夜の展覧会
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
マンフレッド・グレン警部と名乗った男性にシルビ達もそれぞれ名乗り、昼食を一緒に食べる。最初の段階で警察だとバレた警部は調子が狂っているようだったが、昼食の殆どを食べ終える頃にはいくらか落ち着いているようだった。
シルビとシェラがデザートを食べ始めた頃、甘いものを食べないリィとグレン警部が話し始める。シェラとデザートの批評をしながらそれを聞いている限り、やはり昨日飾られていた『暁の天使』は偽物で、盗んだ犯人が館長宛に知らせてきたらしい。
そんなタイミングでリィが『アレは偽物だ』と発言したものだから、犯人と関わりがあるのではと疑われていたようである。まぁ疑うよな、と思ったシルビはきっと悪くは無いが、あまりにも他人事過ぎると思い直したのはリィ達と『友人』になることを既に決めていたからだろう。
リィに誘導されていると知ってか知らずか、一般人であるシルビ達へ警部は『暁の天使がすり返られていたことが判明し、警察が動き出している』と話している。そもそも警部がシルビ達へ接触してきた時点でそれは既知だが。
警部がリィを子供だと侮ることなく喋るから、という訳でも無さそうだがリィは昨日のうちに調べた情報を提供していた。昨日偽物だと発覚して警察もまだ殆ど動けていないだろうが、警部の様子からして捜査は殆ど進んでいないようである。
仕方ないとはいえ後手後手だなと思わざるを得ない。
「警部がここにいるってことは犯人は絵の身代金か何か要求してきたの?」
「いいや、まだだ」
「まだだ、という事は必ず要求が来るとお考えで?」
食べ終えたカタラーナの容器を置いて尋ねる。グレン警部はシルビを見て僅かに雰囲気を緩めた。
「来るだろうな」
グレン警部は断言する。それが刑事の勘というものに近かろうと、この人は断言した。
警察関係者にしては柔軟な考えが持てる相手のようである。『暁の天使』をリィの物にしようとしているシルビには多少心が痛いが、どうせこの場限りの付き合いだと思えばどうでもいい。
絵が見つかったらリィへ確認させてくれる事を約束した警部と、シルビはリィ達の保護者として携帯端末の連絡先を交換した。連邦大学の寮の名前も教えておき、部下らしい男に呼ばれた警部と別れる。
「さて、何から着手するんだぁ?」
「まずは偽物を描いたと思われる奴を探そう。教授を騙せるほど上手い偽物を描ける奴だ」
目的地とそこへ到るまでの順番は組み上がっているのかリィの足取りには淀みが無い。シルビもその後に続きながら、先程の警部の話を思い起こして苦笑する。
取引の連絡が来るまで、警部達はやはり動けないのだろう。何事も事が起きてからでないと動けないのは警察の悪い点だ。
シルビとシェラがデザートを食べ始めた頃、甘いものを食べないリィとグレン警部が話し始める。シェラとデザートの批評をしながらそれを聞いている限り、やはり昨日飾られていた『暁の天使』は偽物で、盗んだ犯人が館長宛に知らせてきたらしい。
そんなタイミングでリィが『アレは偽物だ』と発言したものだから、犯人と関わりがあるのではと疑われていたようである。まぁ疑うよな、と思ったシルビはきっと悪くは無いが、あまりにも他人事過ぎると思い直したのはリィ達と『友人』になることを既に決めていたからだろう。
リィに誘導されていると知ってか知らずか、一般人であるシルビ達へ警部は『暁の天使がすり返られていたことが判明し、警察が動き出している』と話している。そもそも警部がシルビ達へ接触してきた時点でそれは既知だが。
警部がリィを子供だと侮ることなく喋るから、という訳でも無さそうだがリィは昨日のうちに調べた情報を提供していた。昨日偽物だと発覚して警察もまだ殆ど動けていないだろうが、警部の様子からして捜査は殆ど進んでいないようである。
仕方ないとはいえ後手後手だなと思わざるを得ない。
「警部がここにいるってことは犯人は絵の身代金か何か要求してきたの?」
「いいや、まだだ」
「まだだ、という事は必ず要求が来るとお考えで?」
食べ終えたカタラーナの容器を置いて尋ねる。グレン警部はシルビを見て僅かに雰囲気を緩めた。
「来るだろうな」
グレン警部は断言する。それが刑事の勘というものに近かろうと、この人は断言した。
警察関係者にしては柔軟な考えが持てる相手のようである。『暁の天使』をリィの物にしようとしているシルビには多少心が痛いが、どうせこの場限りの付き合いだと思えばどうでもいい。
絵が見つかったらリィへ確認させてくれる事を約束した警部と、シルビはリィ達の保護者として携帯端末の連絡先を交換した。連邦大学の寮の名前も教えておき、部下らしい男に呼ばれた警部と別れる。
「さて、何から着手するんだぁ?」
「まずは偽物を描いたと思われる奴を探そう。教授を騙せるほど上手い偽物を描ける奴だ」
目的地とそこへ到るまでの順番は組み上がっているのかリィの足取りには淀みが無い。シルビもその後に続きながら、先程の警部の話を思い起こして苦笑する。
取引の連絡が来るまで、警部達はやはり動けないのだろう。何事も事が起きてからでないと動けないのは警察の悪い点だ。