暁の天使
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
クーア・キングダムの船橋へ着いて、ダンの隣へと座る。ジャスミンは既に船長の席とは別に用意されている司令席へと座っていた。
すぐにダイアナから送られてきたものとキングダムの感応頭脳である《フェリクスⅢ》が出してくれた探知機と宙図とを見比べ、手早く座標を導き出す。シルビの手元を見ていたダンが信じられないといった顔をしていた。
「その、ミスタ・グラマト」
「シルビでいいですマクスウェル船長。貴方の話は学生の間でかねがね伺っております」
「シルビ。君のその技量は一体何処で得たものなんだ? それとも今の学生はここまで教えられているものなのか?」
司令席から尋ねられて、シルビは探知機から目を離さずに苦笑する。
「操縦過程を取っていますが、ここまで出来るのは自慢じゃねぇですが俺以外居ねぇでしょう。ミズ・クーア。貴方の旦那同様、俺も一応『生き返った』人間なんです」
「君もか!? いや、君と呼ぶのは失礼なのか?」
「既にこの身体で十数年生きてますので子供扱いで結構です」
ダンが会話に付いていけていない。今までの会話を総合すれば、今この騒動で動いている一行の中で一般人なのはダンだけだ。他は四十年近く眠っていたり五年前に死んでいたり、人なのか良く分からなかったり身体を若返らせて中学へ通っていたりとする者である。
こう考えるとシルビも含めてまともな人が居ない。
「死ぬ前の君は海賊の知り合いだったのか?」
「ええ」
画面の向こうで《パラス・アテナ》が跳躍する。
「今でこそこんなナリですが、昔は俺も海賊でしたよ」
会話は此処までだと態度で示して、シルビは画面へ映し出される探知機の様子を見つめた。重巡外艦《スティーヴンスン》があると推測してある座標へは、まだ辿り着ける気がしていない。
重力に絡みつかれ空中分解してもおかしくなさそうな機体の悲鳴が、ここにまで聞こえた気がしたものの《パラス・アテナ》は無事に宇宙嵐の中へと到着する。果たして無事という表現が合っているのかどうかも少し分からなかったが、空中分解という第一の危機は避けたのだからきっとおかしくはないだろう。
跳躍準備をしろというケリーからの通信が入り、ダンが同調装置を身につけた。シルビのやる事はくるであろう衝撃に耐えつつダンと感応頭脳の補佐をすることである。
しかしクーア・キングダムはシルビの予想以上に綺麗で無駄のない跳躍をした。
操縦者の腕が悪ければ此処まで綺麗な跳躍は出来なかっただろう。それほどまでにダンの操縦の腕前は素晴らしかった。
すぐにダイアナから送られてきたものとキングダムの感応頭脳である《フェリクスⅢ》が出してくれた探知機と宙図とを見比べ、手早く座標を導き出す。シルビの手元を見ていたダンが信じられないといった顔をしていた。
「その、ミスタ・グラマト」
「シルビでいいですマクスウェル船長。貴方の話は学生の間でかねがね伺っております」
「シルビ。君のその技量は一体何処で得たものなんだ? それとも今の学生はここまで教えられているものなのか?」
司令席から尋ねられて、シルビは探知機から目を離さずに苦笑する。
「操縦過程を取っていますが、ここまで出来るのは自慢じゃねぇですが俺以外居ねぇでしょう。ミズ・クーア。貴方の旦那同様、俺も一応『生き返った』人間なんです」
「君もか!? いや、君と呼ぶのは失礼なのか?」
「既にこの身体で十数年生きてますので子供扱いで結構です」
ダンが会話に付いていけていない。今までの会話を総合すれば、今この騒動で動いている一行の中で一般人なのはダンだけだ。他は四十年近く眠っていたり五年前に死んでいたり、人なのか良く分からなかったり身体を若返らせて中学へ通っていたりとする者である。
こう考えるとシルビも含めてまともな人が居ない。
「死ぬ前の君は海賊の知り合いだったのか?」
「ええ」
画面の向こうで《パラス・アテナ》が跳躍する。
「今でこそこんなナリですが、昔は俺も海賊でしたよ」
会話は此処までだと態度で示して、シルビは画面へ映し出される探知機の様子を見つめた。重巡外艦《スティーヴンスン》があると推測してある座標へは、まだ辿り着ける気がしていない。
重力に絡みつかれ空中分解してもおかしくなさそうな機体の悲鳴が、ここにまで聞こえた気がしたものの《パラス・アテナ》は無事に宇宙嵐の中へと到着する。果たして無事という表現が合っているのかどうかも少し分からなかったが、空中分解という第一の危機は避けたのだからきっとおかしくはないだろう。
跳躍準備をしろというケリーからの通信が入り、ダンが同調装置を身につけた。シルビのやる事はくるであろう衝撃に耐えつつダンと感応頭脳の補佐をすることである。
しかしクーア・キングダムはシルビの予想以上に綺麗で無駄のない跳躍をした。
操縦者の腕が悪ければ此処まで綺麗な跳躍は出来なかっただろう。それほどまでにダンの操縦の腕前は素晴らしかった。