天使達の華劇
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汗を掻いた二人が汗を流してくると浴室へ向かい、シルビは赤くなった手をシェラに処置してもらっていた。赤くなったといっても、後日痣になる程度ではある。
冷却湿布と包帯を巻いてもらいながら、先ほどリィを助けた時よりは顔色が戻ったシェラを見上げた。
「俺の行動は正解だったぁ?」
「ええ、ありがとうございます」
「俺はさぁ、俺自身の事情は君達に話したけど、君達の事情は殆ど聞いてねぇんだよぉ。だから君がリィをどう思ってるのかとか、そもそもどういう関係なのかってのは、見てて察するか推測するしかねぇ」
「わたしは」
「別に無理して言う必要はねぇよ。絶対訊きてぇとも思ってねぇし。ただ、確認だけしときてぇ」
巻き終えた包帯に手を動かして具合を確かめる。
「君はリィが大切でいいんだろぉ?」
「……はい」
シェラは真剣に答えた。シルビが見上げれば目が合って、シルビと同じ色をした瞳がシルビを見つめている。
銀色の髪、菫色の瞳。
「……『昔』、弟がいてさぁ」
「はい?」
急な話題変更に追い着けなくてシェラが不思議そうに首を傾げた。首筋までの髪がサラリと動くのを見つめて、シルビは座らされていた椅子から立ち上がる。
彼を、彼の色を羨ましいと思うのはわがままだし身勝手だ。ただ、せめて自分も銀色の髪をしていたなら、と少しだけ憧れてしまうのは許して欲しかった。
立ち上がればシェラの身長は成長途中のシルビより低い。その頭を包帯が巻かれていない方の手で撫でても、不思議そうにするだけで嫌がられはしなかった。
「君とも仲良くしてぇって話」
「そう、ですか?」
浴室のあるほうからジャスミンの爆笑が聞こえる。
更に暫くして着替えて出てきたリィ達と一緒に食卓を囲んだ。リィもジャスミンも『女子供』という言葉で表せる部類であるにも関わらず、片っ端から平らげていく健啖家である。
「シルビももっと食べた方がいい。君を先ほどロッドの先にぶら下げた時、随分軽く感じたぞ」
「ぶら下げたって……俺は食っても太れねぇ体質なんですよ。それに二人と違って運動もしてねぇし」
「だがあれは軽すぎだろう。片手で持ち上げられるんじゃないか?」
「そんなに軽いのか?」
「四十キロ無ぇ」
「ソレはヤバイ」
運動後でなくとも、それでも普段よりシルビの食は進んでいた。シェラの料理が予想以上に美味いというのもあるだろう。実際、シルビはいくつかの料理のレシピをシェラへ尋ねてしまった。
「シルビも料理をなさるので?」
「最近は機会がねぇけどなぁ」
「じゃあ今度作ってくれよ。食ってみたいな」
「シェラの後じゃ腹の足しにもなんねぇよ」
冷却湿布と包帯を巻いてもらいながら、先ほどリィを助けた時よりは顔色が戻ったシェラを見上げた。
「俺の行動は正解だったぁ?」
「ええ、ありがとうございます」
「俺はさぁ、俺自身の事情は君達に話したけど、君達の事情は殆ど聞いてねぇんだよぉ。だから君がリィをどう思ってるのかとか、そもそもどういう関係なのかってのは、見てて察するか推測するしかねぇ」
「わたしは」
「別に無理して言う必要はねぇよ。絶対訊きてぇとも思ってねぇし。ただ、確認だけしときてぇ」
巻き終えた包帯に手を動かして具合を確かめる。
「君はリィが大切でいいんだろぉ?」
「……はい」
シェラは真剣に答えた。シルビが見上げれば目が合って、シルビと同じ色をした瞳がシルビを見つめている。
銀色の髪、菫色の瞳。
「……『昔』、弟がいてさぁ」
「はい?」
急な話題変更に追い着けなくてシェラが不思議そうに首を傾げた。首筋までの髪がサラリと動くのを見つめて、シルビは座らされていた椅子から立ち上がる。
彼を、彼の色を羨ましいと思うのはわがままだし身勝手だ。ただ、せめて自分も銀色の髪をしていたなら、と少しだけ憧れてしまうのは許して欲しかった。
立ち上がればシェラの身長は成長途中のシルビより低い。その頭を包帯が巻かれていない方の手で撫でても、不思議そうにするだけで嫌がられはしなかった。
「君とも仲良くしてぇって話」
「そう、ですか?」
浴室のあるほうからジャスミンの爆笑が聞こえる。
更に暫くして着替えて出てきたリィ達と一緒に食卓を囲んだ。リィもジャスミンも『女子供』という言葉で表せる部類であるにも関わらず、片っ端から平らげていく健啖家である。
「シルビももっと食べた方がいい。君を先ほどロッドの先にぶら下げた時、随分軽く感じたぞ」
「ぶら下げたって……俺は食っても太れねぇ体質なんですよ。それに二人と違って運動もしてねぇし」
「だがあれは軽すぎだろう。片手で持ち上げられるんじゃないか?」
「そんなに軽いのか?」
「四十キロ無ぇ」
「ソレはヤバイ」
運動後でなくとも、それでも普段よりシルビの食は進んでいた。シェラの料理が予想以上に美味いというのもあるだろう。実際、シルビはいくつかの料理のレシピをシェラへ尋ねてしまった。
「シルビも料理をなさるので?」
「最近は機会がねぇけどなぁ」
「じゃあ今度作ってくれよ。食ってみたいな」
「シェラの後じゃ腹の足しにもなんねぇよ」