サイモンの災難
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ログ・セールの西海岸。とはいえ海からは少し離れた小高い丘の上にある大きな家が集合場所だった。サンデナン大陸からはるばる車でやって来たシルビ達は、その家から少し離れたところでリィとシェラを降ろし、運転してきていたルウとシルビは車を停めに行く。
サンデナンを出発した際はシルビが運転していたが、ここへ来るまでに一度休憩を挟んで運転手を交代してきたのだ。だから車を停める場所を覚えておきたかったのである。
「ドミニクの影響はどう?」
「大分元通りになった。今はもういきなり取り憑かれるなんてことはねぇよ」
「良かった。少なからずぼくのせいなところもあったから心配してたんだ」
確かにルウが肉体を捨てて分散された時、魂の一部を臨時収容したのが原因ではあるが、シルビはそれをルウのせいだと思ってはいない。むしろルウだって被害者であると考えているのでその言葉は間違ってると思った。
今日のシルビは以前、ルウとショッピングをした際に購入した幅広の赤いリボンを髪に巻いている。
ただ縛るだけならともかく凝った髪型にすることは自分では出来なかったので、ルウと合流する前にシェラへ頼んだら何か髪と絡み合わせる様に結われた。見えないのでどうなっているのか分からないし自分で解くこともおそらく出来ない。
「やっぱりそれ似合うね」
「一緒に買ったカニの奴はヴァンツァーに真顔でもっとマシな物を付けろて言われたぜぇ」
「彼でもそんなこと言うんだ? まぁ映画の撮影現場へ招待するくらいだものね」
停めた車から降りて歩き出す。
撮影場所であり集合場所である丘の上の家へは、歩いてもそう遠くない。
「ヴァンツァー達がいた世界じゃ映画は無かったって聞いたんだが、それは撮影技術が無かったって話なのかぁ?」
「ううん。宇宙開拓時代より前の中世くらいだったって意味だよ。多分娯楽って言ったら演劇舞台くらいだったんじゃないかな」
「……その文化からいきなりこんな機械で溢れてる世界に?」
少なからず驚いたのは、シルビが様々な世界で生きて様々な文化を知っていたからだろう。
発展途上の文化も最新鋭といえる文化も経験していて、生まれ変わった人生の幼少期にはその差に戸惑ったこともある。むしろ生まれ変わって、言葉も喋れない赤ん坊の時からじんわりとその世界の文化に慣れることが出来たからこそ戸惑わずにいられた。
「サブジェイに初めて声を掛けられた時は驚いたけど、じゃあヴァンツァー達も内心じゃそんな感じかぁ」
サンデナンを出発した際はシルビが運転していたが、ここへ来るまでに一度休憩を挟んで運転手を交代してきたのだ。だから車を停める場所を覚えておきたかったのである。
「ドミニクの影響はどう?」
「大分元通りになった。今はもういきなり取り憑かれるなんてことはねぇよ」
「良かった。少なからずぼくのせいなところもあったから心配してたんだ」
確かにルウが肉体を捨てて分散された時、魂の一部を臨時収容したのが原因ではあるが、シルビはそれをルウのせいだと思ってはいない。むしろルウだって被害者であると考えているのでその言葉は間違ってると思った。
今日のシルビは以前、ルウとショッピングをした際に購入した幅広の赤いリボンを髪に巻いている。
ただ縛るだけならともかく凝った髪型にすることは自分では出来なかったので、ルウと合流する前にシェラへ頼んだら何か髪と絡み合わせる様に結われた。見えないのでどうなっているのか分からないし自分で解くこともおそらく出来ない。
「やっぱりそれ似合うね」
「一緒に買ったカニの奴はヴァンツァーに真顔でもっとマシな物を付けろて言われたぜぇ」
「彼でもそんなこと言うんだ? まぁ映画の撮影現場へ招待するくらいだものね」
停めた車から降りて歩き出す。
撮影場所であり集合場所である丘の上の家へは、歩いてもそう遠くない。
「ヴァンツァー達がいた世界じゃ映画は無かったって聞いたんだが、それは撮影技術が無かったって話なのかぁ?」
「ううん。宇宙開拓時代より前の中世くらいだったって意味だよ。多分娯楽って言ったら演劇舞台くらいだったんじゃないかな」
「……その文化からいきなりこんな機械で溢れてる世界に?」
少なからず驚いたのは、シルビが様々な世界で生きて様々な文化を知っていたからだろう。
発展途上の文化も最新鋭といえる文化も経験していて、生まれ変わった人生の幼少期にはその差に戸惑ったこともある。むしろ生まれ変わって、言葉も喋れない赤ん坊の時からじんわりとその世界の文化に慣れることが出来たからこそ戸惑わずにいられた。
「サブジェイに初めて声を掛けられた時は驚いたけど、じゃあヴァンツァー達も内心じゃそんな感じかぁ」