・アテナ》で少し話した程度の相手だが、感情豊かで彼のほうから話しかけてきてくれる分、シルビとしても取っ付きやすい人物だ。
「王妃さんがアンタをこの役にした理由も分かってんだろ?」
「あの中じゃ一番俺が世間慣れしてたから、だろぉ?」
王妃というのはリィのことだろうかと思いながら答えれば、レティシアは満足そうである。
「なぁ、ゾンビ四号って言ってたけど、アンタは前はどんな死に方をしたんだ?」
以前のケリーとの会話を覚えていたらしい。今はデュラントの元へ向かっているところなので暇なのか、随分と突っ込んだ事を聞いてくる。
顎へ手を添えて少し考えてから、シルビは隣を歩くレティシアを振り向いた。
「お前さん、今まで食事した回数とか覚えてるかぁ?」
「覚えてるわけねえだろ。そんなん逐一数えて……あ?」
「死んですぐ生き返る訳じゃねぇけど、死因を覚えてるのが面倒になる程度には死んでるよ。言っただろぉ? 俺は『異世界でのラー一族みてぇなモン』だってぇ」
「何回も生き返ってるって訳かい。それにしたって死に過ぎだろ。合計何歳?」
「……レティシア。年齢ってのは年取るとどうでも良くなるんだよ」
「オレより年上か」
何がおかしいのか今にも腹を抱えて笑いそうなレティシアに、シルビは肩を叩かれる。死んだ回数で笑われるのは初めてだった。
「王妃さんも何だってこんなやつを見つけるのが上手いかね」
「言っとくが、君もその『こんなやつ』の同類だろぉ?」
「レティシアだ。君なんて呼ぶな気持ち悪ィ」
デュラントの元へ到着し、自分達は被害者であると思わせながら巧妙に精神を追い詰めてたきつける。打ち合わせなど殆どしていなかったが、レティシアとは面白いほどに息が合った。
最終的に、話を終えた頃にはデュラントは顔を真っ青にして脂汗を滲ませている。また来るという言葉を最後にデュラントの事務室を後にした。
デュラントが勤めている大学の敷地を出てからリィへ連絡を入れる。これでシルビの役割に関しては終了だ。
「アンタえげつないのな」
「レティシアはエグイなぁ」
デュラントはブフナーと利害関係にあり、ブフナーがヴァンツァーへ行った誘い以前にも性的虐待をしている事も知っている相手である。更にはいきずりの相手を襲う際に使用する薬剤も、彼から横流ししてもらっているらしい。
「アンタ演技出来るのかい?」
「一応。下手な役者よりは出来るぜぇ」
デュラントの元へ向かいながらシルビはレティシアと言葉を交わす。《パラス・アテナ》で少し話した程度の相手だが、感情豊かで彼のほうから話しかけてきてくれる分、シルビとしても取っ付きやすい人物だ。
「王妃さんがアンタをこの役にした理由も分かってんだろ?」
「あの中じゃ一番俺が世間慣れしてたから、だろぉ?」
王妃というのはリィのことだろうかと思いながら答えれば、レティシアは満足そうである。
「なぁ、ゾンビ四号って言ってたけど、アンタは前はどんな死に方をしたんだ?」
以前のケリーとの会話を覚えていたらしい。今はデュラントの元へ向かっているところなので暇なのか、随分と突っ込んだ事を聞いてくる。
顎へ手を添えて少し考えてから、シルビは隣を歩くレティシアを振り向いた。
「お前さん、今まで食事した回数とか覚えてるかぁ?」
「覚えてるわけねえだろ。そんなん逐一数えて……あ?」
「死んですぐ生き返る訳じゃねぇけど、死因を覚えてるのが面倒になる程度には死んでるよ。言っただろぉ? 俺は『異世界でのラー一族みてぇなモン』だってぇ」
「何回も生き返ってるって訳かい。それにしたって死に過ぎだろ。合計何歳?」
「……レティシア。年齢ってのは年取るとどうでも良くなるんだよ」
「オレより年上か」
何がおかしいのか今にも腹を抱えて笑いそうなレティシアに、シルビは肩を叩かれる。死んだ回数で笑われるのは初めてだった。
「王妃さんも何だってこんなやつを見つけるのが上手いかね」
「言っとくが、君もその『こんなやつ』の同類だろぉ?」
「レティシアだ。君なんて呼ぶな気持ち悪ィ」
デュラントの元へ到着し、自分達は被害者であると思わせながら巧妙に精神を追い詰めてたきつける。打ち合わせなど殆どしていなかったが、レティシアとは面白いほどに息が合った。
最終的に、話を終えた頃にはデュラントは顔を真っ青にして脂汗を滲ませている。また来るという言葉を最後にデュラントの事務室を後にした。
デュラントが勤めている大学の敷地を出てからリィへ連絡を入れる。これでシルビの役割に関しては終了だ。
「アンタえげつないのな」
「レティシアはエグイなぁ」