暁の天使
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磁気嵐が解消しているというのに遭難した座標へ呼びかけても応答が無い。
シルビ達が想定した可能性は三つ。
最悪の事態が起こったのか、救難信号を発した後で艦が流されたのか、発信機の故障。
「……この探知機の様子からして、《スティーヴンスン》が流されたという事は無いと思います。あってもそう流れたりはしねぇ」
「では君は、発信機の故障だと?」
「そうですね。ミズ」
「ジャスミンでいい。――アレクを見殺しにしたとあっては、ジンジャーに合わせる顔が無いからな」
どうやらジャスミンの知り合いらしい人物の名前にダンが反応する。それを視界の端へ納めながらシルビは、救援信号に添付されていた座標への最短ルートを探った。
発信機が故障しているだけならばいいが、様々な可能性を考えて出来うる限りの事をしたほうがいい。
ケリー達がリィ達を迎えに行くからと別行動する為に分かれる。
進行妨害する小惑星はキングダムの砲撃で破壊しなければならず、《パラス・アテナ》が一緒に居た時よりは進行速度が遅くなった。仕方なくダンから同調装置を借り受け、キングダムの感応頭脳である《フェリクスⅢ》と協力して小惑星の隙間を縫っていく。
それでもジャスミンはのろのろとした速度に痺れを切らし、《クインビー》というらしい戦闘機で先に行くといって船橋を出ていった。
その後ろ姿が見えなくなってから、ダンがこっそりと感応頭脳へ問いかける。
「あの赤い戦闘機は、本当に二十センチ砲を搭載しているのか……?」
「二十センチ砲?」
「はい」
フェリクスⅢは極々素直に答えた。シルビだけが話が見えない。
「戦闘機だぞ? しかも、四十年前の」
四十年前の戦闘機。少し考えてシルビは自分だったらギリギリ乗れるかなと関係ないことを思う。彼らの話は聞かないに限るようだ。
だから、普通であれば戦闘機に二十センチ砲など聞き間違いでしかない。
「駆逐艦に匹敵する戦闘能力を持たせたいということでした。クインビーは完全核融合炉を搭載していますので、連射も可能です」
席を離れていいのであれば、深く溜め息を吐いたダンの肩を同情して叩くなりしていただろう。戦闘機に何を期待しているのかあの女性は、とシルビも思わずにはいられなかった。
風防ガラスの外を赤い戦闘機が進んでいく。確かにアレに二十センチ砲が搭載されているとなれば、信じられない話だ。
「……フェリクスⅢ。ミズ・クーアとの通信はどうなっていますか?」
「既に完了しています。繋ぎますか?」
「お願いします」
とりあえず、幾つかの邪魔な小惑星を退かしてもらうことにした。
シルビ達が想定した可能性は三つ。
最悪の事態が起こったのか、救難信号を発した後で艦が流されたのか、発信機の故障。
「……この探知機の様子からして、《スティーヴンスン》が流されたという事は無いと思います。あってもそう流れたりはしねぇ」
「では君は、発信機の故障だと?」
「そうですね。ミズ」
「ジャスミンでいい。――アレクを見殺しにしたとあっては、ジンジャーに合わせる顔が無いからな」
どうやらジャスミンの知り合いらしい人物の名前にダンが反応する。それを視界の端へ納めながらシルビは、救援信号に添付されていた座標への最短ルートを探った。
発信機が故障しているだけならばいいが、様々な可能性を考えて出来うる限りの事をしたほうがいい。
ケリー達がリィ達を迎えに行くからと別行動する為に分かれる。
進行妨害する小惑星はキングダムの砲撃で破壊しなければならず、《パラス・アテナ》が一緒に居た時よりは進行速度が遅くなった。仕方なくダンから同調装置を借り受け、キングダムの感応頭脳である《フェリクスⅢ》と協力して小惑星の隙間を縫っていく。
それでもジャスミンはのろのろとした速度に痺れを切らし、《クインビー》というらしい戦闘機で先に行くといって船橋を出ていった。
その後ろ姿が見えなくなってから、ダンがこっそりと感応頭脳へ問いかける。
「あの赤い戦闘機は、本当に二十センチ砲を搭載しているのか……?」
「二十センチ砲?」
「はい」
フェリクスⅢは極々素直に答えた。シルビだけが話が見えない。
「戦闘機だぞ? しかも、四十年前の」
四十年前の戦闘機。少し考えてシルビは自分だったらギリギリ乗れるかなと関係ないことを思う。彼らの話は聞かないに限るようだ。
だから、普通であれば戦闘機に二十センチ砲など聞き間違いでしかない。
「駆逐艦に匹敵する戦闘能力を持たせたいということでした。クインビーは完全核融合炉を搭載していますので、連射も可能です」
席を離れていいのであれば、深く溜め息を吐いたダンの肩を同情して叩くなりしていただろう。戦闘機に何を期待しているのかあの女性は、とシルビも思わずにはいられなかった。
風防ガラスの外を赤い戦闘機が進んでいく。確かにアレに二十センチ砲が搭載されているとなれば、信じられない話だ。
「……フェリクスⅢ。ミズ・クーアとの通信はどうなっていますか?」
「既に完了しています。繋ぎますか?」
「お願いします」
とりあえず、幾つかの邪魔な小惑星を退かしてもらうことにした。