サイモンの災難
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共和宇宙史に残る奇跡の大女優ジンジャー・ブレッド。その名前を知らない者はいないと断言される程の知名度を持ち、その称号に恥じない演技力を有した女性。
それが今、目の前にいる『アイリーン・コルト』の正体だった。
「困ったわね。私のプライドはズタズタだわ」
『アイリーン・コルト』の姿ではないが、今までに数回会ったことのあるレティシアが一目で会ったことのある相手だと認識したことに対し、ジンジャーは笑っている。
「姿形は変わっても目は一緒だからな」
「……お前、もしかして虹彩を覚えてるとかじゃねぇよなぁ」
「ちげえよ。流石にそこまでじゃねえや」
虹彩も指紋と同じく二人として同じ形がないとされていた。レティシアは医学生なので当然その事は知っていたらしく、シルビの疑いにはすぐに否定してくる。
今のジンジャーは以前出会った時とは全く違う。以前はふくよかな老婦人といった風情だったが、今は少しやせ気味の若い女性だ。確か女優ジンジャー・ブレットは数十年は既に銀幕で活躍している。少なくともシルビが『イブリス』として居た頃には既に名前が知られていた。なので本来であればこんなに若い筈はないのだ。
「貴方もやっぱり気付いたのね」
「俺の場合はルウ達の様子から察したところもありますので」
「でも誰なのかは分かってるのでしょう?」
彼女は仕事中である事もあって談笑し続けている訳にもいかず、二階のスタッフ達の元へ向かう。『ヴァンツァーの友達』として紹介されたシルビ達、特にリィとシェラは映像産業関係者としては無視できない存在で、とりわけ熱心にモデルや役者にならないことを惜しまれていた。
「きみはどう? 声も大きいし舞台に立つにはとてもいいと思うんだ」
「いやぁ、学芸会で劇をやったことはあります。楽しかったけど、あんまり興味はそそられなかったなぁ」
「へえ、何の役だったんだい?」
「ジャバウォック。セリフ一つしか無かったですしねぇ。」
撮影開始前に撮影に使う部屋を見学させてもらう。部屋ごとに内装や印象の違う家なので、それぞれに登場人物とどう関わる部屋なのかという設定をつけて使っているらしい。
次の撮影で使う部屋の隅には既に機材が配置されていた。その機材のお陰で部屋が狭く感じる上、撮影画面に不要な物が映らないようにするのも一苦労そうだ。スタッフに頼んで撮影機を覗かせてもらえば、本当にギリギリの配置であることが分かる。
録音機材が古くて余計な音を拾ってしまうかもしれないからと、シルビ達は下の階へ戻った。
それが今、目の前にいる『アイリーン・コルト』の正体だった。
「困ったわね。私のプライドはズタズタだわ」
『アイリーン・コルト』の姿ではないが、今までに数回会ったことのあるレティシアが一目で会ったことのある相手だと認識したことに対し、ジンジャーは笑っている。
「姿形は変わっても目は一緒だからな」
「……お前、もしかして虹彩を覚えてるとかじゃねぇよなぁ」
「ちげえよ。流石にそこまでじゃねえや」
虹彩も指紋と同じく二人として同じ形がないとされていた。レティシアは医学生なので当然その事は知っていたらしく、シルビの疑いにはすぐに否定してくる。
今のジンジャーは以前出会った時とは全く違う。以前はふくよかな老婦人といった風情だったが、今は少しやせ気味の若い女性だ。確か女優ジンジャー・ブレットは数十年は既に銀幕で活躍している。少なくともシルビが『イブリス』として居た頃には既に名前が知られていた。なので本来であればこんなに若い筈はないのだ。
「貴方もやっぱり気付いたのね」
「俺の場合はルウ達の様子から察したところもありますので」
「でも誰なのかは分かってるのでしょう?」
彼女は仕事中である事もあって談笑し続けている訳にもいかず、二階のスタッフ達の元へ向かう。『ヴァンツァーの友達』として紹介されたシルビ達、特にリィとシェラは映像産業関係者としては無視できない存在で、とりわけ熱心にモデルや役者にならないことを惜しまれていた。
「きみはどう? 声も大きいし舞台に立つにはとてもいいと思うんだ」
「いやぁ、学芸会で劇をやったことはあります。楽しかったけど、あんまり興味はそそられなかったなぁ」
「へえ、何の役だったんだい?」
「ジャバウォック。セリフ一つしか無かったですしねぇ。」
撮影開始前に撮影に使う部屋を見学させてもらう。部屋ごとに内装や印象の違う家なので、それぞれに登場人物とどう関わる部屋なのかという設定をつけて使っているらしい。
次の撮影で使う部屋の隅には既に機材が配置されていた。その機材のお陰で部屋が狭く感じる上、撮影画面に不要な物が映らないようにするのも一苦労そうだ。スタッフに頼んで撮影機を覗かせてもらえば、本当にギリギリの配置であることが分かる。
録音機材が古くて余計な音を拾ってしまうかもしれないからと、シルビ達は下の階へ戻った。