天使達の華劇
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待ちわびていた通信が来て、経済学の権威に確認された論文の評価はAプラス。どんな教師や講師に意見を聞いても、それ以下の評価はありえない出来栄えらしい。当然参考にした本の丸写しもあり得ないらしかった。
それはそれで凄いが、となると尚更問題が発生する。その論文を不可とした教師は、どうして不可にしたのか。
盗作を疑うブランドン夫人に対し、画面越しに顔を見せたリィは、あっけらかんとして今回の論文問題の真相を説明しだした。
つまるところ、気に入った生徒を食い物にする教師の横暴である。
同性愛者らしいその教師がヴァンツァーを見定め、論文の評価を餌に狙ったというのが今回の顛末のようだった。同性愛に関しては特に何も言うつもりは無いが、それで他人に迷惑を掛けているとなれば話は別である。
案の定正式にその教師へ抗議すると息巻き始めたブランドン夫人とジャスミンを宥め、リィは自分達で何とかするつもりらしい。
変態の人命救助だと銘打ったリィに、つくづく一般人ではないと思ってしまう。
「シルビにも手伝ってもらっていいか?」
「抱かれろってのは困る」
「当たり前だ。そんな事させないよ」
させられたら流石に断るが、そうでないのならと了承した。
寮の門限が迫っていることもあって今日はもうこの家を辞する事にし、ジャスミンが呼んでくれた自動タクシーでフォンダム寮へ帰る。
高等部に属している為所持を許可されているシルビの携帯端末で、リィがログ・セール大陸のヴァンツァー達へ連絡をして明日に会う予定を入れた。様々な講義を取っているらしくて忙しいはずの彼は、それでもその論文が不可になることがとても困るらしくすぐに了承する。
どうやらあの論文が不可だと、講義自体も落第に繋がるらしい。それは確かに重要だと他人事の様に思った。
続いてリィはサフノスク大学のルウへも連絡を取り、同じく会う予定を入れる。ヴァンツァーには自然とレティシアが付いてくるだろうからと彼には連絡をいれず、しかしこれでクーア一家以外のあの時のメンバーが揃うことになった。
「なんだろうなぁ。俺のこの場違い感」
「全然場違いじゃないんだけどね」
次の日になって集まったメンバーを見て一人ごちたシルビに、ルウが安穏と返す。
「なんで」
「だってシルビ。君だって彼等と『同じ』でしょ?」
そう言って示された、同じ苗字の三人組を見てシルビは溜め息を吐いた。自分はこんなに秀でた殺し屋であった覚えは無い。
そうでなくとも二人にはリィ達に話したことは一つも教えていないにも関わらず、シルビのことを当たり前に受け入れているのが空恐ろしかった。
それはそれで凄いが、となると尚更問題が発生する。その論文を不可とした教師は、どうして不可にしたのか。
盗作を疑うブランドン夫人に対し、画面越しに顔を見せたリィは、あっけらかんとして今回の論文問題の真相を説明しだした。
つまるところ、気に入った生徒を食い物にする教師の横暴である。
同性愛者らしいその教師がヴァンツァーを見定め、論文の評価を餌に狙ったというのが今回の顛末のようだった。同性愛に関しては特に何も言うつもりは無いが、それで他人に迷惑を掛けているとなれば話は別である。
案の定正式にその教師へ抗議すると息巻き始めたブランドン夫人とジャスミンを宥め、リィは自分達で何とかするつもりらしい。
変態の人命救助だと銘打ったリィに、つくづく一般人ではないと思ってしまう。
「シルビにも手伝ってもらっていいか?」
「抱かれろってのは困る」
「当たり前だ。そんな事させないよ」
させられたら流石に断るが、そうでないのならと了承した。
寮の門限が迫っていることもあって今日はもうこの家を辞する事にし、ジャスミンが呼んでくれた自動タクシーでフォンダム寮へ帰る。
高等部に属している為所持を許可されているシルビの携帯端末で、リィがログ・セール大陸のヴァンツァー達へ連絡をして明日に会う予定を入れた。様々な講義を取っているらしくて忙しいはずの彼は、それでもその論文が不可になることがとても困るらしくすぐに了承する。
どうやらあの論文が不可だと、講義自体も落第に繋がるらしい。それは確かに重要だと他人事の様に思った。
続いてリィはサフノスク大学のルウへも連絡を取り、同じく会う予定を入れる。ヴァンツァーには自然とレティシアが付いてくるだろうからと彼には連絡をいれず、しかしこれでクーア一家以外のあの時のメンバーが揃うことになった。
「なんだろうなぁ。俺のこの場違い感」
「全然場違いじゃないんだけどね」
次の日になって集まったメンバーを見て一人ごちたシルビに、ルウが安穏と返す。
「なんで」
「だってシルビ。君だって彼等と『同じ』でしょ?」
そう言って示された、同じ苗字の三人組を見てシルビは溜め息を吐いた。自分はこんなに秀でた殺し屋であった覚えは無い。
そうでなくとも二人にはリィ達に話したことは一つも教えていないにも関わらず、シルビのことを当たり前に受け入れているのが空恐ろしかった。